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時刻表
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吉村さんは俺を押し出すようにリビングに戻り、籠から例の手書きの時刻表を取ってテーブルに置いた。
そうか、今日は平日だ。青い罫線と修正したいくつかの数字を眺めた。
柔らかい鉛筆で書かれた数字、その摑みどころのない、現実感のない、不思議な形を。
「まだバスはある。それとも車呼ぶか?」
掠れた声で、俺が顔を上げると目をそらした。沈黙が続くかと思ったが、少し後で、南、と言った。
「俺は、何もしてやれない。そうだろ?お前はまだ若くてどこにでも行けるんだから、こんなとこに来る必要はないんだよ」
何もしてやれないのは、俺の方だ。でも、口から出た言葉は、
「あの人の代わりにはなれないですね。そういうことです」
だった。
吉村さんは唇をひきむすび、次に口を開いた時はこっちを見なかった。
「帰れ」
「まだバスありますね。お邪魔しました」
リュックとコートを掴んで玄関に向かい、帰れと言われたからとりあえず帰るだけだ、と自分に言い聞かせて、足を靴に押し込んだ。手に力が入らない。
振り向いて廊下とリビングを隔てる緑の扉をしばらく見た後、諦めて外に出た。
空気は冷え込み、家の中より静かだった。
玄関灯が点いていないので、手探りで門を開けるのに時間がかかり、出てから閂を掛けるのにさらに手間取った。
ようやくコートを羽織り、自分の白い息を浴びながら、いつも見ないようにしていた石段を見上げる。
暗すぎて、例の木戸はあるかないかもわからなかった。
砂利道の外灯の光がわずかに届いているから、目が慣れれば見えてくるかもしれない。それとも、最後に上まで登ってみようか。最後になる可能性はある。
リュックを背負い直し、石段の真下まで足を運ぶ。
昼間は葉を落として力なく見えた木々は闇より暗い影になり、こちらめがけて覆いかぶさってくるようだ。
不気味だったが、吉村さんとのやり取りを反芻するのを避けるために、俺は石段に足をかけ、思いきって二段、三段、と上がった。幅が狭くて危なっかしい。
その時、どん、と鈍い音が響いて、心臓が跳ね上がった。
どん、どん、と同じ間隔で音が続き、しばらくしてもう一度。
玄関のドアを叩くか蹴るかしている音だとようやく気づき、階段を下りて門に飛びついたが、やはり閂がなかなか開かない。
なんだよ、と喚いて、そうしている間に音は大きくなり、間隔が短くなった。
勢いよく開けたドアは、片足だけ玄関に踏み込んだ俺の、踏み込まなかった方の踵にぶつかった。
吉村さんはドアを蹴っていたのだ。脚を浮かせたまま驚いた顔をするのを腕に抱え込むと、背後でドアが閉まった。
抵抗されると思って強く抱きしめたが、息が上がって肩が上下する以外、吉村さんは動かなかった。腕を緩めて足元を見ると、黒い靴下だった。
「素足で蹴ったんですか」
彼はようやく顔を上げて俺を見た。
「バスなくなるぞ」
「最初から時間なんか見てねえ」
思わず大声が出た。
「言いたいことがあるなら、口で言え」
笑顔を作ろうとして、泣き顔になった彼はまた顔を俯けた。俺の目にゆっくりと映る仕草で。
「もう、やなんだよ」
「吉村さん」
「もう、嫌だ」
「何が」
声を出さずに泣き出した肩に手を置く。
「上がろう、吉村さん。寒い」
泣かれると何故か安心して、俺は靴を脱ぎ、彼を廊下に引っ張り上げた。
「……お前、出てったくせに。外にいたのか」
「あそこの石段、登りかけてました」
ソファーに座らせて、テーブルからティッシュの箱を取ってくると、吉村さんはもう泣いてはいなかったが受け取って脇に置いた。右目だけが真っ赤に充血していた。
俺は床に膝をついて、ティッシュを一枚引き抜き、彼の手に握らせた。
