揚げ物、お好きですか?リメイク版

ツ~

文字の大きさ
112 / 201
疾風の靴

疾風の靴3

しおりを挟む
 俺は珍しく一人でギルドに来ていた。
 イリア達は「ヤマト様。アリシアの事は頼みます。」そういい残し、女王様の所へ、魔王様に招待状を届けた事を報告へ行ったのだ。
 一人で行動するのは久しぶりな感じがする。なんか寂しいような……。解放感があるような……。微妙な感覚だな。それに、昨日の今日。何故怒っているか分からないアリシアに会うのは、億劫だな。
 でも、まあ……とりあえずはアリシアに話しをしてみよう。ギルド内でただ突っ立っていても目立つだけだし。
 何時ものギルドカウンターには居ないな。
 アリシアは……っと。あ、いたいた。珍しく、ギルドに併設してある酒場の方に居るな。よし。声を掛けよう。
 「おはよう。アリシア。ちょっと相談事があるんだけれど、いいか?」
 アリシアは不機嫌そうにこちらをみる。テーブルの上に朝食だろうか?皿には、パンにサラダ、スクランブルエッグがのっている。
 「なんのご用でございますか?ヤマト様。」
 声にはやはりトゲがある。本当に何を怒っているのか、さっぱり分からない。
 「あ、いや……。すまない。朝食中だったよな?」 
 「それは構いませんが……あら?今日はイリア様達はご一緒ではないのですね。」
 「ああ。イリア達は女王様の所へ行っている。今日は俺一人だ。」
 アリシアは俺を少し見つめて、ニコリと笑った。 
 「なになに?ヤマト君。お姉さんに何か質問かな?」
 なぜかアリシアは急に営業口調を止め、ご機嫌に話し始めた。なんだ?コロっと態度が変わって……何かあるのか?
 ちょっと怖いぞ……。あっ、まあ……でも、怒られているよりはマシか……。これなら、話しも聞いてくれるだろうし。
 「モンスターの食材の仕入れ方について聞きたいのだけれど……。」
 「私の意見で役に立つのなら……。」
 アリシアはそう答えた。
 
 「ふむふむ。なるほど……。」
 俺は一通り、昨日、みんなで考えた意見をアリシアに話した。
 「冒険者を斡旋する事は、可能だけれど……費用はかさむわ。ヤマト君も知っての通り、ダンジョンのモンスターから剥ぎ取れる食材は高価だし特別な狩り方をしないといけない。大ニワトリやエンジェルピッグあたりなら簡単に食材用の狩り方が出来るだろうけど、これから先に出てくる強力なモンスターを食材専門で狩ってる冒険者なんて居ないし、先の事を考えるとオススメは出来ないわね。大ニワトリだけなら、初心者冒険者のお小遣い稼ぎとして大丈夫でしょうけど、利益はかなり減ることになると思う。」
 確かにアリシアの言うとおりだ。ダンジョンのモンスターから剥ぎ取れる食材は高価だ。大ニワトリでも、ダンジョンで穫れた大ニワトリの方が倍くらいの値段がする。
 「ヤマト君のお店で出している、ダンジョンでしか手には入らないモンスターの食材を使った料理って何があるのかな?」
 アリシアはそう言う。
 今、うちで出しているのは、大ニワトリのからあげ、エビフライドッグ、スライム餅、スライムバー、フライドトード、ホクホクグマのメンチカツだな。
 「大ニワトリにスライム、トード、ホクホクグマだな。」
 「大ニワトリは養殖場のも使っているのよね?」
 「ああ。」
 「他の養殖出来ている、エンジェルポークやビッグホーンのメニューはないの?ヤマト君ならその二つの肉を使ったメニューくらい作っていそうだけれど?」
 アリシアは不思議そうに聞く。
 もちろん、家ではエンジェルポークもビッグホーンも食べる。トンカツやビフカツにしてもよく食べる。これは新しい店舗が出来たなら出す予定だ。
 「あるのはあるけど……。新しい店舗が出来たら出す予定なんだ。」
 「それ、今から作って持って来れる?」
 ん?アリシアは急にそんな事を言う。
 「なんでだ?急に??」
 「なんでもよ。食べたいの。ダメ??」
 アリシアは上目遣いでこちらを見る。なんだ本当に……。そんな顔をされたら断りも出来ない。
 俺はトンカツとビフカツを作りに戻った。
 
しおりを挟む
感想 293

あなたにおすすめの小説

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

処理中です...