58 / 201
隻眼のワイバーン(イリア回想)
隻眼のワイバーン3
しおりを挟む
「直接、ワイバーンの毒霧を食らうな!隙を見て、矢を放て!!」
エリの指示が弓術隊にとぶ。
「救護班!ワイバーンの毒霧には、治癒系、解毒系の魔法、アイテムは効きません!!回復魔法、回復ポーションを使って、救護にあたって下さい!!」
これと言って、治療法もなく、一番歯がゆい思いをしているであろう、エターナが救護班に指示を出す。
「騎士団は、このまま待機。これで良いかい?イリア?」
「はい。ありがとうございます。本来なら、村人を救出したいのですが、状況が状況。むやみやたらと救出に行って、感染者を増やす訳にはいきません。」
私はハセンにそう言う。
実際のところは分からない。疫病又は毒は、感染者からも感染する。
それが接触して感染。または空気感染だった場合……。
いや、もうこの状況から垣間見えるように、これは、空気感染でも感染する。そう断定してもいいでしょう。
空気感染をするのだから、もう……既に私達も感染していると思って行動した方がいいのかもしれない。
しかし、現状では解決する手段がない。解毒魔法や治癒魔法などの効果のない状況では……。
考えている時間も無い。そんな状況下の中で、最も助かる確率の多い選択をしなければならない。
最も有力な対処法。それは『神々の気まぐれ』で作られたであろう、あのワイバーンを倒す事。
『神々の気まぐれ』では良くあることなのだ。元凶となるモンスターを倒すと、自体が急速に収まる事が。なので、あの『隻眼のワイバーン』を討伐する事に集中する。
「第一、第二魔術師隊、弓術隊がワイバーンの気を引きつけているうちに、ワイバーンの左翼を狙って下さい。どのような状態か分かりませんが、ワイバーンは左目が潰れている。視界が狭いはずですので。左翼を中心に、周りの毒素も焼滅させれる事を考えて、炎系の魔法を使って下さい。第三、第四魔術師隊は騎士団に炎の魔法障壁を付与をお願いします。」
あの魔術師隊員の彼が言う通りならば、私が思うにウイルス性。
ウイルスなら、凍らせてもいいだろうけど、飛散を防ぐ為には炎で焼き払った方が手っ取り早い。
いや、炎に賭けるしかないという状況。
熱や冷気に耐性があるなら、現状、最早、お手上げ状態になってしまう。
それに、氷魔法と火魔法は相性も悪い。魔法同士がぶつかれば、最悪、水蒸気爆発を起こしてしまうおそれもある。疫病以上に被害が出る可能性だってある。それならば、やはり炎だ。
そして、まずは、あのワイバーンを地上へと落とす!落とした後、騎士団に総攻撃をかけてもらう。武器による攻撃が効けば、かなり優位に戦えるはず。
近接戦闘は、毒に冒される危険が最も高い。本来なら、耐毒障壁なのだけれど……解毒方の分からない現状では、耐毒魔法障壁はあまり役に立たない。それなら、炎の魔法障壁で防ぐべき。
魔術師隊は一斉に、炎系の魔法を唱え放つ。
翼に魔法の集中攻撃を食らい、狙い通り、ワイバーンは地上へ落ちる。
良かった。魔法は効くようだ。
「騎士団、突撃!直接、皮膚に触れるな!!皮膚にも毒を持っている可能性がある。」
ハセンは騎士団に指示を出す。
これで、終わってくれればいいのですが……。
騎士団は、剣や槍でワイバーンを攻撃する。しかし……。
剣や槍の攻撃はことごとく弾かれる。
外殻はかなりの強度を誇っていた。
そうこうしていると、ワイバーンは立ち上がり、その長い尻尾で騎士団を凪払い、翼を再生させ、また空へと飛ぶ。
「ちっ!自己再生まで持ってやがるのか!!」
エリは恨めしそうに叫ぶ。
やはりと言うべきか……一筋縄ではいかない。『神々の気まぐれ』。並みのモンスターとは桁違いだ。
再び、空へと戻ったワイバーン。今度は、毒霧ではなく、違うブレスを吐いた。
それに触れた、騎士団達の悲鳴が上がる。
鋼の剣や鎧が溶けて、皮膚を浸食していた。
なに!?どういう事!!鋼を溶かすなんて!!酸?!
これは、いけない!!
「弓術隊!負傷した騎士団員を回収!!急げ!!!」
私と同じ考えに至ったのだろう。エリが弓術隊に命令を出す。
弓術隊は速やかに騎士団員達を連れ、避難する。
「容態は?!」
「酷いけど……これは、毒ではないわね!!毒でなければ、回復魔法で治るはずよ!!」
エターナは、騎士団員に回復魔法をかける。
傷はみるみる塞がっていった。
……良かった。しかし、安心は出来ない。次にあのブレスを吐かれたら……。いや、あのブレス以外にも何かあるかもしれない。早期に決着をつけねば!
