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 「こんにちは」
 「あら、コトハちゃん、こんにちは」
 
 リップさんのお店に行ってみるとすぐさまリップさんの姿を発見し、リップさんに声を掛けたの。
 
 「どうしたのコトハちゃん?」
 「えーと、あの、昨日はきれいなお花ありがとうございました。今日はそのお礼を言いに」
 「律儀ね。別にわざわざ言いに来なくってもいいのに」
 「いいえ。お礼ついてに私自身、街の事を知りたいのでお父様に許可を取って街を見て回ろうと思って」
 「そうなんだね。沢山見て回れるといいね」
 「はい、ありがとうございます」
 「まぁ、後ろに素敵なナイトさんが居るから大丈夫だと思うけど、気をつけてね」
 「はい。ありがとうございます」

 後ろに素敵なナイトさんがいるなんて言われたら自然と顔が熱くなるのを感じたの。多分、恥ずかしいとか照れるとか色んな感情が浮かんだから。
 と、とにかくリップさんにもう一度、お礼を言ってからその場を後に違うお店を見に行った。

 私自体、街の中を歩くのがこれで二回目。はっきりいってとこのお店を見たい、あるいは行きたいなんてない。単なる街の様子が見たいだけなので、一緒に行動してくれているミサキ君とヒビキ君の二人にお薦めなお店を聞いてみる事にしたの。

 まずは、ヒビキ君から聞いてみる事に。
 ヒビキ君がお薦めしてくれたお店はアクセサリーやきれいな石がおいてある言わば宝石屋だった。ちょっと以外だなと思って理由を聞いてみるとヒビキ君には妹さん二人いるみたい。その妹さんがいる家に帰る時に三人分何か買ってあげているみたい。
 ちなみに三人分はお母さんと妹二人にみたいだ。

 そしてミサキ君のお薦めしてくれたお店は、果物が沢山売っているお店だ。いわゆる果物屋かな。 
 果物はよくお城の皆で食べることが多いみたいでお父様もお母様も果物は好きで、よくレモンを買ってきてはレモンパイを作って欲しいと料理する人に頼んだり、お母様が果物を使ってはお菓子を作っては城の皆と食べていたみたい。

 せっかく街に来たんだからミサキ君のお薦めのお店に行ってお城に帰るという流れに決まり、色々見て回っては最後に果物を売っている所にやって来たの。

 「ここがミサキ君のお薦めね」
 「はい。何か買っていきますか?」
 「そうね……ゆっくりと見てから買うか、買わないか決めるわ」
 「では、なかに入ってみましょう、コトハさん」
 「ありがとう」
  
 早速、中には行って色々と売られている果物を見てみた。そこには、私があっちの世界では見たことがない果物が沢山あった。果物を見ているとフット自然に私の視線に入ってきた物があったの。
 それはピンク色で細長い物であっちでいうと……ナスに近いかなと思ったの。バナナに近い、いや、ごぼうとも言い難いが。何だか分からなくなってきた。

 「ミサキ君、これは?」
 「それは、バナナですね」
 「えっ、バナナ!」

 

 
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