受付バイトは女装が必須?

なな

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第15部:装いは役割、快感は心で

第二章:清楚なロングドレスと、誰にも見せられない鍵

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「今日は“ホワイト&エレガンス”のイベントです。
スタッフは“清楚系ロングドレス”を着用してください──」

前回のチャイナドレスに続いて、今度は
ホワイト系のロングドレス指定がバイト全体に告げられた。

「……今度は清楚で来たか……」

真帆が肩をすくめた。

「でも逆に、これはこれでやばいよね。
上品なフリして、内側……全部“管理されてる”っていうのがさ」

美月も笑いながら頷く。

なおが選んだのは、
白地にパールのあしらいがある袖付きロングドレス。
レースの透け感が肩から背中にかけてふわりと広がる。
ヒールは控えめの3cm、清楚で静かな佇まい。

──でもその下には、
プラグ、ローター、ランジェリーブラ&ヌーブラ、
そして鍵のかかったショーツとコルセットがしっかりと仕込まれていた。

「……今日も、なおさんきれい……」

柊が、そっと囁いた。

彼女自身も、
シンプルなプリンセスラインの白ドレスに身を包み、
背中にはうっすらとレース。
ストッキングの奥には、ガーターベルトとリモート操作の薄型ローター。

「ありがとう。でも、ちゃんと“中身”まで見てないと、真似できないよ?」

なおが、微笑んでチョーカーのリボンを指先で撫でた。

「中身、……わたしも、ちゃんと……なりたいです」

イベントホール。
白いドレス姿の4人が受付に並ぶその姿は、
誰の目にも“清純”で“品があって”、“信頼できる女性たち”に見えただろう。

けれど──

なおは胸の奥で、
柊は下腹の震えで、
真帆は足の付け根に貼り付いたレースで、
美月は静かに震えるローターの余韻で、

自分の身体が“制御されている”という快感を噛みしめていた。

(誰も知らない。わたしたちが今、
“どこに触れられず、どこが縛られているか”なんて)

そう思うたびに、
締められたコルセットの奥で、
プラグがわずかに自己主張を始める。

「いらっしゃいませ、イベントのご予約ですね。……お名前を伺ってもよろしいですか?」

口元は笑っていても、
誰にも見せられない“鍵のついた身体”で応対する。

(この姿が──今のわたしにとって、
いちばん“自分らしい”んだ)

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