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スプリンティア
スプリンティア2
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俺達は、ダンジョン『ケイドスの洞窟』へやってきていた。
そして、今は地下三階。
ちなみに、このダンジョンはアリシアを助けに行ったダンジョンとは違う。アリシアを助けに行ったダンジョンは『アイアーロの洞窟』という所だ。この王都周辺には数多くのダンジョンが存在している。ダンジョンレベルもバラバラなので、何も知らないで入ってしまうと大変な事になってしまう。だいたいの王都民は、そのダンジョンの場所とレベルを知っているが、俺のような新参者や他の地域から来た者は、ギルドでマップを買うのが当たり前になっている。
まあ、あれだ。俺が何も考えずにアリシアを助けに行ったのは、ある意味でかなり危険な行為だったという事だ。
そんな事を考えていると、お目当ての雷イタチが現れる。しかも、群れで……。
体の色は黄色。目は赤。見た目はイタチそのまま。大きさも大きくはない。
しかし、体からはパチパチと音を発している。……という事は、放電しているという事なのだろうか??結構、危なくね?
『シャーーー!』
雷イタチは威嚇する。体から放電されている雷は激しさを増しているようだ。
「なあ?アリシア。これって、ヤバくない?直接、刀で攻撃出来るの?」
「雷イタチが雷をまとっている時はダメだよ。感電しちゃうから。飛び道具か魔法で攻撃するか、雷イタチが雷を放った後に攻撃して。あっ、そうそう。食材にするには、頭を攻撃して倒してね。」
そう言い、アリシアは右手にナイフを持ち、左手には小さなステッキを持っていた。
右手のナイフを雷イタチへ向かって投げる。それは見事に雷イタチの眉間を捉え、そして、左手のステッキ……ワンドってやつか?そこからは魔法陣が展開される。
『アイスニードル』
そう唱えると、氷の矢は次々と雷イタチの頭部を捉え、群れは全滅した。
すげぇ……。1ヶ月前は、ファーラビットに囲まれて怯えていたのに……。イリアが潜在能力ならアリシアの方が上だったかもって言ってたの本当だったのか。
「すげぇよ!アリシア!!」
「えへへへ。あれから1ヶ月、何気にダンジョンへ行ってたからね。怖がらずに少しは昔の感覚を取り戻せたよ。」
なんと。あれから、ダンジョンに潜っていたとは……。アリシアも頑張ってくれているんだ。
「ささ。食材を剥ぎ取って、魔石とドロップアイテムを回収しましょ。多分、これだけじゃ、クエスト達成にはならないはずだから、じゃんじゃん狩るよ~。」
そう言い、アリシアはダンジョンを走り始めた。
うへ~。疲れた。
アリシアのやつが受けたクエストが、かなりキツかった。何が雷イタチの爪×30だよ。なかなか出ないし。
まあ、おかげで試作を作るのには十分過ぎる量の肉も取れたし。クエスト報酬もなかなかのものだった。それに、ケイドスの洞窟、地下二階で取れたファーラビットの肉もあるし。上手くいけば、スプリンティアで出す食材の肉は、あのダンジョンで事足りる訳か。アリシアはそこらへんも考えていたのかもな……。
「ね~ぇ。ヤマト君、まだ~。私、お腹空いた~。」
家の二階から、アリシアの声がする。
まあ、とりあえず、イタチって食べた事がないから味見がてら、焼いてみるか……。
元の世界の話だけど、タヌキに似た味だと聞いた事がある……。
まあ、俺はタヌキを食べた事がないので、味なんてわからない。そもそも、こっちの世界と味が違うかもしれんしな。それに……問題のピリピリ感というのがどんなものか……。
雷イタチの肉を包丁で一口サイズに切って、塩コショウをして、フライパンに油をひいて、焼く。
肉を触った感じ、切った感じ、電気が流れるとかそんな感じはしなかったな。アリシアが言ったとおり、肉自体に脂身はないし。どの部位なんだろう?この肉……。剥ぎ取ったら、小さな肉の塊が取れただけだからな……分かんないや。
フライパンの上の肉は、ジュージューと良い音をさせ、良い匂いをさせる。電気で跳ねるとかもないな。両面をこんがり焼いて、とりあえず、二階へ持って行った。
「待ってたよ~。って、焼いただけ??揚げてないの?」
俺が置いた皿を見て、アリシアは残念そうにする。
「いや、俺、イタチ食った事ないし。とりあえず、味見だよ。」
「え~。雷イタチは雷イタチだよ~。まあ、いいや。お腹空いたし。」
そう言い、アリシアはフォークで刺し、口に運ぶ。
「ん~。この、パチパチ感。たまんな~い。それに、流石だね。ヤマト君。焼き加減も塩加減もバッチリ。」
アリシアは満足そうに言う。
あれ?やっぱり、パチパチするのか??切った感じも、触った感じも、焼いた時もそんな事はなかったけど……。
俺は箸で一つ取り、口へ運ぶ。
すると、口に入れた瞬間、パチリと、なにか弾けたような感覚がする。そして、噛む度に、パチパチと弾ける感じがする。
あれ?……この食感。この感じ……。どこかで食べた事があるような……。
あっ!そうだ、お菓子だ!!口に入れたらパチパチ弾く、あのお菓子と同じだ!!
