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第11章 パペット・パニック!
つうこんのいちげき!
しおりを挟むホームに戻った俺たちは、マリアたちを呼んでギルド会議に入った。
「マリア、まずはこれを渡しておこう。今回のダンジョンで見つけた希少金属の数々だ。ギルドには報告せずにくすねたやつだから、気を付けろよ」
「わーお、お宝じゃないか。珍しいね、インギーがこんな真面目なことをするなんて。お酒が足りないんじゃない?」
「茶化すな、マリア。技術面ではお前を頼りにしてるんだ、頼むぞ」
「へーいへいっと。で、私はどんなものを作ればいいの?」
「遠距離から攻撃できる自動銃かな。据え付け式でかまわん」
遠距離だって? マリアは首をかしげる。
「えと、よくわかんないけど、魔法じゃダメなの? もう少し具体的に、スペックとかを教えてもらえれば助かるんだけど」
うむ、そうだな。俺は少し考え、控えめに告げる。
「機械式の自動銃だ。毎分200発前後の弾丸が発射できて、有効射程距離は300から500メートル程度。もちろん最初はプロトタイプでかまわないが、ゆくゆくは小型化と量産を……、ん、どうした?」
「「「そんなもん、あるわけないでしょーーー!!」」」
全員から一斉にツッコミが入る。ううむ、魔法があるなら何とかなると思ったのだが、甘かったようだ。
「イングウェイさん、何でいきなりそんな物騒なこと言い出すんですか? らしくないですよー?」
「い、いや、相手も似たような武器を持ってくるかもしれないからな。警戒のために」
ううむ。どうも先日からサクラの顔を見るとびくびくしてしまうのだが、原因はわからない。
やはりダンジョン探索でサクラをハブったときのぎくしゃくが、無意識に後を引いているのだろうか。
「まあ、インギーが言うんですから、きっと何か考えがあってのことでしょう? こないだの襲撃のこともありますし」
「でも、そんな強力な武器が必要なほど、強力な敵なの? 伝説の魔王とでも戦うつもりかい?」
「そうなるかもしれないから、困っているのだ」
ウージーを手に突撃してくる魔王。ううむ、怖いのかギャグなのか、いまいち判断に困るな。
魔法で対抗するなら、砂嵐系の術が有効かもしれん。視界も遮れるし、砂を噛んでジャムも誘発できるかも……。
ウージー? なんだ、それは。突如俺の頭の中に浮かんだ単語に、俺自身が困惑した。
だがそれを考えている暇はなかった。
どだだだっと大型の猫が走ってくるような音が響いてきたからだ。
「イングウェーっ、帰ってるって聞いたにゃーんっ!」
「フィッツ、どうしたのさ、そんなに泣きそうな声を出して」
今のって、泣きそうな声だったのか。さっぱりわからん。それよりも乱暴に蹴り飛ばされた扉のほうが気になるのだが。壊したら、レイチェルに小言を言われるのは俺なんだぞ。
「にゃにゃーん、イングウェイ、修行するにゃ! みーに何か必殺技を教えるにゃん!」
「よしよし、落ち着いてー」
獣娘め、説明という単語はお前の中に無いのか。
サクラが優しく聞き出したところ、どうやら街でケンカをした男にあっさりとやられてしまったらしい。
……ちょっと待て。やられた、だと? 信じられん。
「そうにゃ、こっちの攻撃はなんかわかんないけどスカされて、さっぱりだったにゃん。ものすごくストレスがたまる負け方だったにゃん」
よくわからんが、性格悪そうな相手だということは伝わったぞ。
「フィッツ、そういうタイプの相手に必殺技で対抗しようっていうのは、たぶん逆にやばいよ。地道に基礎を鍛えないと」
「くー、でも、ちょー悔しいにゃんっ!」
サクラの冷静なアドバイス。キャスリーやマリアもうんうんと頷いていた。
フィッツは野生の血が濃いため、動きは速いが読みやすい。まずはそのへんを何とかしないことには、いくら必殺技を身につけてもなあ。
とはいえ、そもそもフィッツをあしらうということがまず、普通の人間にできることではない。
おそらく、相当の手練れだ。
どんな奴なのか、にわかに興味がわいてきた。フィッツの鍛錬もいいが、少し街を探してみるか。
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