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新しい日々の始まり
新しい日々の始まり 2
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「ああ!まただ!!くそ!!直ぐに取り返せれ!!いけっ!!!……あ、ああああ……。」
俺がこれまでの経緯を思い出しているうちに、試合を決定づける3点目があっという間にBチームに入る。
30分ハーフの前半、お互い無得点のままで折り返したの時、Aチームにも集中力があったが、後半に入り早々に初失点。そして、2点目が入った時点でそれが切れたようだ。あっという間に3点差だ。そして、残り時間は10分無い。Aチームのメンバーは全員下を向き既に諦めムードだった。
「はあ……。もうダメだ。残り10分も無いのに、3点差なんて……。」
そして、先程から大声を張り上げていた、声の主。Aチームの監督である、元・騎士団長のハセンは肩をガックリと落としていた。
まあ、無理もないか……初心者同士の初めての試合で、3点差。
残り時間も少なく、後半に入ってからは決定機を作ることすら出来ていない。一方的で絶望的な状態。
サッカーをやり始めて、大まかなルールは覚えられても、作戦や戦術はまだ皆無だからな。それでも、よく耐えていた方だと思う。もっとボールの扱いに慣れていたら、目も当てられないくらいの大量失点をしていただろう。初心者同士であんな事をやられたら堪ったもんじゃないと。俺自身も思っている。まさか、あんな作戦を使ってくるとは……。
「さあ、お前たち!!もう1点、もう1点ですよ。襲い掛かって奪い取るですよ!!最後まで気を引き締めろです!!狩って、狩って、狩り尽くすですっ!!!」
「「「「はい!」」」
その作戦を使用した、Bチームの監督であるイリアは立ち上がり選手達にはっぱをかけていた。
随所にげきを飛ばし、的確な指示を細かくだす。初めての監督しては上出来だ。楽勝ムードでも、攻撃する手を緩める事なく、味方を鼓舞し、全力で戦わせようとしている。これだけ点差がつけば気がゆるむものなんだがな……。
そして、良いプレイには、拍手を送り誉め、ダメなプレイには大げさなリアクションを取って残念がったりする。
こうやって、態度で見せてくれると、案外分かりやすいんだよな。良いか悪いか。褒められるとテンションは上がるし、ダメなプレイが分かると修正がしやすい。特に何をやって良いか分からない初心者の集まりだ。効果は高いだろう。何より、Aチームより統率が取れている。
ちなみに、Bチームにはコーチとしてメモをとりながらアリシアも参加している。そして、主審はエリがつとめている。
それにしても、イリアはよくこんな戦術を思いついたな。
Bチームの戦い方を見ながら俺は感心していた。
Aチームのキックオフから試合は再開される。
しかし、キックオフと同時にBチームの選手が物凄いスピードでプレスを掛けてくる。ルール的に、魔法やスキルの使用は禁止している。だが、ステータスに強化された身体能力、天性スキルは制限出来ない為に人間がやるサッカーよりはるかに速い。
あっという間詰まる間合い。そこに、次の選手が間合いを詰める。
只でさえ、ボールの扱いにあたふたしている状況に、直ぐに敵が詰め寄ってくる。
冷静な判断なんて出来るはずなく、囲まれ、直ぐにボールは奪われ、Bチームの攻撃に変わる。
ボールを奪ったBチームの攻撃は、ミドルサードではドリブルをほぼせず、ボールを失わないようにパス主体。アタッキングサードに入るとガンガンと個人技でドリブルを仕掛けてくるスタイルだ。1ヶ月じゃ、連携なんて上手くとれるはずはなく、ドリブルも上手くいかずミスも多い。Aチームのボールになる事も多い。しかし、プレスだけは徹底していた。それだけは、後半からの約束事として決めていたのだろう。イリアが多く残念がるのがプレスの時だ。
っと……Bチームの事はイリア達がいるから大丈夫だろうが、Aチームはこのままではヤバいな。既にヤル気が感じられない。上手くいかない事ばかりで下を向いたまま、心が折れかかっている。この試合が終わったら、サッカー辞めてしまうかもな。辞める辞めないは本人の自由だが、このまま下を向かせて辞めさせる訳にはいかないな。
そして、タイミングよくボールがタッチを割る。
仕方ない。俺が出るか……。
立ち上がり、軽く屈伸などの運動をする。
「ヤマト……出るのか?」
「ああ。このまま……って訳にはいかないだろ?」
「しかし……いいのか?出て。それに、もう、城に向かわないといけない時間だろう?」
そう。本来は前半が終わったら俺だけ城に行かないといけない用事があった。
「そうだな。五分、あと、五分くらいなら大丈夫だろう。」
そう言い、少し離れたイリア達に視線を送る。
俺が屈伸などをしているのを見て、理解してくれたのだろう。イリアは頷き、アリシアは親指を立て、グッドサインを出してくれた。
