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6章 吸血鬼と魔法使い
67.足枷
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「ちょ、ちょっと一回整理しよう。
闇と復讐の神?がこのタナトスで、コイツが俺の配下になったから自動的に神と同盟関係。
だから俺は狙われます。これでオーケー?」
「そうじゃ」
「なんかえらいことになった!」
鳥に驚いて死神にビビってボーっとしていたらこうなった。驚くべきビフォーアフターだ。
しかしこの闇が渦巻く死神みたいのが俺の配下ね.....。こんなん連れて歩いたら町中パニックだよ。サイズでかいし。
「えーっと?タナトス?だっけ。
お前は本当に俺の配下なんだな?」
俺の質問にタナトスは一つも動かない。
答えろよチクショウ!と思っていたら闇の因子で顔が見えなかっただけでしっかりと喋っていたらしい。
【我ハ御身ノ配下、間違イナイ。ソシテ闇ト復讐ノ神ゲアボルグ様】
「めんどくさっ!」
何だこいつ。主人2人かよふざけやがって。
「・・・てか闇と復讐の神ってなんだ?確か神話には神は魔神と女神しか登場してないよな?」
振り返りハクリを見ると、完全に失念していたとばかりに手を打った。
「神とは、言うなれば『因子の象徴』じゃ。
そこのタナトスは『闇の因子』のゲアボルグの部下。力は王や魔神には劣るが一部で信仰されてたり、中々強力な奴らじゃ」
「へー。もうわけわかんないな」
「そんな事より早く次の層に行くぞ。力も温存できたことだし、恐らく後2階層じゃ」
恐らく、というのはハクリの希望も含まれているのだろう。後2階層。そう思えば気持ちも楽になる。合計で200階層とキリもいい。
ただ、この階層のあの黄金の鳥よりも強い魔物がこの先出てくるのだ。
ぶっちゃけタナトスに全部任せたい。てか任せていい気がする。そうだ!何のための配下だよ!
「よし!タナトス!残りの敵はお前に任せた!」
【・・・・・承知シタ】
「あれ?」
承知した、と言うタナトスの体がグングンと小さくなっている。
人間サイズになるよう収縮している、というよりかは力尽きて消え去りそうだ。
そんな俺の予想が当たったのかハクリが俺の方に手を置いた。
「ここにいるタナトスは分体じゃよ。本体は別にいる。おそらくこの迷宮、この場所に送るのに多大な力を使ったのじゃな。
だから、コイツはここでお別れじゃ」
「は?そ、そんな」
俺の安全楽ちん迷宮攻略作戦が......。
【我ガ主人ヨ、マタ会オウ】
いやそんなカタコトで言われても......。
そんな言葉を残してタナトスはさっきまでの巨体が嘘かのように消え去った。
今まで洞窟内を支配していた禍々しい闇の因子はなくなり、再び無音が場を支配する。
「「・・・・・・」」
こうして突然来て突然消えた死神は場に微妙な空気を残して帰ったのだった。
*
199階層。
今までの総復習のような魔物が盛りだくさん(もちろん強化済み)の階層だった。
お馴染みのゴブリンは勿論、懐かしの象やネズミまでいる。
その魔物達はこの階層の魔物だけで国を一つ滅せるであろう強さだ。それらはもう"S級"では片付けられず、"災害指定獣"と呼ばれているらしい。あのゴブリンがだ。
しかし、その"災害指定獣"を持ってしても守護者には敵わない。
大きな蹄と煌めく鱗、これぞファンタジーな赤色の竜、即ちドラゴンが199階層の守護者だった。
ハクリによると"災害指定獣"を通り越した"滅びの獣"と呼ばれているらしい。
地上に姿を現わすのは数百年に一度。その度に幾つかの国が滅んでいるらしい。
そんなバケモノよりも強いのが200階層のボス。
震えが走る。
そんなわけで、今ドラゴンと対峙しているわけである。
「氷槍!」
竜に向け、数百本の氷槍を生成する。それにさらに魔力を纏わせ威力を上昇。さらには「雷」をも組み合わせて電撃と魔力纏わす氷槍が完成した。
その氷槍を竜に向かって全力発進させる。
しかしその氷槍が屁でもないように竜はそれに見向きもしない。
竜が見ていたのは地面だった。
「ちっ、目眩しってバレたか」
氷槍と同時進行、詳しくは先に作った氷槍を空中に待機させて詠唱した魔法だが、その魔法に目を向けさせないための氷槍だったのだが。
その氷槍は俺の中での最大威力の中の一つの筈なのに鱗に簡単に弾かれていた。
しかし氷槍は言わば囮、本命は地面のもの.....でもない。
「グルォォォォォォオ」
竜が注目していた地面がただの魔力溜まりだとわかると竜は不機嫌そうに唸る。その時、僅かだが隙が出来た。
「雷極放電」
氷槍も目眩し、魔力溜まりも目眩し、本命は隙を狙い続けたハクリだ。
一瞬だけ油断した竜の首元を狙い、ハクリから放たれた光属性の極級魔法が音をも切り裂く速さで輝く一直線を作る。
その直線は竜の首元にすぐさま到達し、
ーーーそして貫いた。
光線で焼けたのか竜の首元からは血が飛び散らず、肉の焼けた不快な臭いがした、と一呼吸遅れてあたりに物凄い風が吹き荒れた。
以前の俺では立っていることも出来なかったであろうその風で俺の髪が靡く。
竜は首元を貫かれ、痙攣しているかと思うとやがて息途絶えた。
"滅びの獣"と呼ばれているには随分あっけなかった気がするが......。まあ倒せたんだから万事OKだろう。
「よし、これで残るはーーー」
200階層だ。思えば長かった。
やっとこの地獄のような迷宮から脱出出来るのか。
そんな感慨に耽っているとハクリは苦笑する。
「ここを出たらどうするかの?一緒に旅でもするかのぅ?悪くない」
「いや、俺は一回故郷へ帰るよ。それから王国にも戻らないとな」
「面白くないのー。ま、その話はここを出た時にするとしよう。外に出るのが楽しみじゃな!」
「ああ、そうだな!」
この時、俺は一抹の不安を感じていた。
フラグ立っちゃったよ......。
闇と復讐の神?がこのタナトスで、コイツが俺の配下になったから自動的に神と同盟関係。
だから俺は狙われます。これでオーケー?」
「そうじゃ」
「なんかえらいことになった!」
鳥に驚いて死神にビビってボーっとしていたらこうなった。驚くべきビフォーアフターだ。
しかしこの闇が渦巻く死神みたいのが俺の配下ね.....。こんなん連れて歩いたら町中パニックだよ。サイズでかいし。
「えーっと?タナトス?だっけ。
お前は本当に俺の配下なんだな?」
俺の質問にタナトスは一つも動かない。
答えろよチクショウ!と思っていたら闇の因子で顔が見えなかっただけでしっかりと喋っていたらしい。
【我ハ御身ノ配下、間違イナイ。ソシテ闇ト復讐ノ神ゲアボルグ様】
「めんどくさっ!」
何だこいつ。主人2人かよふざけやがって。
「・・・てか闇と復讐の神ってなんだ?確か神話には神は魔神と女神しか登場してないよな?」
振り返りハクリを見ると、完全に失念していたとばかりに手を打った。
「神とは、言うなれば『因子の象徴』じゃ。
そこのタナトスは『闇の因子』のゲアボルグの部下。力は王や魔神には劣るが一部で信仰されてたり、中々強力な奴らじゃ」
「へー。もうわけわかんないな」
「そんな事より早く次の層に行くぞ。力も温存できたことだし、恐らく後2階層じゃ」
恐らく、というのはハクリの希望も含まれているのだろう。後2階層。そう思えば気持ちも楽になる。合計で200階層とキリもいい。
ただ、この階層のあの黄金の鳥よりも強い魔物がこの先出てくるのだ。
ぶっちゃけタナトスに全部任せたい。てか任せていい気がする。そうだ!何のための配下だよ!
「よし!タナトス!残りの敵はお前に任せた!」
【・・・・・承知シタ】
「あれ?」
承知した、と言うタナトスの体がグングンと小さくなっている。
人間サイズになるよう収縮している、というよりかは力尽きて消え去りそうだ。
そんな俺の予想が当たったのかハクリが俺の方に手を置いた。
「ここにいるタナトスは分体じゃよ。本体は別にいる。おそらくこの迷宮、この場所に送るのに多大な力を使ったのじゃな。
だから、コイツはここでお別れじゃ」
「は?そ、そんな」
俺の安全楽ちん迷宮攻略作戦が......。
【我ガ主人ヨ、マタ会オウ】
いやそんなカタコトで言われても......。
そんな言葉を残してタナトスはさっきまでの巨体が嘘かのように消え去った。
今まで洞窟内を支配していた禍々しい闇の因子はなくなり、再び無音が場を支配する。
「「・・・・・・」」
こうして突然来て突然消えた死神は場に微妙な空気を残して帰ったのだった。
*
199階層。
今までの総復習のような魔物が盛りだくさん(もちろん強化済み)の階層だった。
お馴染みのゴブリンは勿論、懐かしの象やネズミまでいる。
その魔物達はこの階層の魔物だけで国を一つ滅せるであろう強さだ。それらはもう"S級"では片付けられず、"災害指定獣"と呼ばれているらしい。あのゴブリンがだ。
しかし、その"災害指定獣"を持ってしても守護者には敵わない。
大きな蹄と煌めく鱗、これぞファンタジーな赤色の竜、即ちドラゴンが199階層の守護者だった。
ハクリによると"災害指定獣"を通り越した"滅びの獣"と呼ばれているらしい。
地上に姿を現わすのは数百年に一度。その度に幾つかの国が滅んでいるらしい。
そんなバケモノよりも強いのが200階層のボス。
震えが走る。
そんなわけで、今ドラゴンと対峙しているわけである。
「氷槍!」
竜に向け、数百本の氷槍を生成する。それにさらに魔力を纏わせ威力を上昇。さらには「雷」をも組み合わせて電撃と魔力纏わす氷槍が完成した。
その氷槍を竜に向かって全力発進させる。
しかしその氷槍が屁でもないように竜はそれに見向きもしない。
竜が見ていたのは地面だった。
「ちっ、目眩しってバレたか」
氷槍と同時進行、詳しくは先に作った氷槍を空中に待機させて詠唱した魔法だが、その魔法に目を向けさせないための氷槍だったのだが。
その氷槍は俺の中での最大威力の中の一つの筈なのに鱗に簡単に弾かれていた。
しかし氷槍は言わば囮、本命は地面のもの.....でもない。
「グルォォォォォォオ」
竜が注目していた地面がただの魔力溜まりだとわかると竜は不機嫌そうに唸る。その時、僅かだが隙が出来た。
「雷極放電」
氷槍も目眩し、魔力溜まりも目眩し、本命は隙を狙い続けたハクリだ。
一瞬だけ油断した竜の首元を狙い、ハクリから放たれた光属性の極級魔法が音をも切り裂く速さで輝く一直線を作る。
その直線は竜の首元にすぐさま到達し、
ーーーそして貫いた。
光線で焼けたのか竜の首元からは血が飛び散らず、肉の焼けた不快な臭いがした、と一呼吸遅れてあたりに物凄い風が吹き荒れた。
以前の俺では立っていることも出来なかったであろうその風で俺の髪が靡く。
竜は首元を貫かれ、痙攣しているかと思うとやがて息途絶えた。
"滅びの獣"と呼ばれているには随分あっけなかった気がするが......。まあ倒せたんだから万事OKだろう。
「よし、これで残るはーーー」
200階層だ。思えば長かった。
やっとこの地獄のような迷宮から脱出出来るのか。
そんな感慨に耽っているとハクリは苦笑する。
「ここを出たらどうするかの?一緒に旅でもするかのぅ?悪くない」
「いや、俺は一回故郷へ帰るよ。それから王国にも戻らないとな」
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