78 / 201
真実は胸の中(イリア回想)
真実は胸の中2
しおりを挟む
私が『揚げ物処 大和』に訪れたのは、偶然ではない。その事。
私はその当時の事も思い出していた。
私が『隻眼のワイバーン』の件で、酷く落ち込んでいた時、私は、女王様から依頼を受けた。
「イリアや。ちと人間界に行ってきてくれんか?妾、気になる物があるのじゃ。」
それは、突然だった。
今思えば、当時の私はそれぐらい、悲壮感が漂っていたのだろう。
女王様が気晴らしにでもなればいい。そう思われたのかもしれない。
「気になる物とは?何ですか??女王様。」
「ふむ。人間界にはトンカツという、誠に美味なる物があるらしいのじゃ。妾、そのトンカツとやらを、食してみたいのじゃ。」
トンカツ?何でしょうそれは??
「トンカツ?と言うのは?」
私の問いに女王様は答える。
「妾もよく分からぬ。……揚げ物。というやつらしくてのぅ。それは何でも、とてつもなく美味らしいのじゃ。妾、毎日、サラダや塩で焼いた魚や肉には、飽き飽きしておるのじゃ~。」
世界一の美貌を何時も振り撒く女王様。その女王様がなんと可愛らしい仕草をなさるのでしょう。
「分かりました。でも、どうやって、私は人間界へ赴けば良いのでしょう?」
「お!行ってくれるか?それは良かった!!人間界へ行くには、宝具『ゲート』を使うとよい。それとな、おぬしも分かっておると思うが、人間界は魔素がない。ちゃんと魔法で処置をして出掛けること。あっと!変装も忘れてはいけぬ!!この宝具『変化のローブ』を使って好きな姿になるとよい。おっと、それとな。これが一番重要じゃった。店は、妾が決めておる。これじゃ。」
女王様はかなりテンションが上がっているのだろう。あたふたとしながら、一枚のメモをくれた。
なになに?あれ?読めない文字で書いてある。
仕方ない。この文字と同じ物を見つけて入ればいいでしょう。
そう、単純な気持ちで人間界へ赴く事になった。
よし!魔法も変装はバッチリ。
服がはちきれんばかりのお腹周りの肉。歩く度に揺れる胸の肉。そして、キリリとした一重の切れ長の目に、二重あご。それにあご髭。髪はあっても無くてもいい。
まさに、私の理想像。……いや、私達、エルフ女子の理想像だろう。かなりのイケメンに仕上がった。
し、しかし、この姿は歩きにくい。いや、それよりも、人間界って人が多すぎでしょ?それに……石で出来た塔でしょうか?所狭しと建っているし……。ダンジョンがそんなに所狭しと建っているなら、いざっていう時には対処出来ないわよ?
そんな事をブツブツと考えながら、女王様から預かったメモと看板を交互ににらめっこしながら、お店を探した。
そうして、やっと発見する事が出来た。
そして、お店の中へ入る。
すると、その中は、なんとも言えない、いい匂いがしていた。
「ΦΩβъ∀Φъ⊅。」
え?!何て言っているか分からない。
店員さんなのだろうが……その人に即されるまま、私は席に座る。もちろん、メニューに何て書いてあるかも分からない。
「ΩΦ∀⊅∀ъΩ⊅」
そんな私を見て、心配したのだろうか?
カウンターの向こうから声が聞こえる。そして、その顔を見た。
…………。
………。
……。
えっ!ええ?!す、凄いイケメンが!!
ま、まさに、私の理想。い、いや!!私達の世界なら、確実に世界一のイケメン!!
美しい切れ長の一重の瞳。立派な二重あごに、整ったあご髭。それだけじゃない。歯も綺麗に揃っている。身長も高いし、お腹や胸の肉も申し分ない!!
私は緊張のあまり、メニューを指差した。
「ΦΩδηζκιοπμνπ」
そう言い、イケメンの人は料理を開始した。
何とも言えない香ばしさ匂いとジョワジョワっと音がする。
ああ。何と夢空間なのでしょうか?
イケメンの男性が料理している姿というのは、実に絵になります。
すると、そのイケメン男性は、料理を終えたようで、私の前に料理を置いてくれた。
私は、料理とイケメン男性の顔を交互に見る。
……あれ?この人、どこかで会った事ある??
いや……まさかね。私の人間の知り合いと言えば、一人しかいない。それも、もう三十年以上も前の話だ。
確かに、人間の年齢だと、ヤマトもこのくらいの歳になっているはずだけど……まさかね。
うん。そうだ。それはないな。
そう思い、男性から目を逸らして、料理を見る。
おや?エンジェルポークのお肉……?それを何かで包んでいるのかしら?何か不思議な食べ物ね。
私は、一口、料理を口にした。
ん?んんんん!?
な、何これ!!周りはサクッとしている!!それなのに、中のお肉からは肉汁が溢れてくるわ!!な、なんて!美味しいのでしょう!?
私は夢中になって、料理を食べる。すると、イケメン男性が何かをジェスチャーしながら言っている。
なになに?この小皿の液体をつけて食べろ。って事?
言われるままに、つけて、口へ運ぶ。
な、なにこれ!!また、さっきとは違ってスパイシーな感じに甘味まで加わっているわ!!