「ああいう言い方して悪かったです」
彼は鼻をすすり、ティッシュで顔を拭って大きく息を吐いた。
「吉村さんが、俺といても何にもならないだろうと思って。俺は別に何も持ってない人間なので」
宮田圭悟と違って、と心の中で続けたが、直後に、その考え方自体が傲慢だと初めて気づいた。
吉村さんはもう一枚ティッシュを取って、きれいに二つに折って顔に押し当てた。俺は床にあぐらをかき、人差し指で彼の足の甲に触れた。
「足、痛くないですか」
「痛い。足の裏」
「でしょうね。馬鹿なことするからですよ」
黒い靴下を撫でて足首を掴むと、足の指がぱたぱた動いた。
「前の玄関のドア、やっぱりあんたが壊したんですね」
吉村さんは言葉に詰まったらしく、喉のあたりで小さな音を立てながら俺を見下ろして、うっすらと微笑を浮かべた。
多分、宮田圭悟が何か話して帰った後だろう。おそらく緑だった古い木のドアを蹴り続けるこの人の様子を想像した。
その後、一人で仕事部屋の床にへたり込んで泣いたんだろう。
「あんなもん蹴ったって何にもならないでしょう。馬鹿らしい」
「言われなくてもわかってる」
力のない声だ。俺にあの音が聞こえなかったら、あるいは聞こえても戻らなかったら、今度は壊れないドアを足が上がらなくなるまで蹴りつけて、やっぱり泣いたんだろう。
俺が床から立ち上がって隣に座ると、
「どうして、俺が壊したと思う」
と吉村さんが聞いた。
「嘘ついた後、嘘つきましたって顔する。それこそ、はじめっからですよ」
彼は、愉快そうに短く笑った。
「はじめから?」
「俺が聞いたの覚えてますか」
「うん。神崎に言われてな。覚えてるよ」
吉村さんは俺のコートの襟元を引き寄せて、唇を合わせてきた。涙の匂いがする温かい唇は濡れていて、夢中になった時だけ出す(と俺が思っていた)声で、南、と呟く。
やってる最中じゃなくてもこの声出るのか。本人が自覚的に出しているのかどうか知らないが、そんなことはどうでもいい。
さっき、最後になる可能性はあると考えたが、頭で考えたことと気持ちは別で、ひどくバランスが悪かった。
吉村さんはそのうち体を離したが、俺はその手を掴んだままでいた。
「さっきの宅急便は、圭悟が本を一冊送ってきた」
「それ、もういいです」
「死んだ親父の蔵書を、理由があって、あいつが持ってた。仕事で使うんで返してもらった」
ごめん、と俺が口の中で言うと、吉村さんは首を横に振って、湿った吐息を漏らした。
宮田圭悟が持っていた理由も、仕事を口実に宮田からそれを取り上げた理由も、吉村さんにとって大切な何かで、俺には触れられない。
俺がこの人を欲しいのと同じくらい、この人は宮田が欲しいだろうか。今でも?
もしそうだとしても、俺はこの人が欲しい。
結局泊まることになった。
俺が布団に潜り込むと、先に寝ていた吉村さんがごそごそ動き出して、
「今日はもうしない?」
と聞いた。
「したい?」
「眠い」
「寝ましょう」
並んで仰向けになると、笑えてきた。
「吉村さんがしたいならするけど」
「うーん」
「遅いし、結局飯食ってないし、疲れてるかと思って遠慮しました」
彼の手を探り当てて、布団の中で手を繋いだ。
「なんか、南が俺に何を求めてるかがわからなくなるんだな」
俺は暗い天井を見つめた。
「じゃあ、吉村さんが俺に求めてるものは?セックス?」
彼の手は温かく、俺が指を絡めると軽く握り返してきた。
「俺ならチョロそうだと思ったでしょ」
「お前、何つう言葉を使うんだ。そんなことは思わない」
「実際チョロかったけどね」
沈黙が続いたので、眠ったのかと思って息を潜めていたら、彼はふと声を上げた。
「時刻表だよ」
「はい?」
「バスの時刻表を最初に見せた時、お前、すぐわかっただろう。赤い線の方が休日ダイヤだって」
薄闇の中で、顔を右に傾けると目が合った。
