揚げ物、お好きですか?リメイク版

ツ~

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魔王様、おじゃまします

魔王様、おじゃまします7

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 大ニワトリのからあげにしようとも思ったけど、夕食はビッグホーンのビーフカツにした。
 「……うん。これは、美味しいね。オーフェン達が絶賛するわけだ。」
 魔王様はそう言い、平らげていく。イーシャさん達にも好評のようで、多めに揚げていたビーフカツはあっという間になくなった。
 「満足頂けたようで、何よりです。」
 俺も一安心だ。
 「なぁ、ヤマト君。一つ相談が……いや、二つか……あるのだがいいかな?」
 魔王様は少し考えて言う。
 「俺に出来る事であれば。」
 「ありがとう。それでは、一つ目だけど、イーシャに料理を教えてくれないかい?僕は何時でもこの料理を食べたいと思ってしまった。」
 そんなに気に入ってくれたのか。それなら、俺も凄く嬉しいし、断る理由もない。
 「それは、お安いご用です。」
 「そうか!ありがとう!!」
 魔王様は物凄く喜んでいるようだ。
 「そして、後一つは……僕の作った『悪魔の実』を使って、一つ、二つ、レシピを考えてくれないかい?」
 「『悪魔の実』を使ってですか??」
 あの、ジョロキアみたいに辛いやつをか?
 「恥ずかしい話しなんだけどね。僕の農場で唯一、買い手がつかない作物なんだよ。僕がせっかく、品種改良をして辛くしたのに……。そして、出来ればそのレシピを使ってキミの店で出して欲しいんだ。僕は甘い物も勿論好きなのだがね。激辛も好きなのだよ。しかし、この世界の料理は平坦過ぎる。だから、キミの手で革命を起こして欲しいんだ。激辛を普段から食べられるようにして欲しいんだよ。」
 確かに、魔王様の言う事は一理ある。
 この世界の料理は平坦だ。甘い物はあるが、激甘は無い。しかも、辛い物はほぼ皆無だ。
 ……これは、もしかしたら面白い事になるのかもしれない。激辛を好きなエルフが出てくるかもしれないし、新たな道が拓けるかもしれない。
 「魔王様。面白いかもしれませんね。やってみましょう。」
 俺の答えに魔王様は瞳を輝かせる。
 「ありがとう!ヤマト君!!もし、新しいレシピが出来たのならば、僕が良い物を一つ作ってあげるよ。」
 なんだ?良い物って??
 まあ、今はそれを考えている暇は無いな。レシピを考えながら、イーシャさんに料理を教えなければ。

 連休中、魔王様宅でお世話になる事になって数日が経った。
 イリア達は、魔王様の農場の手伝い。俺はイーシャさんに料理の手ほどきと『悪魔の実』を使った新メニューの開発。 
 イーシャさんへの手ほどきは簡単だ。日頃から料理をしているので、材料とコツさえ教えればあっという間にマスターした。
 問題は新メニューの方。火鍋なんか作れれば良いのだけれど、豆板醤なんてない。それに、今の俺の店では出せる代物でもない。
 テイクアウトで食べれるなら、答えは限られてはくるのだけれど……。
 からあげの上から掛けるスパイスを作ってみたけれど、大ニワトリの味が負けてしまって、ただ『辛い』だけが口に残ってしまった。最初に食べたコカトリスならイケるのか?いや、コカトリスだと高価になりすぎるだろう……。
 からあげではなくて、フライドチキンにしてみるか……。それとも、生の『悪魔の実』をソースにするか……。
 まずはフライドチキンから。数種類のスパイスとハーブ、『悪魔の実』のパウダーをあわせる。卵と牛乳を混ぜた液に少しの間漬けて、特製『悪魔の実』スパイスをつけて揚げる。
 ……から!!しかし、からあげにスパイスをかるより美味い。が、思った以上に肉の旨味が辛さに負けすぎている。やはり大ニワトリの肉じゃダメかな……。それに、もう少し歯応えもあった方がいい?
 今まで食べた事のある肉は、エンジェルポークやビッグホーン、噛みつきコウモリ……トード。
 ん?……トード。そう言えば、トードは鶏肉に似た味で味が濃くて美味かったな。歯応えも良い感じだったし……トードで試してみるか。
 「イーシャさん、トードのモモ肉はありますか?」
 「トードはありません。魔王様にお伝えいたしましょう。」
 伝えると何か変わるのか?
 「魔王様。塔の二階にトードの召喚をよろしくお願い致します。」
 え?召喚??
 ここ数日で、イーシャさん達と魔王様はテレパシーか何かで繋がっているらしい事が分かった。そして、忘れていだけど、塔の事を聞くのを忘れていた。イーシャさんに聞いてもいいのだろうか?
 「イーシャさん。トードを召喚と言いましたけど、そんな事が出来るのですか?」
 イーシャさんは俺を一度見て、天井を見るように視線を上にやり、何やらブツブツと言う。魔王様に許可を取っているのだろうか?少しブツブツ言った後に、イーシャさんはこちらを向いて言う。
 「はい。魔王様は召喚する事が出来ます。正確に言うと、召喚と言うより書き換えるという言葉があうのかもしれません。出現させるモンスターを自在に変える事が出来ます。」
 そ、そんな事が出来るのか?!それなら、自分の好きな、狩りたいモンスターを塔に出現させる事が出来るという事か。魔王様って、やはり物凄いな。
 「では、トードのモモ肉を取って来ます。何本必要ですか?」
 イーシャさんが行ってくれるのか?いや、ここは俺もついていかねば。
 「俺もついて行くよ。女の子一人行かせるのは危ないし。」
 イーシャさんは不思議そうな顔をしたが、拒まなかった。なので、ついて行く事にした。
 
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