し、信じられない!!な、何て美味しいものなの?!しかも、添えてある、キャベツがまた、口の中を爽やかにしてくれて、食べるのが止まらないわ。
私は、本当に夢中になって食べた。そして、夢見心地でふらりと席を立ち、お店を出ていた。
何かを叫ぶ声が聞こえたが、気がつけば、私はお城へと帰って来ていたのだった。
私はその当時の事も思い出していた。
私が『隻眼のワイバーン』の件で、酷く落ち込んでいた時、私は、女王様から依頼を受けた。
「イリアや。ちと人間界に行ってきてくれんか?妾、気になる物があるのじゃ。」
それは、突然だった。
今思えば、当時の私はそれぐらい、悲壮感が漂っていたのだろう。
女王様が気晴らしにでもなればいい。そう思われたのかもしれない。
「気になる物とは?何ですか??女王様。」
「ふむ。人間界にはトンカツという、誠に美味なる物があるらしいのじゃ。妾、そのトンカツとやらを、食してみたいのじゃ。」
トンカツ?何でしょうそれは??
「トンカツ?と言うのは?」
私の問いに女王様は答える。
「妾もよく分からぬ。……揚げ物。というやつらしくてのぅ。それは何でも、とてつもなく美味らしいのじゃ。妾、毎日、サラダや塩で焼いた魚や肉には、飽き飽きしておるのじゃ~。」
世界一の美貌を何時も振り撒く女王様。その女王様がなんと可愛らしい仕草をなさるのでしょう。
「分かりました。でも、どうやって、私は人間界へ赴けば良いのでしょう?」
「お!行ってくれるか?それは良かった!!人間界へ行くには、宝具『ゲート』を使うとよい。それとな、おぬしも分かっておると思うが、人間界は魔素がない。ちゃんと魔法で処置をして出掛けること。あっと!変装も忘れてはいけぬ!!この宝具『変化のローブ』を使って好きな姿になるとよい。おっと、それとな。これが一番重要じゃった。店は、妾が決めておる。これじゃ。」
女王様はかなりテンションが上がっているのだろう。あたふたとしながら、一枚のメモをくれた。
なになに?あれ?読めない文字で書いてある。
仕方ない。この文字と同じ物を見つけて入ればいいでしょう。
そう、単純な気持ちで人間界へ赴く事になった。
よし!魔法も変装はバッチリ。
服がはちきれんばかりのお腹周りの肉。歩く度に揺れる胸の肉。そして、キリリとした一重の切れ長の目に、二重あご。それにあご髭。髪はあっても無くてもいい。
まさに、私の理想像。……いや、私達、エルフ女子の理想像だろう。かなりのイケメンに仕上がった。
し、しかし、この姿は歩きにくい。いや、それよりも、人間界って人が多すぎでしょ?それに……石で出来た塔でしょうか?所狭しと建っているし……。ダンジョンがそんなに所狭しと建っているなら、いざっていう時には対処出来ないわよ?
そんな事をブツブツと考えながら、女王様から預かったメモと看板を交互ににらめっこしながら、お店を探した。
そうして、やっと発見する事が出来た。
そして、お店の中へ入る。
すると、その中は、なんとも言えない、いい匂いがしていた。
「ΦΩβъ∀Φъ⊅。」
え?!何て言っているか分からない。
店員さんなのだろうが……その人に即されるまま、私は席に座る。もちろん、メニューに何て書いてあるかも分からない。
「ΩΦ∀⊅∀ъΩ⊅」
そんな私を見て、心配したのだろうか?
カウンターの向こうから声が聞こえる。そして、その顔を見た。
…………。
………。
……。
えっ!ええ?!す、凄いイケメンが!!
ま、まさに、私の理想。い、いや!!私達の世界なら、確実に世界一のイケメン!!
美しい切れ長の一重の瞳。立派な二重あごに、整ったあご髭。それだけじゃない。歯も綺麗に揃っている。身長も高いし、お腹や胸の肉も申し分ない!!
私は緊張のあまり、メニューを指差した。
「ΦΩδηζκιοπμνπ」
そう言い、イケメンの人は料理を開始した。
何とも言えない香ばしさ匂いとジョワジョワっと音がする。
ああ。何と夢空間なのでしょうか?
イケメンの男性が料理している姿というのは、実に絵になります。
すると、そのイケメン男性は、料理を終えたようで、私の前に料理を置いてくれた。
私は、料理とイケメン男性の顔を交互に見る。
……あれ?この人、どこかで会った事ある??
いや……まさかね。私の人間の知り合いと言えば、一人しかいない。それも、もう三十年以上も前の話だ。
確かに、人間の年齢だと、ヤマトもこのくらいの歳になっているはずだけど……まさかね。
うん。そうだ。それはないな。
そう思い、男性から目を逸らして、料理を見る。
おや?エンジェルポークのお肉……?それを何かで包んでいるのかしら?何か不思議な食べ物ね。
私は、一口、料理を口にした。
ん?んんんん!?
な、何これ!!周りはサクッとしている!!それなのに、中のお肉からは肉汁が溢れてくるわ!!な、なんて!美味しいのでしょう!?
私は夢中になって、料理を食べる。すると、イケメン男性が何かをジェスチャーしながら言っている。
なになに?この小皿の液体をつけて食べろ。って事?
言われるままに、つけて、口へ運ぶ。
な、なにこれ!!また、さっきとは違ってスパイシーな感じに甘味まで加わっているわ!!
し、信じられない!!な、何て美味しいものなの?!しかも、添えてある、キャベツがまた、口の中を爽やかにしてくれて、食べるのが止まらないわ。
私は、本当に夢中になって食べた。そして、夢見心地でふらりと席を立ち、お店を出ていた。
何かを叫ぶ声が聞こえたが、気がつけば、私はお城へと帰って来ていたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる