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フランス人みたいな日本人

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今日も呆然とする。
 呆気に取られる。
「彼女が素敵すぎて?」
 美しきAが微笑む。
「分かるよね、君なら」
「もちろん。フランスは愛の国だから」
 Aはフランスに対するクリシェ(ステロタイプ)をパロディとして語る。
 インテリジェンス溢れるA。
 そのブラウンの瞳には凶暴性も宿る。
 インテリジェンスと凶暴さは時に矛盾しない。
「ああ、もう毎日毎日会っても、それがいつまで続いても、僕は防戦とする、彼女が素敵すぎて」
「ふふふ、Mはフランス人みたいな日本人だ」
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