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チュートリアルクリア
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「加奈ちゃんシェフだったんだ」
学校が終わりすぐにゲームをはじめ三人はストロベリアムの転移門で待ち合わせた。
まず病院にいた瑠璃子が一人ストロベリアムの転移門で待っていて、そこに真司が現れて、少し遅れて加奈子が現れた。
シェフを象徴するコック帽にエプロンを改造したような白の皮鎧を加奈子は着ていた。
「うん、シェフだよ。こっちでもお茶やってるの」
「へ~ゲーム内でもお茶やるなんてあるんだな」
「最近拡張パックで追加されたヒノモトエリアには千利休のお茶室があるんだよ。そこまでいったらお茶を点ててあげるね」
上級者向けのエリアとして追加されたヒノモトエリアでは大阪城や江戸城などかつての名城を再現したり、江戸文化を再現した都市があったりと一大テーマパークとなっている。
「ヒノモトってどんくらいから行けるんだっけ?」
「レベル60だね」
「60か~先は長いな」
「よし、がんがんレベルを上げるのだ」
瑠璃子がこぶしを突き上げる。いいレベル上げ目標ができたなと真司は思った。
SEXOでは80レベルが一つの区切りとなっており、80レベルで各クラスの最終奥義を覚えれば、ひとまずスキルは完成する。
レベルは99まで用意されているが、80レベルから極端に必要経験値が多くなる。その上80からはステータスを上昇させるパッシブスキルしか上がらずわずかしか強くならない。
80レベルまでのレベリングは早い人で三か月から半年、一般のプレイヤーがおよそ一年かけてなるレベルだった。
「よし、じゃあ、チュートリアル終わらせよっか」
「おー」
春のうららかな午後の陽射しの中三人は攻略を始めた。
加奈子のゲームプレイは的確だった。
初心者支援用のメンターシステムで一時的に真司たちと同じレベルになっても、そこそこにレベルが上がっている加奈子は強かった。
シェフは自分の能力をフードバフと言う強化魔法がかかる料理で上げると、一時的に冒険者クラスと同等の戦闘能力を得ることができる。
加奈子の持っていた強化料理はそこそこにお金がかかった高級品で、ハーブティーで魔法力を上げ攻撃魔法をうっていた。
前衛は真司のソードマンが守り、バックアップとヒールを瑠璃子、殲滅を加奈子がやるというバランスの良い編成で、ストロベリアムを狙う悪いゴブリンをどんどんやっつけていった。
ストロベリー男爵の命を狙う、ゴブリン山賊団の頭も三人の手によってあっという間に討伐された。
10時間はかかるかと見込まれた初期村の残り半分のクエストは、2時間半程度で終わってしまった。
瑠璃子と真司だけではこうはいかなかっただろう。
「ストロベリアムの村メインクエストクリア~やったね」
瑠璃子がピョンピョンと飛び跳ねて喜びをあらわにした。
「それにしても瑠璃ちゃんって運動神経良いんだね。麻痺が無ければスポーツで良いところまでいったかもね」
褒められて瑠璃子はすっかり天狗になった。
「よっしゃ! イチゴの庭亭で打ち上げするぞ」
「次はニラそばを制覇するのだ~」
三人は意気揚々と村の宿屋へと向かった。
昨日と同じように個室へ入るとまずはレモン牛乳で乾杯した。
「う~ん、労働の後のレモン牛乳は身体に染みるのだ」
瑠璃子は小さなお口でコクコクとレモン牛乳を飲んで、プハーと息をついた。
「なんだかビール飲んだおっさんみたいだな」
そんなやり取りがツボにはまったのか加奈子は面白そうに笑い転げた。
VRフードは注文すると即座に出てくる。それこそ究極のファーストフードと言ってよかった。
個室の隅に控えているNPCのウェイターに注文する。ウェイターは厨房へ消えるとすぐニラそばをもって戻ってきた。
「おお~これがニラそばか」
「すご~い、ニラがいっぱいだぁ」
栃木県鹿沼の名物料理ニラそば、その名の通り茹でたニラが大量にのったそばだ。
昔、そばの薬味のネギが貴重品だったころ、代用のために栃木名産のニラをのせたのが始まりと言われる。
「地味な料理だけどクセになる美味しさなんだよ」
「いただきま~す」
まず瑠璃子がニラとそばを器用に手繰(たぐ)りだしの効いた麵つゆにつけて食べた。
「う~ん、ニラのシャキシャキ感とおそばの甘みが最高だねぇ」
「おっ、確かにこれは美味い」
「でしょ?」
三人は夢中になってニラそばを食べた。瑠璃子は小盛の一枚で満足したが、真司は並盛を二枚も食べた。
そんな二人の姿を加奈子は嬉しそうに見つめていた。
「食後にお茶はどう?」
「飲みた~い」
加奈子は小脇に抱えていたバックから、例のイチゴジャムのお姉さんが使っていたような小型のストーブを取りだして、クッカーでお湯を沸かした。
「これ、特製のほうじ茶だよ」
「わあぁ~良い匂い」
湧いたお湯にお茶のパックを入れると香ばしい芳香が漂った。
いつも飲んでいる加奈子の美味しいお茶だった。
「加奈ちゃんのお茶と言うと変な薬草茶を思い浮かべるな」
真司が妙にしみじみとそんな言葉をこぼす。
「いつも、実験台にしてるもんね」
瑠璃子がさも面白そうに笑った。
「加奈ちゃんのお茶に対する探究心はすごいもんな」
この日はお茶を飲みながら後は談笑して過ごした。
とてもくつろいだいい時間を作る。加奈子のお茶にはそんな力があった。
