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#049 深夜2時の怪奇配信
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俺の名前は佐々木翔。登録者12人の弱小YouTuberだ。しかも、その12人のうち半分はリアルな知り合い。お付き合いとして登録してくれたものの、見てないのは分かっている。でも俺は、毎晩ひっそりと配信を続けていた。
俺のチャンネル名は「翔のミッドナイト実験室」。やることはシンプル——意味の分からないことを深夜に淡々とやる。たとえば、砂時計が落ちる様子を5時間実況ライブ配信したり、コンビニのおにぎりを一晩かけて全種類食べたり。「誰が見るんだ?」と、自分でも思うが、いつかこのシュールさがウケるんじゃないかと思っていた。
そんなある日、俺は「深夜の公園でひたすらゴム手袋を膨らませる配信」をやることにした。目的は特にない。なんとなく、不気味で面白そうだったからだ。
カメラをセットし、薄暗い公園のベンチに座る。手袋に息を吹き込みながら、スマホで配信画面を確認する。視聴者数は「0」。うん、いつも通りだ。アーカイブの視聴を期待する。
5つ目の手袋を膨らませたところで、スマホに変化があった。
——視聴者「1」
……お?誰か来たのか?
チャット欄には何も書かれていない。でも確かに、誰かが見ている。やや気まずい。
「えーっと、こんばんは。深夜のゴム手袋膨らませ配信へようこそ」
コメント欄は動かない。でも視聴者数は「1」のまま。立ち去る様子もなかった。深夜だから酔って誤操作して寝落ちとか、全然あるだろ。俺は気にせず配信を続けることにした。
静かな公園に、俺の呼吸音とゴムのきしむ音だけが響く。
やがて20個目の手袋を膨らませた頃、コメントが入った。
「後ろ、誰かいるよ」
心臓が跳ね上がった。急いで振り向くが、誰もいない。風がブランコを軋ませているだけだ。コメントの内容が内容なだけに気味が悪くなる。
「……や、やめてよ、そういうの~」
軽く笑いながらカメラに向き直る。でも、その瞬間、視聴者数が増えた。
——「2」
「えっ……?」
静まり返る公園。俺はスマホを持つ手が震えているのを感じた。
次の瞬間、チャット欄に新しいメッセージが表示された。
「今すぐ逃げたほうがいい」
ギィ、ギィ……
背後のブランコが軋む音がさらに大きく聞こえた。俺は何も考えずに配信を切り、全速力で公園を飛び出した。
本当に何かが映っていたのか気になってライブ動画を確認しようと思ったが、なぜかその動画だけがない。運営に消されたのかと思ったが、ガイドライン違反の警告も来ていない。一体、後ろに何がいたのか。いや、騙されたのか?
俺のチャンネル名は「翔のミッドナイト実験室」。やることはシンプル——意味の分からないことを深夜に淡々とやる。たとえば、砂時計が落ちる様子を5時間実況ライブ配信したり、コンビニのおにぎりを一晩かけて全種類食べたり。「誰が見るんだ?」と、自分でも思うが、いつかこのシュールさがウケるんじゃないかと思っていた。
そんなある日、俺は「深夜の公園でひたすらゴム手袋を膨らませる配信」をやることにした。目的は特にない。なんとなく、不気味で面白そうだったからだ。
カメラをセットし、薄暗い公園のベンチに座る。手袋に息を吹き込みながら、スマホで配信画面を確認する。視聴者数は「0」。うん、いつも通りだ。アーカイブの視聴を期待する。
5つ目の手袋を膨らませたところで、スマホに変化があった。
——視聴者「1」
……お?誰か来たのか?
チャット欄には何も書かれていない。でも確かに、誰かが見ている。やや気まずい。
「えーっと、こんばんは。深夜のゴム手袋膨らませ配信へようこそ」
コメント欄は動かない。でも視聴者数は「1」のまま。立ち去る様子もなかった。深夜だから酔って誤操作して寝落ちとか、全然あるだろ。俺は気にせず配信を続けることにした。
静かな公園に、俺の呼吸音とゴムのきしむ音だけが響く。
やがて20個目の手袋を膨らませた頃、コメントが入った。
「後ろ、誰かいるよ」
心臓が跳ね上がった。急いで振り向くが、誰もいない。風がブランコを軋ませているだけだ。コメントの内容が内容なだけに気味が悪くなる。
「……や、やめてよ、そういうの~」
軽く笑いながらカメラに向き直る。でも、その瞬間、視聴者数が増えた。
——「2」
「えっ……?」
静まり返る公園。俺はスマホを持つ手が震えているのを感じた。
次の瞬間、チャット欄に新しいメッセージが表示された。
「今すぐ逃げたほうがいい」
ギィ、ギィ……
背後のブランコが軋む音がさらに大きく聞こえた。俺は何も考えずに配信を切り、全速力で公園を飛び出した。
本当に何かが映っていたのか気になってライブ動画を確認しようと思ったが、なぜかその動画だけがない。運営に消されたのかと思ったが、ガイドライン違反の警告も来ていない。一体、後ろに何がいたのか。いや、騙されたのか?
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