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№10 恥を知らぬ者 前編
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「レイラ……こうして、初めて二人で舞踏会に来たわけだが、緊張はしていないか?」
「はい、大丈夫でございます、ホルムズ様」
「それなら良かった」
ローラと婚約解消をし、レイラに乗り換えたホルムズ。何の臆面もなく、舞踏会に出席している。その事実がローラからすると信じられないことであった。彼女はレイラの様子も窺っては見たが、この距離からではイマイチ把握することができないようだ。
「あら、来たみたいね……ローラ、とりあえずの感想を聞かせて貰えるかしら?」
「……私は、一時でもホルムズ様と婚約していたことが恥にも思えて来ました……」
「なるほど……的を射た発言ね。私も気持ちとしては同じだわ」
マリーンとしては娘二人の間を理不尽にも往復し、姉であるローラに過剰な心労を与えた人物なのだ。母親として、ホルムズは許せる相手ではなかった。しかも、妹であるレイラを新たな婚約者として迎え入れているのだから。
「お母様……ホルムズ様に声を掛けないといけませんでしょうか?」
ローラは顔面蒼白で、マリーンに尋ねている。そんな彼女の姿を見て、マリーンは思わず抱きしめていた。無意識の内にホルムズを拒絶しているのだと判断したのだ。それと同時にレイラを売ったことを後悔しているのだろう。
「あなたが挨拶なんてする必要はないわ、ローラ。当然でしょう? 私は軽く挨拶をしてくるけれど、あなたはここで待っていなさい」
「はい、お母様……申し訳ありません……」
「いいのよ、こんなことくらい」
立場的にマリーンが挨拶をしないわけにはいかないが、流石にローラを挨拶に行かせるのは、酷に思えたのだ。もちろん、この舞踏会へ連れて来ている時点で酷ではあるのだが……。
さて、そんなことをしている間にも、レイラとホルムズの二人は関係する貴族達との挨拶を済ませたり、用意されている食事に手を付けたりしていた。ローラからもそれは見えていたが、明らかに様子がおかしい……。
「お母様、レイラのあの動きは……」
レイラはお皿に自分の分とホルムズの分を取り分けている。サラダ等は綺麗に盛り付け、ホルムズへと渡しているのだが……その動作がとてつもなく素早かったのだ。周囲の貴族が驚くほどに……。
「あらあら、レイラも最初から飛ばしているわね。ふふ、果たしてホルムズ様はどう思うかしらね」
「確かに……」
既にホルムズよりもレイラの方が目立っていると言っても過言ではないだろう。無駄にプライドが高いホルムズ……果たしてこの状況を冷静に見られるのか、甚だ疑問であった。しかも、そんなレイラ達の元にはミリム・ペンドラゴン伯爵令嬢と、マルクス・リシュート公爵が近付いていた。
「はい、大丈夫でございます、ホルムズ様」
「それなら良かった」
ローラと婚約解消をし、レイラに乗り換えたホルムズ。何の臆面もなく、舞踏会に出席している。その事実がローラからすると信じられないことであった。彼女はレイラの様子も窺っては見たが、この距離からではイマイチ把握することができないようだ。
「あら、来たみたいね……ローラ、とりあえずの感想を聞かせて貰えるかしら?」
「……私は、一時でもホルムズ様と婚約していたことが恥にも思えて来ました……」
「なるほど……的を射た発言ね。私も気持ちとしては同じだわ」
マリーンとしては娘二人の間を理不尽にも往復し、姉であるローラに過剰な心労を与えた人物なのだ。母親として、ホルムズは許せる相手ではなかった。しかも、妹であるレイラを新たな婚約者として迎え入れているのだから。
「お母様……ホルムズ様に声を掛けないといけませんでしょうか?」
ローラは顔面蒼白で、マリーンに尋ねている。そんな彼女の姿を見て、マリーンは思わず抱きしめていた。無意識の内にホルムズを拒絶しているのだと判断したのだ。それと同時にレイラを売ったことを後悔しているのだろう。
「あなたが挨拶なんてする必要はないわ、ローラ。当然でしょう? 私は軽く挨拶をしてくるけれど、あなたはここで待っていなさい」
「はい、お母様……申し訳ありません……」
「いいのよ、こんなことくらい」
立場的にマリーンが挨拶をしないわけにはいかないが、流石にローラを挨拶に行かせるのは、酷に思えたのだ。もちろん、この舞踏会へ連れて来ている時点で酷ではあるのだが……。
さて、そんなことをしている間にも、レイラとホルムズの二人は関係する貴族達との挨拶を済ませたり、用意されている食事に手を付けたりしていた。ローラからもそれは見えていたが、明らかに様子がおかしい……。
「お母様、レイラのあの動きは……」
レイラはお皿に自分の分とホルムズの分を取り分けている。サラダ等は綺麗に盛り付け、ホルムズへと渡しているのだが……その動作がとてつもなく素早かったのだ。周囲の貴族が驚くほどに……。
「あらあら、レイラも最初から飛ばしているわね。ふふ、果たしてホルムズ様はどう思うかしらね」
「確かに……」
既にホルムズよりもレイラの方が目立っていると言っても過言ではないだろう。無駄にプライドが高いホルムズ……果たしてこの状況を冷静に見られるのか、甚だ疑問であった。しかも、そんなレイラ達の元にはミリム・ペンドラゴン伯爵令嬢と、マルクス・リシュート公爵が近付いていた。
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続きはないのですか?
読んでいただきありがとうございます
ローラも少し後悔し過ぎと言いますか、あまり吹っ切れてないですね
なるほど、彼女は有能過ぎたと🤣。
読んでいただきありがとうございます
そうですね、彼女は優秀過ぎるわけです