うん!これは面白いかもしれない!!これを揚げたらどうなるのだろう?試したくなってきた~!!
そして、今は地下三階。
ちなみに、このダンジョンはアリシアを助けに行ったダンジョンとは違う。アリシアを助けに行ったダンジョンは『アイアーロの洞窟』という所だ。この王都周辺には数多くのダンジョンが存在している。ダンジョンレベルもバラバラなので、何も知らないで入ってしまうと大変な事になってしまう。だいたいの王都民は、そのダンジョンの場所とレベルを知っているが、俺のような新参者や他の地域から来た者は、ギルドでマップを買うのが当たり前になっている。
まあ、あれだ。俺が何も考えずにアリシアを助けに行ったのは、ある意味でかなり危険な行為だったという事だ。
そんな事を考えていると、お目当ての雷イタチが現れる。しかも、群れで……。
体の色は黄色。目は赤。見た目はイタチそのまま。大きさも大きくはない。
しかし、体からはパチパチと音を発している。……という事は、放電しているという事なのだろうか??結構、危なくね?
『シャーーー!』
雷イタチは威嚇する。体から放電されている雷は激しさを増しているようだ。
「なあ?アリシア。これって、ヤバくない?直接、刀で攻撃出来るの?」
「雷イタチが雷をまとっている時はダメだよ。感電しちゃうから。飛び道具か魔法で攻撃するか、雷イタチが雷を放った後に攻撃して。あっ、そうそう。食材にするには、頭を攻撃して倒してね。」
そう言い、アリシアは右手にナイフを持ち、左手には小さなステッキを持っていた。
右手のナイフを雷イタチへ向かって投げる。それは見事に雷イタチの眉間を捉え、そして、左手のステッキ……ワンドってやつか?そこからは魔法陣が展開される。
『アイスニードル』
そう唱えると、氷の矢は次々と雷イタチの頭部を捉え、群れは全滅した。
すげぇ……。1ヶ月前は、ファーラビットに囲まれて怯えていたのに……。イリアが潜在能力ならアリシアの方が上だったかもって言ってたの本当だったのか。
「すげぇよ!アリシア!!」
「えへへへ。あれから1ヶ月、何気にダンジョンへ行ってたからね。怖がらずに少しは昔の感覚を取り戻せたよ。」
なんと。あれから、ダンジョンに潜っていたとは……。アリシアも頑張ってくれているんだ。
「ささ。食材を剥ぎ取って、魔石とドロップアイテムを回収しましょ。多分、これだけじゃ、クエスト達成にはならないはずだから、じゃんじゃん狩るよ~。」
そう言い、アリシアはダンジョンを走り始めた。
うへ~。疲れた。
アリシアのやつが受けたクエストが、かなりキツかった。何が雷イタチの爪×30だよ。なかなか出ないし。
まあ、おかげで試作を作るのには十分過ぎる量の肉も取れたし。クエスト報酬もなかなかのものだった。それに、ケイドスの洞窟、地下二階で取れたファーラビットの肉もあるし。上手くいけば、スプリンティアで出す食材の肉は、あのダンジョンで事足りる訳か。アリシアはそこらへんも考えていたのかもな……。
「ね~ぇ。ヤマト君、まだ~。私、お腹空いた~。」
家の二階から、アリシアの声がする。
まあ、とりあえず、イタチって食べた事がないから味見がてら、焼いてみるか……。
元の世界の話だけど、タヌキに似た味だと聞いた事がある……。
まあ、俺はタヌキを食べた事がないので、味なんてわからない。そもそも、こっちの世界と味が違うかもしれんしな。それに……問題のピリピリ感というのがどんなものか……。
雷イタチの肉を包丁で一口サイズに切って、塩コショウをして、フライパンに油をひいて、焼く。
肉を触った感じ、切った感じ、電気が流れるとかそんな感じはしなかったな。アリシアが言ったとおり、肉自体に脂身はないし。どの部位なんだろう?この肉……。剥ぎ取ったら、小さな肉の塊が取れただけだからな……分かんないや。
フライパンの上の肉は、ジュージューと良い音をさせ、良い匂いをさせる。電気で跳ねるとかもないな。両面をこんがり焼いて、とりあえず、二階へ持って行った。
「待ってたよ~。って、焼いただけ??揚げてないの?」
俺が置いた皿を見て、アリシアは残念そうにする。
「いや、俺、イタチ食った事ないし。とりあえず、味見だよ。」
「え~。雷イタチは雷イタチだよ~。まあ、いいや。お腹空いたし。」
そう言い、アリシアはフォークで刺し、口に運ぶ。
「ん~。この、パチパチ感。たまんな~い。それに、流石だね。ヤマト君。焼き加減も塩加減もバッチリ。」
アリシアは満足そうに言う。
あれ?やっぱり、パチパチするのか??切った感じも、触った感じも、焼いた時もそんな事はなかったけど……。
俺は箸で一つ取り、口へ運ぶ。
すると、口に入れた瞬間、パチリと、なにか弾けたような感覚がする。そして、噛む度に、パチパチと弾ける感じがする。
あれ?……この食感。この感じ……。どこかで食べた事があるような……。
あっ!そうだ、お菓子だ!!口に入れたらパチパチ弾く、あのお菓子と同じだ!!
うん!これは面白いかもしれない!!これを揚げたらどうなるのだろう?試したくなってきた~!!
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