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暖かくて柔らかい気持ち

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秋晴れの穏やかな昼下がり

駅前のベンチに1人、暖かさに包まれていた


iPhoneをいじっていると、意外にもアナタは時間通りに私の前に現れた

白のVネック七分袖にタイト目なブラックジーンズ
ユウ君の私服は初めてで、スラッとしたスタイルに目が奪われて頬が熱くなるのが分かる
あぁ、、、やっぱり素敵な人(//∇//)

キュン死(・・・死語か)

恥ずかしさに俯く私をアナタが左下から覗き込む
「お待たせしました、行きましょ?」
私は赤らむ顔の温度を両手で必死に下げる
「全然、待ってないよ、行こっか(〃ω〃)」

温度の下げ方は、社長の覗き込みを思い出して強制的に
同じ仕草なのにこんなにも違うものか

映画館までは歩いて直ぐ

上映は泣き活の話しをしてたから、先生


チケットを買って
観ながらのモノを買う

アナタはポップコーンと烏龍茶のセット
私はアイスコーヒーだけ

上映まで少し時間がある
「えっ!もう食べちゃうの?」
「あはは、ちょっとだけね、食べます?」
「大丈夫^ ^甘いの苦手だからね、そうそう、内容によっては、私、引くくらい泣くかもしれないけど、気にしないでね?」
「大丈夫ですよ!ハンカチ貸しましょうか?」
「持ってますー!」

時間になって、2人、半券がもぎられ席に着く
周りにお客さんはあまり居ない

このところ色々考えて、何も喉を通らなかったのもあって、静かな館内でお腹が鳴っちゃったの

しかも何回も

「グ、グー・・・」

う~、恥ずかしい(TT)



後半は泣きっぱなし


ねぇ、アナタも泣けた?



帰りは風が出てきて、ちょっと肌寒くなってた

「いきなり寒くなっちゃったねー」
手に持っていたカーディガンを着る

こんなとき、恋人同士ならもっと近寄れたんだろうなぁ(´・ω・`)

隣に居るのに距離を感じてしまう

あ~ぁ、私もすずちゃんみたいに可愛いければ愛されるのになぁ~
正反対って感じだし年も倍程違うしね
とほほ・・・

でも肩くらい抱いてよー!



道中の電車で謝罪(◞‸◟)
「お腹何回も鳴っちゃってごめんね!」

アナタは笑ってたよね>_<
「おなかすいたんですね^ ^」

「お腹空いた訳じゃないの!もう、なんでか!」

「はいはい、お寿司楽しみですね^ ^」

「もう!・・・映画、泣けたわ!引かなかった?泣けた?」
「ええ、泣いちゃいました」
「ほんと?泣いてたなんて分かんなかった・・・」
自分が涙を拭うのにいっぱいだったからアナタの表情は分からなかった


お寿司屋さんに予約時間通り到着

生ビールと緑茶割りで乾杯する
「お腹空いてたもんねーψ(`∇´)ψ」
とか、2人とも食べ慣れない懐石には何だかんだ言ったりで笑いながら食事を楽しんだ^ ^
「こういうのは日本酒が良いんだけどねぇ~、回っちゃうからね」
「ですね!」
「これってどう食べるんですかね?」
創作料理の小鉢を手に取り不思議そうに眺めている
「う~ん、この匙でいただくのかしらね?」
天ぷらを美味しそうに食べている
「これも食べる?」
「大丈夫ですよ^ ^食べてください、お腹空いてたでしょ?」
「もう!違うの!いっぱいは食べられないから食べて!」
でもナスには手をつけていない
「ナス嫌いなの?」
「ダメなんです・・・」
お浸しのナスを一口
「うん、これは私もダメ!テッサ追加しちゃおっか!食べる?」
「良いですね!フグはじめてです!」
お互い笑顔で食事を楽しむ


私は隠し事やウソが苦手だから、正直なことだけを話した

アナタを好きになった理由を
「私がアナタを好きになった理由知ってるー?」
「・・・?」
「切っ掛けはユウ君が私の傘に入ってきたからだよー!」
って


でも、
照れ隠しで茶化しながら言うから本気には取られないんだよねー(^^;;
「なぁーんてね、そういうことすると惚れちゃうかもよっ?」って
「そうだ、ゲーム制作したいって言ってたけど、漫画家さんなら紹介できるわよ?」
「ホントですか!」


あぁ、ただ、ただ愛おしい時間


お寿司屋さんを出てBARへ

裏路地から向かったけど、そんなガードレール飛び超えなくてもこっちから通れますよー(笑)


今日は終始楽しかった

店長も
「楽しんでこられたみたいですね^ ^」
「泣けたわ~」
「お食事されて来られたんですね」
「お寿司イマイチだったね!」
「そうそう!ナスがね!」
2人だけの共通認識に向き合い笑う


酔って懲りずに
「好きっ!(笑)」
なんて言っちゃって(//∇//)
「キャハハ!はい、注いで!」
って茶化しつつもノートン赤は1本半
いや、ほぼ2本空けました
ユウ君もちょっと飲んだもんね^ ^

アナタはずっと笑顔を返してくれたねっ


そして、
楽しい時間はすぐに過ぎ去る


悲しいかな、やっぱり今日も送ってはくれないのね
お互いBARから出れば別々の道だから
前に「直ぐ近くだから大丈夫!」って言ったのもあるけどね


帰って、冷たい部屋と熱いシャワーが冷静さを取り戻させる
ベッドに転がり込むと嬉しかった想いと、逆に自己嫌悪にも陥る
「今日はありがとうございました、好き好き言ってごめんなさい」
LINEを送り、アナタを想いつつ眠った




「おはようございます!こちらこそ昨日はありがとうございました、私も好きなので大丈夫b」




!!!

起き抜けにベッドの上で正座になって硬直
背中が震える


本気にしちゃうぞ?(//∇//)



嬉しくて、何度も読み返しちゃった


・・・

・・・

・・・


\(//∇//)\


う、

嬉しすぎる!!!



でも、

イケないっ!


シラフで考えると・・・



イケない恋の予感、、、
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