「はい。おもてうらで。青が平日で」
「うん、そう。一目でわかってたからなあ。賢くて面白いと思った」
俺は思わずええっと声をあげて、笑い出した。
吉村さんは目を見張って、何でそんなに笑う、と不思議そうだった。
そうか、今日は平日だ。青い罫線と修正したいくつかの数字を眺めた。
柔らかい鉛筆で書かれた数字、その摑みどころのない、現実感のない、不思議な形を。
「まだバスはある。それとも車呼ぶか?」
掠れた声で、俺が顔を上げると目をそらした。沈黙が続くかと思ったが、少し後で、南、と言った。
「俺は、何もしてやれない。そうだろ?お前はまだ若くてどこにでも行けるんだから、こんなとこに来る必要はないんだよ」
何もしてやれないのは、俺の方だ。でも、口から出た言葉は、
「あの人の代わりにはなれないですね。そういうことです」
だった。
吉村さんは唇をひきむすび、次に口を開いた時はこっちを見なかった。
「帰れ」
「まだバスありますね。お邪魔しました」
リュックとコートを掴んで玄関に向かい、帰れと言われたからとりあえず帰るだけだ、と自分に言い聞かせて、足を靴に押し込んだ。手に力が入らない。
振り向いて廊下とリビングを隔てる緑の扉をしばらく見た後、諦めて外に出た。
空気は冷え込み、家の中より静かだった。
玄関灯が点いていないので、手探りで門を開けるのに時間がかかり、出てから閂を掛けるのにさらに手間取った。
ようやくコートを羽織り、自分の白い息を浴びながら、いつも見ないようにしていた石段を見上げる。
暗すぎて、例の木戸はあるかないかもわからなかった。
砂利道の外灯の光がわずかに届いているから、目が慣れれば見えてくるかもしれない。それとも、最後に上まで登ってみようか。最後になる可能性はある。
リュックを背負い直し、石段の真下まで足を運ぶ。
昼間は葉を落として力なく見えた木々は闇より暗い影になり、こちらめがけて覆いかぶさってくるようだ。
不気味だったが、吉村さんとのやり取りを反芻するのを避けるために、俺は石段に足をかけ、思いきって二段、三段、と上がった。幅が狭くて危なっかしい。
その時、どん、と鈍い音が響いて、心臓が跳ね上がった。
どん、どん、と同じ間隔で音が続き、しばらくしてもう一度。
玄関のドアを叩くか蹴るかしている音だとようやく気づき、階段を下りて門に飛びついたが、やはり閂がなかなか開かない。
なんだよ、と喚いて、そうしている間に音は大きくなり、間隔が短くなった。
勢いよく開けたドアは、片足だけ玄関に踏み込んだ俺の、踏み込まなかった方の踵にぶつかった。
吉村さんはドアを蹴っていたのだ。脚を浮かせたまま驚いた顔をするのを腕に抱え込むと、背後でドアが閉まった。
抵抗されると思って強く抱きしめたが、息が上がって肩が上下する以外、吉村さんは動かなかった。腕を緩めて足元を見ると、黒い靴下だった。
「素足で蹴ったんですか」
彼はようやく顔を上げて俺を見た。
「バスなくなるぞ」
「最初から時間なんか見てねえ」
思わず大声が出た。
「言いたいことがあるなら、口で言え」
笑顔を作ろうとして、泣き顔になった彼はまた顔を俯けた。俺の目にゆっくりと映る仕草で。
「もう、やなんだよ」
「吉村さん」
「もう、嫌だ」
「何が」
声を出さずに泣き出した肩に手を置く。
「上がろう、吉村さん。寒い」
泣かれると何故か安心して、俺は靴を脱ぎ、彼を廊下に引っ張り上げた。
「……お前、出てったくせに。外にいたのか」
「あそこの石段、登りかけてました」
ソファーに座らせて、テーブルからティッシュの箱を取ってくると、吉村さんはもう泣いてはいなかったが受け取って脇に置いた。右目だけが真っ赤に充血していた。
俺は床に膝をついて、ティッシュを一枚引き抜き、彼の手に握らせた。
「ああいう言い方して悪かったです」
彼は鼻をすすり、ティッシュで顔を拭って大きく息を吐いた。