「エリ!援護をお願いできますか!!」
「了解!!」
「第一魔術師隊は、私の援護をお願いします。他の隊は、騎士団の治療にあたって下さい。」
私はエリと第一魔術師隊を連れて、最前線へと出た。
エリの指示が弓術隊にとぶ。
「救護班!ワイバーンの毒霧には、治癒系、解毒系の魔法、アイテムは効きません!!回復魔法、回復ポーションを使って、救護にあたって下さい!!」
これと言って、治療法もなく、一番歯がゆい思いをしているであろう、エターナが救護班に指示を出す。
「騎士団は、このまま待機。これで良いかい?イリア?」
「はい。ありがとうございます。本来なら、村人を救出したいのですが、状況が状況。むやみやたらと救出に行って、感染者を増やす訳にはいきません。」
私はハセンにそう言う。
実際のところは分からない。疫病又は毒は、感染者からも感染する。
それが接触して感染。または空気感染だった場合……。
いや、もうこの状況から垣間見えるように、これは、空気感染でも感染する。そう断定してもいいでしょう。
空気感染をするのだから、もう……既に私達も感染していると思って行動した方がいいのかもしれない。
しかし、現状では解決する手段がない。解毒魔法や治癒魔法などの効果のない状況では……。
考えている時間も無い。そんな状況下の中で、最も助かる確率の多い選択をしなければならない。
最も有力な対処法。それは『神々の気まぐれ』で作られたであろう、あのワイバーンを倒す事。
『神々の気まぐれ』では良くあることなのだ。元凶となるモンスターを倒すと、自体が急速に収まる事が。なので、あの『隻眼のワイバーン』を討伐する事に集中する。
「第一、第二魔術師隊、弓術隊がワイバーンの気を引きつけているうちに、ワイバーンの左翼を狙って下さい。どのような状態か分かりませんが、ワイバーンは左目が潰れている。視界が狭いはずですので。左翼を中心に、周りの毒素も焼滅させれる事を考えて、炎系の魔法を使って下さい。第三、第四魔術師隊は騎士団に炎の魔法障壁を付与をお願いします。」
あの魔術師隊員の彼が言う通りならば、私が思うにウイルス性。
ウイルスなら、凍らせてもいいだろうけど、飛散を防ぐ為には炎で焼き払った方が手っ取り早い。
いや、炎に賭けるしかないという状況。
熱や冷気に耐性があるなら、現状、最早、お手上げ状態になってしまう。
それに、氷魔法と火魔法は相性も悪い。魔法同士がぶつかれば、最悪、水蒸気爆発を起こしてしまうおそれもある。疫病以上に被害が出る可能性だってある。それならば、やはり炎だ。
そして、まずは、あのワイバーンを地上へと落とす!落とした後、騎士団に総攻撃をかけてもらう。武器による攻撃が効けば、かなり優位に戦えるはず。
近接戦闘は、毒に冒される危険が最も高い。本来なら、耐毒障壁なのだけれど……解毒方の分からない現状では、耐毒魔法障壁はあまり役に立たない。それなら、炎の魔法障壁で防ぐべき。
魔術師隊は一斉に、炎系の魔法を唱え放つ。
翼に魔法の集中攻撃を食らい、狙い通り、ワイバーンは地上へ落ちる。
良かった。魔法は効くようだ。
「騎士団、突撃!直接、皮膚に触れるな!!皮膚にも毒を持っている可能性がある。」
ハセンは騎士団に指示を出す。
これで、終わってくれればいいのですが……。
騎士団は、剣や槍でワイバーンを攻撃する。しかし……。
剣や槍の攻撃はことごとく弾かれる。
外殻はかなりの強度を誇っていた。
そうこうしていると、ワイバーンは立ち上がり、その長い尻尾で騎士団を凪払い、翼を再生させ、また空へと飛ぶ。
「ちっ!自己再生まで持ってやがるのか!!」
エリは恨めしそうに叫ぶ。
やはりと言うべきか……一筋縄ではいかない。『神々の気まぐれ』。並みのモンスターとは桁違いだ。
再び、空へと戻ったワイバーン。今度は、毒霧ではなく、違うブレスを吐いた。
それに触れた、騎士団達の悲鳴が上がる。
鋼の剣や鎧が溶けて、皮膚を浸食していた。
なに!?どういう事!!鋼を溶かすなんて!!酸?!
これは、いけない!!
「弓術隊!負傷した騎士団員を回収!!急げ!!!」
私と同じ考えに至ったのだろう。エリが弓術隊に命令を出す。
弓術隊は速やかに騎士団員達を連れ、避難する。
「容態は?!」
「酷いけど……これは、毒ではないわね!!毒でなければ、回復魔法で治るはずよ!!」
エターナは、騎士団員に回復魔法をかける。
傷はみるみる塞がっていった。
……良かった。しかし、安心は出来ない。次にあのブレスを吐かれたら……。いや、あのブレス以外にも何かあるかもしれない。早期に決着をつけねば!
「エリ!援護をお願いできますか!!」
「了解!!」
「第一魔術師隊は、私の援護をお願いします。他の隊は、騎士団の治療にあたって下さい。」
私はエリと第一魔術師隊を連れて、最前線へと出た。
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる