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9ー②
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私はボッソと呟いたの。けど照斗君には聞こえていなかった。だからもう一度、照斗君に名前を伝えようとしたけど、言葉が出てこない。
「倉沢さん?」
言葉が出てこないのを不思議に思って照斗君がもう一度、私を呼ぶ。
「か……甘奈だったの。甘奈が黒い影……2人のうちの1人だったの……」
「えっ……」
照斗君は黙ってしまった。自分でも信じられない事が起きてそれを目の前で見てしまったらなんて言葉にしたらいいのか、考えているんだろうなぁと思ったの。
多分、私も言葉に出来ずに黙っているんだろうなぁと思ったの。
しばらく私と照斗君は黙っていたけど、このままではいけないと自分に言い聞かせ私は立ち上がる。まだ、自分に出来る事をと思った。
「大変な事になる前に甘奈を止めないと。後戻りが出来るうちに!」
「うん、そうだね。倉沢さんこのままだとどうなるの?」
「それは……」
マスターから聞いた話を全て照斗君に伝えたの。照斗君は全て聞き終わるって驚いていた。
驚くのも無理がないと思う。私も始めて聞いた時は驚いていたし。
それにほとんどの仕事は私がやっていたから何も知らなかった照斗君にとっては複雑な気持ちがあるかもしれないと思った。
「じゃあ僕はもう1人の影を。倉沢さんはそのまま坂村さんを探してあげて」
「うん……ありがとう」
照斗君の提案で二手に分かれて探すことにしたの。
私はとりあえず、校内の中から探すことにしたの。3階、2階とそして各教室と探してみたけど甘奈の姿はなかった。
そして最後に1階を探し回る前にふっと歩くのをやめてしまった。何故ならあまりの酷い光景に思わず立ち止まる。
「酷い……」
校内にいる先生や生徒は皆、石になっている。2階は学校行事で生徒は居なかったが先生はいる。3階はもちろん先生も生徒もいるけど……もう、見るに見かねるぐらいあまりにも石になっている姿を見るのは正直辛いと思った。
「甘奈……」
ふっと頭の中に突然思い浮かんだものがあった。それは昔の記憶。なぜ、今思い出したのかは分からない。けど、流れ込んできた記憶は、昔よく2人で遊んでいた公園。
何でかは分からない。でも、そこに行けば甘奈がいるような……そんな気がした。
急いで学校から昔遊んでいた公園へ向かおうと思って走った。昔遊んでいた公園は私の家のその先。甘奈が引越してきて始めて友達になって遊んだ公園。とても思い出の場所。
甘奈がそこに居ることを願って学校をあとにする。
学校を出て公園に向かって走っていた私は疲れて足がとても重く感じた。このまま走ることが出来るか分からないが歩くのだけは続けようと足を動かす。
「倉沢さん!」
「あ、照斗君!」
公園に向かう最中に照斗君と出会う。
「倉沢さん?」
言葉が出てこないのを不思議に思って照斗君がもう一度、私を呼ぶ。
「か……甘奈だったの。甘奈が黒い影……2人のうちの1人だったの……」
「えっ……」
照斗君は黙ってしまった。自分でも信じられない事が起きてそれを目の前で見てしまったらなんて言葉にしたらいいのか、考えているんだろうなぁと思ったの。
多分、私も言葉に出来ずに黙っているんだろうなぁと思ったの。
しばらく私と照斗君は黙っていたけど、このままではいけないと自分に言い聞かせ私は立ち上がる。まだ、自分に出来る事をと思った。
「大変な事になる前に甘奈を止めないと。後戻りが出来るうちに!」
「うん、そうだね。倉沢さんこのままだとどうなるの?」
「それは……」
マスターから聞いた話を全て照斗君に伝えたの。照斗君は全て聞き終わるって驚いていた。
驚くのも無理がないと思う。私も始めて聞いた時は驚いていたし。
それにほとんどの仕事は私がやっていたから何も知らなかった照斗君にとっては複雑な気持ちがあるかもしれないと思った。
「じゃあ僕はもう1人の影を。倉沢さんはそのまま坂村さんを探してあげて」
「うん……ありがとう」
照斗君の提案で二手に分かれて探すことにしたの。
私はとりあえず、校内の中から探すことにしたの。3階、2階とそして各教室と探してみたけど甘奈の姿はなかった。
そして最後に1階を探し回る前にふっと歩くのをやめてしまった。何故ならあまりの酷い光景に思わず立ち止まる。
「酷い……」
校内にいる先生や生徒は皆、石になっている。2階は学校行事で生徒は居なかったが先生はいる。3階はもちろん先生も生徒もいるけど……もう、見るに見かねるぐらいあまりにも石になっている姿を見るのは正直辛いと思った。
「甘奈……」
ふっと頭の中に突然思い浮かんだものがあった。それは昔の記憶。なぜ、今思い出したのかは分からない。けど、流れ込んできた記憶は、昔よく2人で遊んでいた公園。
何でかは分からない。でも、そこに行けば甘奈がいるような……そんな気がした。
急いで学校から昔遊んでいた公園へ向かおうと思って走った。昔遊んでいた公園は私の家のその先。甘奈が引越してきて始めて友達になって遊んだ公園。とても思い出の場所。
甘奈がそこに居ることを願って学校をあとにする。
学校を出て公園に向かって走っていた私は疲れて足がとても重く感じた。このまま走ることが出来るか分からないが歩くのだけは続けようと足を動かす。
「倉沢さん!」
「あ、照斗君!」
公園に向かう最中に照斗君と出会う。
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