「吉村さんが、俺といても何にもならないだろうと思って。俺は別に何も持ってない人間なので」
宮田圭悟と違って、と心の中で続けたが、直後に、その考え方自体が傲慢だと初めて気づいた。
吉村さんはもう一枚ティッシュを取って、きれいに二つに折って顔に押し当てた。俺は床にあぐらをかき、人差し指で彼の足の甲に触れた。
「足、痛くないですか」
「痛い。足の裏」
「でしょうね。馬鹿なことするからですよ」
黒い靴下を撫でて足首を掴むと、足の指がぱたぱた動いた。
「前の玄関のドア、やっぱりあんたが壊したんですね」
吉村さんは言葉に詰まったらしく、喉のあたりで小さな音を立てながら俺を見下ろして、うっすらと微笑を浮かべた。
多分、宮田圭悟が何か話して帰った後だろう。おそらく緑だった古い木のドアを蹴り続けるこの人の様子を想像した。
その後、一人で仕事部屋の床にへたり込んで泣いたんだろう。
「あんなもん蹴ったって何にもならないでしょう。馬鹿らしい」
「言われなくてもわかってる」
力のない声だ。俺にあの音が聞こえなかったら、あるいは聞こえても戻らなかったら、今度は壊れないドアを足が上がらなくなるまで蹴りつけて、やっぱり泣いたんだろう。
俺が床から立ち上がって隣に座ると、
「どうして、俺が壊したと思う」
と吉村さんが聞いた。
「嘘ついた後、嘘つきましたって顔する。それこそ、はじめっからですよ」
彼は、愉快そうに短く笑った。
「はじめから?」
「俺が聞いたの覚えてますか」
「うん。神崎に言われてな。覚えてるよ」
吉村さんは俺のコートの襟元を引き寄せて、唇を合わせてきた。涙の匂いがする温かい唇は濡れていて、夢中になった時だけ出す(と俺が思っていた)声で、南、と呟く。
やってる最中じゃなくてもこの声出るのか。本人が自覚的に出しているのかどうか知らないが、そんなことはどうでもいい。
さっき、最後になる可能性はあると考えたが、頭で考えたことと気持ちは別で、ひどくバランスが悪かった。
吉村さんはそのうち体を離したが、俺はその手を掴んだままでいた。
「さっきの宅急便は、圭悟が本を一冊送ってきた」
「それ、もういいです」
「死んだ親父の蔵書を、理由があって、あいつが持ってた。仕事で使うんで返してもらった」
ごめん、と俺が口の中で言うと、吉村さんは首を横に振って、湿った吐息を漏らした。
宮田圭悟が持っていた理由も、仕事を口実に宮田からそれを取り上げた理由も、吉村さんにとって大切な何かで、俺には触れられない。
俺がこの人を欲しいのと同じくらい、この人は宮田が欲しいだろうか。今でも?
もしそうだとしても、俺はこの人が欲しい。
結局泊まることになった。
俺が布団に潜り込むと、先に寝ていた吉村さんがごそごそ動き出して、
「今日はもうしない?」
と聞いた。
「したい?」
「眠い」
「寝ましょう」
並んで仰向けになると、笑えてきた。
「吉村さんがしたいならするけど」
「うーん」
「遅いし、結局飯食ってないし、疲れてるかと思って遠慮しました」
彼の手を探り当てて、布団の中で手を繋いだ。
「なんか、南が俺に何を求めてるかがわからなくなるんだな」
俺は暗い天井を見つめた。
「じゃあ、吉村さんが俺に求めてるものは?セックス?」
彼の手は温かく、俺が指を絡めると軽く握り返してきた。
「俺ならチョロそうだと思ったでしょ」
「お前、何つう言葉を使うんだ。そんなことは思わない」
「実際チョロかったけどね」
沈黙が続いたので、眠ったのかと思って息を潜めていたら、彼はふと声を上げた。
「時刻表だよ」
「はい?」
「バスの時刻表を最初に見せた時、お前、すぐわかっただろう。赤い線の方が休日ダイヤだって」
薄闇の中で、顔を右に傾けると目が合った。
「はい。おもてうらで。青が平日で」
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