揚げ物、お好きですか?リメイク版

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確かなモノは闇の中……

確かなモノは闇の中……10

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 話は少しさかのぼり、セイラムのギルド。

 「……マスター!?」
 ララは、今まで確かにあったはずの感触が無くなった事に戸惑いを隠せずにいた。
 それもそのはず。抱きしめたはずのヤマトの姿が突然消えたのだから。
 「ララ!主様は居たかい!?」
 ララから遅れる事、数分。エリがギルドのドアを勢いよく開ける。
 「……うん。エリが千里眼を使ってみつけてくれたから……でも、マスター……私の腕の中から、消えちゃったの。」
 「どういうことだい……?主様が消えた??」
 「うん……。私にも分からない。抱きしめた感触はあったの。言葉もほんの少しだけど交わした。……でも、何も無くなっちゃった……。」
 「そんな事があるはずありません。」
 「そうだよ。消えるなんてあるはずないよ。」
 ターニャとアリシアもギルドに到着し。
 「ハァハァハァ……。ちょっと、何でアリシアまでそんなに速いんですか?」
 最後にギルドに到着したイリアは両膝に手を置いて肩で息をしながら苦しそうに言い、続けた。
 「ハァハァハァ。それで、ヤマト様はどこに?」
 「……消えちゃった。」
 「ハァ、ハァ……そんな。ハァ……ハァ……エリ、もう一度、千里眼が探してもらえませんか?」
 ララの言葉に戸惑いながらも、イリアは息を整えながら、冷静にエリに頼んだ。
 「分かった。」
 エリは魔眼である右目を閉じ、静止した。
 「……この近くに主様の反応はないね。」
 エリは千里眼を使い終え、そう告げる。
 「それって、またおかしくない?ゲートを使えないヤマト君が、一瞬でエリの千里眼が届かない所に移動するなんて無理でしょ?」
 「そうですね。疾風の靴があったとしても不可能でしょうし、消える事なんてありえません。」
 「でも、実際に主様は消えて、オレの千里眼でも見つけられなくなった。これが現実だよ。」
 「ヤマト様はどこへ消えてしまったのでしょう。」
 「……マスター。」
 それぞれそう言い、やっとの事で見つけたヤマトが居なくなり、肩を落とした。
 
 ヤマトが消え、意気消沈した面々はギルド内のテーブルに突っ伏したり、天を仰いでいた。
 「どこに行ってしまったのでしょう?ヤマト様。」
 イリアは、テーブルに突っ伏したまま、ポツリと呟く。と、その時。
 「あの……すみません。ヤマトさんのご家族の方でしょうか?」
 イリアは見知らぬ男に声を掛けられ、顔を上げる。
 ブロンドの長髪にエルフで言えば平均的な顔立ち。瞳もゴールドだ。
 誰だろう?イリアは記憶の回廊を辿る。が、思い当たらなかった。
 「はい。そうですが……。あなたは?」
 「ああ。良かった。手紙を預かっていましてね。はい。どうぞ。」
 男はそう言って、イリアに手紙を渡した。
 「え?手紙?」
 手紙の差出人を確認する。しかし、差出人の名前がない。
 「あの……どなたからですか??」
 イリアはそう言い、再び男の顔を確認しようと、顔を上げた。
 しかし、そこに男の姿は無く、有るのは手渡された手紙だけだった。
 「どうしたんだい?イリア??」
 意気消沈していた、他の面々は男に気が付かなかったのか、エリがイリアにたずねる。
 「いえ……男性の方がやってきて、手紙を渡されたのです。」
 「男?そんなの居たかい?オレには気配すら感じなかったぜ??」
 「いえ……確かにやってきたのです。その証拠に手紙はありますし……。」
 エリが気づかないなんて、ありえない……。そもそも、この面子で気がつかないのがおかしい。『元』とは言え、この国の、この世界のトップだった人物が集まっているんだ。
 イリアは、怪しげな手紙を開ける事に躊躇いを見せる。
 差出人も不明。届けてくれた男も消えた。何かのトラップの可能性だってあるのだ。
 「その手紙、貸してみな。千里眼で見てやるよ。」
 イリアが躊躇している理由が分かったのだろう。エリはそう言い、イリアから手紙を受け取る。
 エリは魔眼ではない左目を閉じ、手紙を凝視する。
 「……トラップの類はないね。」
 「そうですか。ありがとうございます。では、開けてみましょう。」
 エリの言葉に安心し、イリアは手紙の封を切った。そして、手紙を読む。
 「…………な!?」
 イリアはその一言を吐き出し、震え出した。
 その声で意気消沈していた他の面々もイリアに注目する。その声には、明らかに怒りの感情が入っていたから。
 「ちょっと貸せ!なになに……。」
 イリアから手紙をぶんどったエリは手紙を読んで歯軋りをする。
 「何て書いてあるのさ、エリ。」
 アリシアはエリにたずねる。
 「……いいか?読むぞ。『ヤマトを返して欲しくば、至急、サイラムの洞窟一階へ来られたし。』主様は……どっかの輩に誘拐されたんだよ!!」
 面々は勢い良く席を立ち、サイラムの洞窟へ向かった。
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