人類の起源

そろばん戦士

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人類の起源

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「博士!遂に発見しました!」
 20XX年。アフリカの奥地で、とある遺跡が発見された。調査の結果、その遺跡にはなんと人類の起源についての真実が隠されているといいいうことがわかった。考古学者達はこぞってこの遺跡を調べ、マスコミは些細な情報だろうと全て報道した。そして今、全ての真実が記されているであろう文献を発見したのだ。
 すぐに緊急速報が流れ、各報道機関によって現場の中継がなされる。何千のカメラ、何万のマイクが向けられ、博士の一挙手一投足を全世界の人間、いやもはや『人類』が固唾を飲んで見守っていた。
 仮説の壇上に博士が上がる。
「皆、まずは落ち着いて聴いてほしい。この文献はたった今発見されたものであり、実はまだ解読されていない。だが、ここの調査をしてきた私なら、これを今すぐに解読することができる。そこで、中継が繋がっている今、解読しながら皆にこの内容を伝えたいと思う」
 異論など生まれるはずもなかった。皆、今は他の何よりもその内容を知りたいのだから。
「では、読もう。『……宇宙を飛び回る私たちはこの青い星を発見し、そこに生息していた動物に少し改造を施した。知性を与えることによって,より賢く進化する様に仕向けたのだ……』」
 ざわめきが走る。人類の進化は、宇宙人によってもたらされたものだったのか。
「『……こうすることによって、この動物はどんどん個体数を増やしてゆき、やがてこの星を埋め尽くすであろう。そして……』」
 そこで何故か博士が黙った。数分間の重苦しい沈黙の後、博士はゆっくりと口を開いた。
「『……そして、当分食べるのには困らないくらいの食料になってくれるだろう』」
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