「隣さんは大丈夫のようだよ。」
「そうか。審判!選手交代だ!!」
俺がこれまでの経緯を思い出しているうちに、試合を決定づける3点目があっという間にBチームに入る。
30分ハーフの前半、お互い無得点のままで折り返したの時、Aチームにも集中力があったが、後半に入り早々に初失点。そして、2点目が入った時点でそれが切れたようだ。あっという間に3点差だ。そして、残り時間は10分無い。Aチームのメンバーは全員下を向き既に諦めムードだった。
「はあ……。もうダメだ。残り10分も無いのに、3点差なんて……。」
そして、先程から大声を張り上げていた、声の主。Aチームの監督である、元・騎士団長のハセンは肩をガックリと落としていた。
まあ、無理もないか……初心者同士の初めての試合で、3点差。
残り時間も少なく、後半に入ってからは決定機を作ることすら出来ていない。一方的で絶望的な状態。
サッカーをやり始めて、大まかなルールは覚えられても、作戦や戦術はまだ皆無だからな。それでも、よく耐えていた方だと思う。もっとボールの扱いに慣れていたら、目も当てられないくらいの大量失点をしていただろう。初心者同士であんな事をやられたら堪ったもんじゃないと。俺自身も思っている。まさか、あんな作戦を使ってくるとは……。
「さあ、お前たち!!もう1点、もう1点ですよ。襲い掛かって奪い取るですよ!!最後まで気を引き締めろです!!狩って、狩って、狩り尽くすですっ!!!」
「「「「はい!」」」
その作戦を使用した、Bチームの監督であるイリアは立ち上がり選手達にはっぱをかけていた。
随所にげきを飛ばし、的確な指示を細かくだす。初めての監督しては上出来だ。楽勝ムードでも、攻撃する手を緩める事なく、味方を鼓舞し、全力で戦わせようとしている。これだけ点差がつけば気がゆるむものなんだがな……。
そして、良いプレイには、拍手を送り誉め、ダメなプレイには大げさなリアクションを取って残念がったりする。
こうやって、態度で見せてくれると、案外分かりやすいんだよな。良いか悪いか。褒められるとテンションは上がるし、ダメなプレイが分かると修正がしやすい。特に何をやって良いか分からない初心者の集まりだ。効果は高いだろう。何より、Aチームより統率が取れている。
ちなみに、Bチームにはコーチとしてメモをとりながらアリシアも参加している。そして、主審はエリがつとめている。
それにしても、イリアはよくこんな戦術を思いついたな。
Bチームの戦い方を見ながら俺は感心していた。
Aチームのキックオフから試合は再開される。
しかし、キックオフと同時にBチームの選手が物凄いスピードでプレスを掛けてくる。ルール的に、魔法やスキルの使用は禁止している。だが、ステータスに強化された身体能力、天性スキルは制限出来ない為に人間がやるサッカーよりはるかに速い。
あっという間詰まる間合い。そこに、次の選手が間合いを詰める。
只でさえ、ボールの扱いにあたふたしている状況に、直ぐに敵が詰め寄ってくる。
冷静な判断なんて出来るはずなく、囲まれ、直ぐにボールは奪われ、Bチームの攻撃に変わる。
ボールを奪ったBチームの攻撃は、ミドルサードではドリブルをほぼせず、ボールを失わないようにパス主体。アタッキングサードに入るとガンガンと個人技でドリブルを仕掛けてくるスタイルだ。1ヶ月じゃ、連携なんて上手くとれるはずはなく、ドリブルも上手くいかずミスも多い。Aチームのボールになる事も多い。しかし、プレスだけは徹底していた。それだけは、後半からの約束事として決めていたのだろう。イリアが多く残念がるのがプレスの時だ。
っと……Bチームの事はイリア達がいるから大丈夫だろうが、Aチームはこのままではヤバいな。既にヤル気が感じられない。上手くいかない事ばかりで下を向いたまま、心が折れかかっている。この試合が終わったら、サッカー辞めてしまうかもな。辞める辞めないは本人の自由だが、このまま下を向かせて辞めさせる訳にはいかないな。
そして、タイミングよくボールがタッチを割る。
仕方ない。俺が出るか……。
立ち上がり、軽く屈伸などの運動をする。
「ヤマト……出るのか?」
「ああ。このまま……って訳にはいかないだろ?」
「しかし……いいのか?出て。それに、もう、城に向かわないといけない時間だろう?」
そう。本来は前半が終わったら俺だけ城に行かないといけない用事があった。
「そうだな。五分、あと、五分くらいなら大丈夫だろう。」
そう言い、少し離れたイリア達に視線を送る。
俺が屈伸などをしているのを見て、理解してくれたのだろう。イリアは頷き、アリシアは親指を立て、グッドサインを出してくれた。
「隣さんは大丈夫のようだよ。」
「そうか。審判!選手交代だ!!」
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