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揺れる想い

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急に怖くなって考え混んでしまう


今までは私がユウ君を一方的に好きなだけだったから、

ただ、それだけで、

ただ、少し会えるだけで良いと思ってた


ノリで返してくれただけだよね?って思い込みながらも


本当にユウ君が私を好きになったら、なんて考えるけど、ユウ君は若い
私のことなんて本気で好きになる訳がない
また、捨てられたりって、辛い未来が待っているだけだよ




異性として好きって言ってくれてる訳じゃないよね?って思い込みながらも

本当にユウ君が私を好きになったら・・・


抱きしめられたいし、抱きしめたい


ユウ君に触れたこともないのに、

手を繋いで歩きたい



でも、イケないことだよね

若いアナタの未来を奪うことはしちゃいけないよね



でも、本音はそうしたい、

けど、そうしちゃイケない



答えは分かってた



これ以上、踏み込まない


悲しいけど、

そうするしかない、

でも・・・




想いの錯誤の迷路に迷い

翌週

ユウ君の気持ちを確かめたくてBARへ行った



けどね、


人の思いを察るのって難しい、

というかムリ


「好き」の意味を聞き出すことなんて到底できる訳なかった


「こんばんは!空いてます?」
「いつも空いてますよ^ ^」
店長はいつも通りユウ君の隣に誘導してくれる
「こんばんは、この前は楽しかったですね!」
「私ったら酔って変なことばっかり言ってごめんねー」
「大丈夫ですよ!今日はお連れ居ないんですね、僕も1人なんで一緒に飲みましょ!」
いつも通り、アナタは山崎をロックで、私はノートンをカチ割りで
アナタはいつも通りの笑顔で接してくれた
その目がなくなる綺麗な笑顔がたまらなく好き・・・


結局、他愛もない話しを繰り返す
「映画良かったですねー!普段も恋愛ものばっかですか?」
「泣きたいときは、たまにね、でも大体はアクションものとかかなぁ」
「アクション系、僕も好きなんですよ!marvelとか面白いですよね!」
「私marvel作品は全部観てるわよ?」
「マジっすか!何が面白いですか?」
何気ない会話でも鼓動が聞こえてしまうんじゃないかと思って恥ずかしくなる

「歌でも歌いますか!」
歌えるBARっ珍しいでしょ?
結局はいつもの様に楽しく飲むだけの2人
アナタは先日の映画、先生のエンディングで流れた歌ウサギとヒロインを
私はDarlingを(恥ずかしいから誰の曲かは調べないでね)
アナタの歌は上手な訳じゃないけど可愛らしくて好き^ ^

私?
想像にお任せします・・・

けど、最後はいつも、やさしい気持ちでを
容姿も歌声も似てるって評判なんだから(笑)


ユウ君の真意は分からないまま、冷たい部屋に帰る

ついさっきまで、あんなにドキドキして、あんなに嬉しかったのに・・・
1人になると一気に酔いが覚めて自己嫌悪に陥って悲しくなる
シャワーでメイクを流して落としても、溢れる涙は流しても止まらなかった
アナタが好きだけど、こんなに年の差がある若いアナタを好きになるのが悪くて
怖くて・・・
私は何がしたいの?
アナタはどう想ってるの?



翌日

目を腫らして出社する
普段はコンタクトだけど、たまにメガネだから、むくんだまぶたをカバーできるかな・・・
でも、固い印象になっちゃうから好きじゃないんだけどね

案の定、部下から話しかけられることは少なかったけど
「何か今日、機嫌悪いですか?」
書類を持ってきたユキからはそんなことを言われたっけかな
でも、1日デスクで書類審査とデータ整理すれば明日は土曜日
無言でカリカリ処理して定時には帰れる見込みがついた


週末って社内にいると必ず飲みに行かなきゃいけないかなぁ・・・
ナオ先輩と私の側近セイコが声をかけてきた
「飲み行くよ!もう!見てられない!」

社内では気丈に振る舞う私でも溢れてきそうになってしまった
危ない危ない


馴染みのお店
厚切りのお刺身が美味しいし、サービスが良い
「今週もお疲れさまー!かんぱーい!」
生ビールで乾杯から、いきなり
「どうしたの?何かあったでしょ?」
この人たちは良く見てるのよねぇ
私は想いを正直に話した
2人は付き合いも長いし私の過去も知っている
答えなんか出はしない
ただ話をしてスッキリしろって
結局は
「で、どうしたいの?」
だったけどね

私自身、どうしたいのか分からない

どうにも何も、

どうすることも出来ない


球体の上で何とかバランスを取っているようで
どこへ手を伸ばしてもそこから転げ落ちてしまう気がする


転げ落ちた先で、ユウ君を傷つけ、悲しませたくないし
その原因が私であって良い訳がない!


正直な想いを打ち明けられる数少ない友人2に話しをしてもスッキリはしなかった

「ヤッちゃえば?」
「あのねぇ、そんなこと出来るわけないでしょ!そもそも若い子が私を抱きたいと思う?」
「それは分からないよ?アンタ、ブスじゃないし胸だってあるじゃない?」
隣に座るセイコが私の左チチを掴む
「Eカップです、まだ闘えます!」
普段ならツッコむけどスルーして溜め息と共にグラスへと手を伸ばす
「重症か!」
2時間飲んで何だかずっとむくんでるから帰宅することにした


メガネだけ外してベッドへたおれこんだけど眠れずにアナタのことを考えてしまう

人恋しいこの季節だから?

余計にもの想いに耽ってしまう夜を
幾度となく繰り返す




アナタのことを想わない日はなかった

でも、同時に、これ以上踏み込まないようにと、心のセーブに努めた


BARでアナタに逢っても、これ以上アナタへ踏み込まないようにね・・・



それでも眠れない夜は何もしてないと考え混んでしまって、悲しくなって涙が出てくる( ;  ; )

ホットアイマスクが前夜の悲しみを隠してくれるから、もう3つもある
今度は電子式を買おうかな?



季節は食欲減退の秋から冬へと移って行く
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