碧よりも青く

ハセベマサカズ

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碧よりも青く ⑫ <完結>

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家に帰ってからも気持ちが落ち着かない。頭の整理が追い付かないんだ。
今日はたくさんの事があり過ぎた。まるで今までの人生が一日に凝縮されたような。
なんだろう。気がはやる。まるで熱でもあるみたいだ。
ベッドにうつ伏せで寝てはみたものの落ち着かないで変な寝返りばかりを打ってる。
きっと疲れているんだ。今日は頭を使い過ぎた。
このまま眠ってしまおう。力を抜いて目を閉じる。
朝になればきっとこの気持ちも落ち着く。頭もまとまるはずだ。
そうすればいつもの朝がやってくる。
いつもと同じ一日が始まる。
いつもと同じ日。私が安心出来るように。
でもそれが少しだけ違った日であればいいな。

いつもと同じく放課後にヘイタはやってくる。
松葉杖にも慣れてきて鞄も自分で持てるようにはなっていた。
けど、後3ヶ月はヘイタに甘えていよう。
使えるものは使った方が良いし。その方がこいつも罪の意識が薄まるだろう。
贖罪の手伝いにヘイタに我がままでも行ってみようと思った。
「ねえ、ちょっとそこに寄ってよ」

学校帰りに買い物したのは手帳だった。
今日からに日記を付けよう。毎日を記録するために。
そうしたら毎日の変化に気付くかも知れない。
いざ書き始めてみると言葉に置き換えるのはななかなかの困難だったのだが。
だけど、これを毎日続けたら、もっと上手に言葉を伝えれるようになるだろうか。
毎日は少しずつ変わってく。
私はぼんやりと、あの教師の言葉を思い出してた。
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