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4章 ラグナロクの大迷宮
48.守護者
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やけに重苦しい空気が流れている。
暗く、湿った洞窟内はさらに雰囲気を陰湿にさせ、各々の気持ちを暗くしているように思えた。
「一体この通路どこまで続いてるんですかね?」
「さあな。だがこうも真っ直ぐな道が続いてたら退屈するよな」
退屈するかはさておき、もう通路を10分近く歩いていた。
今までの空洞から空洞への道のりは1分歩くかどうかだったのに。
こんなに長いと何かあるとしか思えない。
「丁度いいわ。魔力も回復してきた事だし精霊に調べさせる」
シルクの足元から煙が上がり、真っ黒な鷹が出てきた。
どうやらシルクの精霊は鷹型らしく、凛々しくてかっこいい。俺の精霊とは大違いだ。
「お嬢。お呼びですかい?」
「ええ。この通路がどこまであるか調べてきて」
「御意」
鷹はその場で反転すると翼をはためかせ、颯爽と滑空していった。
洞窟内の明暗と鷹の黒のフォルムが合わさってかっこいい。あれ欲しい。
「シルクのは鷹の精霊なんだね」
「カエラって言うのよ。7歳の時に契約したわ。レイのは?」
「.....俺のですか.....」
あれを見た後に俺のを出すと悲しくなりそうだ。
「マーブル、出番」
スポポポポーン、という効果音付きで前方に白い煙が発生した。
「なに!?効果音があるの?」
「ま、まあねー」
とても変な効果音ですが。
「もぉー!レイって僕を出す時間少なすぎない!?退屈ー!」
白い煙が晴れた所にいたのは頬を膨らまし腕を組んで怒ったようにプンプンする猫。
.....ウチの精霊だ。
「な、なにあれ?」
驚いたようにピクピク震えながら問うシルク。
シルクんとこの精霊と違いすぎですもんね。向こうは忠実な執事!って感じだが俺んとこはペットの猫!って感じだもん。
「ま、まあ一応上級精霊だからーーーってあれ?シルク?」
横を見るとさっきまで横に付いていたシルクは居なかった。
「か、かわいい~!!」
ふと見るとマーブルの顔に頬をスリスリしていた。
あれ、この光景どっかで見た気が.....。
『痛い!痛いよこの子!レイ!離すように言って!』
『ちっ。爆発しろや』
『どうぅえええ!???最近僕の扱い酷くない!?』
ちっ。仕方ないな。
「シルクさーん?もうそろそろお離しになっては?」
少しいじるように声をかけるとシルクの動きはピタリと止まった。そこからゆっくりと俺たちの方を向く。
「.....ただどんな精霊か調べてただけよ」
そう言うシルクの頬は赤く染まっている。
服といい、猫といい可愛いものが好きらしい。
「も、もういいでしょ!さっさと行くわよ!」
アドルフと俺がニッコリしていたのが気に障ったらしい。
シルクは羽衣を翻して歩き始めた。
迷宮に入ってから思う事なんだが、色々な人の本性が見えてきている気がする。
「あ、帰ってきたわ」
前を歩いていたシルクが歩みを止めた。
しばらくして通路先の暗闇から1匹の鷹が出てくる。
鷹は速度を落としながら高度を下げ、シルクの腕に止まった。
「どうだった?」
「それがーーー.....お嬢。少し顔が赤いですぜ?」
「「ぷぐっ!」」
カエラのナイス一言に吹き出してしまうアドルフと俺。カエラは疑問顏だ。
「そ、それはいいのよ!それで、どうだったの!?」
「それがー通路の先にはなにも無いんです」
「何もない?バカな。この層はここが最後だぞ?」
カエラの言葉にいち早く反応したのはアドルフだ。
確かにここが行き止まりなら詰みだ。この層はここを残して探索済みだからな。
「そう言われてもーーーーっ!お嬢!後ろ!」
カエラが切羽詰まったような声を出した瞬間、マーブルが然魔法で土壁を作った。
一瞬遅れて土壁に火魔法が当たる。
突然の魔法に全員が疑問顏だった。が、それは後ろを振り向いた時に解消された。
「うそ.....!さっきまでこんなところに空洞なんて無かったのに.....!」
シルクの言葉の通り、さっき歩いてきたはずの通路がいつの間にか巨大な空洞へと変化していた。
「じゃあ、あいつが守護者か!」
アドルフが剣で指し示したのは、トゲトゲの甲羅をし、なおかつ3つの狼頭があり、そして周りに岩を浮遊させている一軒家ほどの大きさの魔物。
その魔物が口を開いた。
《よく来たな勇気有るものよ。我は20層目の守護者、ガーゲイル。この先に進みたければ我を倒せ》
しわがれた顔で、確かに"魔物"がそう言った。
「ま、魔物って喋れるんですか!?」
「いや、そういう"仕掛け"だ。魔物は喋れない。だがな、あいつ、間違いなくS級並みだぜ?」
S級は一度全滅しかけられた赤竜と同じランク。それと同じ強者のオーラがひしひし伝わってくる。
あの時は全員居たが今は3人と2匹だけだ。
倒せるのか?これを。
「取り敢えず俺が頭をチョン切る!お前らはサポートを頼む!」
そう言いアドルフは飛び出した。
俺も早速然魔法に強い火魔法を撃とうとする、が
「ーーーなっ!」
「お嬢!ここでは魔法は使えないようですぜ!」
カエラがガーゲイルの上を飛びながら忠告してきた。
ーーーーー確かに魔法が撃てない。さっきまでは使えたはずだ。ならばガーゲイルとやらが使えなくしているのか?