昨日のエッチの後に続き、今日も瑠璃子は良い夢を見ながら眠りにつけたのであった。
学校が終わりすぐにゲームをはじめ三人はストロベリアムの転移門で待ち合わせた。
まず病院にいた瑠璃子が一人ストロベリアムの転移門で待っていて、そこに真司が現れて、少し遅れて加奈子が現れた。
シェフを象徴するコック帽にエプロンを改造したような白の皮鎧を加奈子は着ていた。
「うん、シェフだよ。こっちでもお茶やってるの」
「へ~ゲーム内でもお茶やるなんてあるんだな」
「最近拡張パックで追加されたヒノモトエリアには千利休のお茶室があるんだよ。そこまでいったらお茶を点ててあげるね」
上級者向けのエリアとして追加されたヒノモトエリアでは大阪城や江戸城などかつての名城を再現したり、江戸文化を再現した都市があったりと一大テーマパークとなっている。
「ヒノモトってどんくらいから行けるんだっけ?」
「レベル60だね」
「60か~先は長いな」
「よし、がんがんレベルを上げるのだ」
瑠璃子がこぶしを突き上げる。いいレベル上げ目標ができたなと真司は思った。
SEXOでは80レベルが一つの区切りとなっており、80レベルで各クラスの最終奥義を覚えれば、ひとまずスキルは完成する。
レベルは99まで用意されているが、80レベルから極端に必要経験値が多くなる。その上80からはステータスを上昇させるパッシブスキルしか上がらずわずかしか強くならない。
80レベルまでのレベリングは早い人で三か月から半年、一般のプレイヤーがおよそ一年かけてなるレベルだった。
「よし、じゃあ、チュートリアル終わらせよっか」
「おー」
春のうららかな午後の陽射しの中三人は攻略を始めた。
加奈子のゲームプレイは的確だった。
初心者支援用のメンターシステムで一時的に真司たちと同じレベルになっても、そこそこにレベルが上がっている加奈子は強かった。
シェフは自分の能力をフードバフと言う強化魔法がかかる料理で上げると、一時的に冒険者クラスと同等の戦闘能力を得ることができる。
加奈子の持っていた強化料理はそこそこにお金がかかった高級品で、ハーブティーで魔法力を上げ攻撃魔法をうっていた。
前衛は真司のソードマンが守り、バックアップとヒールを瑠璃子、殲滅を加奈子がやるというバランスの良い編成で、ストロベリアムを狙う悪いゴブリンをどんどんやっつけていった。
ストロベリー男爵の命を狙う、ゴブリン山賊団の頭も三人の手によってあっという間に討伐された。
10時間はかかるかと見込まれた初期村の残り半分のクエストは、2時間半程度で終わってしまった。
瑠璃子と真司だけではこうはいかなかっただろう。
「ストロベリアムの村メインクエストクリア~やったね」
瑠璃子がピョンピョンと飛び跳ねて喜びをあらわにした。
「それにしても瑠璃ちゃんって運動神経良いんだね。麻痺が無ければスポーツで良いところまでいったかもね」
褒められて瑠璃子はすっかり天狗になった。
「よっしゃ! イチゴの庭亭で打ち上げするぞ」
「次はニラそばを制覇するのだ~」
三人は意気揚々と村の宿屋へと向かった。
昨日と同じように個室へ入るとまずはレモン牛乳で乾杯した。
「う~ん、労働の後のレモン牛乳は身体に染みるのだ」
瑠璃子は小さなお口でコクコクとレモン牛乳を飲んで、プハーと息をついた。
「なんだかビール飲んだおっさんみたいだな」
そんなやり取りがツボにはまったのか加奈子は面白そうに笑い転げた。
VRフードは注文すると即座に出てくる。それこそ究極のファーストフードと言ってよかった。
個室の隅に控えているNPCのウェイターに注文する。ウェイターは厨房へ消えるとすぐニラそばをもって戻ってきた。
「おお~これがニラそばか」
「すご~い、ニラがいっぱいだぁ」
栃木県鹿沼の名物料理ニラそば、その名の通り茹でたニラが大量にのったそばだ。
昔、そばの薬味のネギが貴重品だったころ、代用のために栃木名産のニラをのせたのが始まりと言われる。
「地味な料理だけどクセになる美味しさなんだよ」
「いただきま~す」
まず瑠璃子がニラとそばを器用に手繰(たぐ)りだしの効いた麵つゆにつけて食べた。
「う~ん、ニラのシャキシャキ感とおそばの甘みが最高だねぇ」
「おっ、確かにこれは美味い」
「でしょ?」
三人は夢中になってニラそばを食べた。瑠璃子は小盛の一枚で満足したが、真司は並盛を二枚も食べた。
そんな二人の姿を加奈子は嬉しそうに見つめていた。
「食後にお茶はどう?」
「飲みた~い」
加奈子は小脇に抱えていたバックから、例のイチゴジャムのお姉さんが使っていたような小型のストーブを取りだして、クッカーでお湯を沸かした。
「これ、特製のほうじ茶だよ」
「わあぁ~良い匂い」
湧いたお湯にお茶のパックを入れると香ばしい芳香が漂った。
いつも飲んでいる加奈子の美味しいお茶だった。
「加奈ちゃんのお茶と言うと変な薬草茶を思い浮かべるな」
真司が妙にしみじみとそんな言葉をこぼす。
「いつも、実験台にしてるもんね」
瑠璃子がさも面白そうに笑った。
「加奈ちゃんのお茶に対する探究心はすごいもんな」
この日はお茶を飲みながら後は談笑して過ごした。
とてもくつろいだいい時間を作る。加奈子のお茶にはそんな力があった。
昨日のエッチの後に続き、今日も瑠璃子は良い夢を見ながら眠りにつけたのであった。
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