ギィィイイイン!!
金切音が空洞に響く。見るとアドルフの剣が浮遊した岩によって弾かれていた。
そしてガーゲイルの口元と甲羅が赤く光り始める。
「まずいっ!魔法が来るぞ!」
アドルフが身を翻してこっちにきた。だが魔法が使えない今、魔導も使えない。無効化が出来ないっ!
「いやこれはーーーーレイっ!魔法が使えないんじゃなくて吸収されてるんだ!」
ガーゲイルの甲羅付近で浮いていたマーブルが叫ぶ。
吸収ーーってことは膨大な魔力を注ぎ込んだ上で一瞬だけなら魔法が発動するってことか。
「ギュォォォォォオ!!!!」
ガーゲイルの口から渦巻く赤色の炎が激しく出てくる。
大量の魔力で一瞬だけーーーならば。
「転移!!」
炎が間近に迫った時、激しい嘔吐感に包まれる。
目を開けるとガーゲイルの後ろに転移していた。さっきまでいた場所では、地面が溶けていた。
あれが当たっていたらと考えると恐ろしい。
「ギュォォォォォオ!!」
転移した俺たちを見失ったのかガーゲイルがのそのそゆっくりと叫びながら動く。
デカイ魔物ならではで動きがトロい。
「よし、作戦はこうだ。俺がまずあいつの下に潜り込んでブッ刺す!その隙にレイが首を切り落としてくれ!」
豪快な作戦をアドルフが神妙な顔で言った。
俺はコクリと頷くと腰の剣を抜く。
「よっしゃっ!反撃だ!」
暗く、湿った洞窟内はさらに雰囲気を陰湿にさせ、各々の気持ちを暗くしているように思えた。
「一体この通路どこまで続いてるんですかね?」
「さあな。だがこうも真っ直ぐな道が続いてたら退屈するよな」
退屈するかはさておき、もう通路を10分近く歩いていた。
今までの空洞から空洞への道のりは1分歩くかどうかだったのに。
こんなに長いと何かあるとしか思えない。
「丁度いいわ。魔力も回復してきた事だし精霊に調べさせる」
シルクの足元から煙が上がり、真っ黒な鷹が出てきた。
どうやらシルクの精霊は鷹型らしく、凛々しくてかっこいい。俺の精霊とは大違いだ。
「お嬢。お呼びですかい?」
「ええ。この通路がどこまであるか調べてきて」
「御意」
鷹はその場で反転すると翼をはためかせ、颯爽と滑空していった。
洞窟内の明暗と鷹の黒のフォルムが合わさってかっこいい。あれ欲しい。
「シルクのは鷹の精霊なんだね」
「カエラって言うのよ。7歳の時に契約したわ。レイのは?」
「.....俺のですか.....」
あれを見た後に俺のを出すと悲しくなりそうだ。
「マーブル、出番」
スポポポポーン、という効果音付きで前方に白い煙が発生した。
「なに!?効果音があるの?」
「ま、まあねー」
とても変な効果音ですが。
「もぉー!レイって僕を出す時間少なすぎない!?退屈ー!」
白い煙が晴れた所にいたのは頬を膨らまし腕を組んで怒ったようにプンプンする猫。
.....ウチの精霊だ。
「な、なにあれ?」
驚いたようにピクピク震えながら問うシルク。
シルクんとこの精霊と違いすぎですもんね。向こうは忠実な執事!って感じだが俺んとこはペットの猫!って感じだもん。
「ま、まあ一応上級精霊だからーーーってあれ?シルク?」
横を見るとさっきまで横に付いていたシルクは居なかった。
「か、かわいい~!!」
ふと見るとマーブルの顔に頬をスリスリしていた。
あれ、この光景どっかで見た気が.....。
『痛い!痛いよこの子!レイ!離すように言って!』
『ちっ。爆発しろや』
『どうぅえええ!???最近僕の扱い酷くない!?』
ちっ。仕方ないな。
「シルクさーん?もうそろそろお離しになっては?」
少しいじるように声をかけるとシルクの動きはピタリと止まった。そこからゆっくりと俺たちの方を向く。
「.....ただどんな精霊か調べてただけよ」
そう言うシルクの頬は赤く染まっている。
服といい、猫といい可愛いものが好きらしい。
「も、もういいでしょ!さっさと行くわよ!」
アドルフと俺がニッコリしていたのが気に障ったらしい。
シルクは羽衣を翻して歩き始めた。
迷宮に入ってから思う事なんだが、色々な人の本性が見えてきている気がする。
「あ、帰ってきたわ」
前を歩いていたシルクが歩みを止めた。
しばらくして通路先の暗闇から1匹の鷹が出てくる。
鷹は速度を落としながら高度を下げ、シルクの腕に止まった。
「どうだった?」
「それがーーー.....お嬢。少し顔が赤いですぜ?」
「「ぷぐっ!」」
カエラのナイス一言に吹き出してしまうアドルフと俺。カエラは疑問顏だ。
「そ、それはいいのよ!それで、どうだったの!?」
「それがー通路の先にはなにも無いんです」
「何もない?バカな。この層はここが最後だぞ?」
カエラの言葉にいち早く反応したのはアドルフだ。
確かにここが行き止まりなら詰みだ。この層はここを残して探索済みだからな。
「そう言われてもーーーーっ!お嬢!後ろ!」
カエラが切羽詰まったような声を出した瞬間、マーブルが然魔法で土壁を作った。
一瞬遅れて土壁に火魔法が当たる。
突然の魔法に全員が疑問顏だった。が、それは後ろを振り向いた時に解消された。
「うそ.....!さっきまでこんなところに空洞なんて無かったのに.....!」
シルクの言葉の通り、さっき歩いてきたはずの通路がいつの間にか巨大な空洞へと変化していた。
「じゃあ、あいつが守護者か!」
アドルフが剣で指し示したのは、トゲトゲの甲羅をし、なおかつ3つの狼頭があり、そして周りに岩を浮遊させている一軒家ほどの大きさの魔物。
その魔物が口を開いた。
《よく来たな勇気有るものよ。我は20層目の守護者、ガーゲイル。この先に進みたければ我を倒せ》
しわがれた顔で、確かに"魔物"がそう言った。
「ま、魔物って喋れるんですか!?」
「いや、そういう"仕掛け"だ。魔物は喋れない。だがな、あいつ、間違いなくS級並みだぜ?」
S級は一度全滅しかけられた赤竜と同じランク。それと同じ強者のオーラがひしひし伝わってくる。
あの時は全員居たが今は3人と2匹だけだ。
倒せるのか?これを。
「取り敢えず俺が頭をチョン切る!お前らはサポートを頼む!」
そう言いアドルフは飛び出した。
俺も早速然魔法に強い火魔法を撃とうとする、が
「ーーーなっ!」
「お嬢!ここでは魔法は使えないようですぜ!」
カエラがガーゲイルの上を飛びながら忠告してきた。
ーーーーー確かに魔法が撃てない。さっきまでは使えたはずだ。ならばガーゲイルとやらが使えなくしているのか?
ギィィイイイン!!
金切音が空洞に響く。見るとアドルフの剣が浮遊した岩によって弾かれていた。
そしてガーゲイルの口元と甲羅が赤く光り始める。
「まずいっ!魔法が来るぞ!」
アドルフが身を翻してこっちにきた。だが魔法が使えない今、魔導も使えない。無効化が出来ないっ!
「いやこれはーーーーレイっ!魔法が使えないんじゃなくて吸収されてるんだ!」
ガーゲイルの甲羅付近で浮いていたマーブルが叫ぶ。
吸収ーーってことは膨大な魔力を注ぎ込んだ上で一瞬だけなら魔法が発動するってことか。
「ギュォォォォォオ!!!!」
ガーゲイルの口から渦巻く赤色の炎が激しく出てくる。
大量の魔力で一瞬だけーーーならば。
「転移!!」
炎が間近に迫った時、激しい嘔吐感に包まれる。
目を開けるとガーゲイルの後ろに転移していた。さっきまでいた場所では、地面が溶けていた。
あれが当たっていたらと考えると恐ろしい。
「ギュォォォォォオ!!」
転移した俺たちを見失ったのかガーゲイルがのそのそゆっくりと叫びながら動く。
デカイ魔物ならではで動きがトロい。
「よし、作戦はこうだ。俺がまずあいつの下に潜り込んでブッ刺す!その隙にレイが首を切り落としてくれ!」
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