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聖夜への約束
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一年間なんてあっという間
師走は忙しい
日々が目まぐるしく過ぎて行く
私にとっては想いこむ時間が削がれるから、ちょっとだけ助かるけどね
いつも突然、連絡はやって来る
23日、夜中
「今、起きてますか?」
「お久です、起きてますよ?」
「25日ってお暇ですか?」
「お暇ですよ?」
クリスマスだよ?と思いつつ返した
「今お電話良いですか?書くと長くなるので電話で相談させて下さい」
出来る限り心を鎮めて電話を待つ
「夜中にすみません」
「どうしたの?」
「相談がありまして・・・友人の知り合いのお店なんですが、クリスマス限定スタッフを募集してて、かき集めなんですけどね、お客さんも呼ばなきゃいけないって、良く分からないシステムなんです、で、頼める人が居なくって、付き合っていただけませんか?」
「良く分からないシステムね、大丈夫?」
「僕も良く分かりません、ちょっと不信感もあるんですよね・・・お店、20時からなんで、それまでご飯でも行きませんか?」
「分かった、良いわよ^ ^じゃあ、私は仕事終わったらLINE入れるわね」
「良かったぁー、ありがとうございます!」
「そこら辺は前に住んでたから調べとくわ」
「助かります!」
私は会えるってだけでOKしたんだけどね
素敵な声と電話しつつ
時計は既に24日を向かえていた
その街は今も付き合いが続いている色々な業界の知り合いが多い
街の重鎮や事情通にも聞いたけど、その店あまり良い話しは聞かなかった
特にBARを経営するニシ先輩はこの街を良く知る1人
昔、憧れだったニシ先輩とは20年来の付き合いになる
「そこ、やめた方が良いね、たまに出てくるんだよ、そういうの、店名変えて不払いとか、未だにあるんだよねー、捕まえて締めようか?」
「いやいや、確証ないし、そこまで面倒なことしなくても大丈夫です、ありがとうございます」
昔、憧れだったというか今も素敵な人だとは思う
私の2つ上のニシ先輩は奥さまもいて子供は3人もいる良いパパ
よくタイムラインにアップしているのを目にする、イクメンってやつね
25日当日
当然日中はずっとドキドキしてた
仕事だったからスーツだけどチェスターコートの下はワインレッドのフレアスカート
美容室へは前日に行って色を入れ直したばかり
ちょっと明る過ぎたかな?
仕事終わったら連絡するって約束だったから17:30にLINEを入れる
「仕事終わって、これから会社出るよーどこ行けば良いかなぁ?」
未読のまま30分
まだ仕事中なのかな?
「取り敢えず、あっちの駅向かうわね!」
更に未読のまま30分
「着いたけど、どうしましょう?」
更に更に未読のまま30分
アナタに会えるならと思うと何時間待つのも苦にはならなかったけど
こんな日に駅前で1人佇むのは光景的に堪えるから、カフェへ逃げ込んだ
ブレンドのブラックを啜りながら2階の窓から外を眺めている
クリスマス色きらめく街と2人組を観ていても微笑ましく思える
その後、程なくしてLINEが来る
「わぁあ!ごめんなさい!!!お待たせしてすみません!19:50位に駅着くので一緒に行きましょう?」
「お疲れ様、ご飯の時間はなさそうね?駅で待ってるわね」
19:50を過ぎ
「電車遅れてて、もう少しかかるみたいです」
「そうみたいだね」
「今、お店の名前が変わったって連絡来たんですが・・・」
これか・・・
「その店、断った方が良いよ?知り合いに聞いたけど、あまり良いウワサないよ?」
20時を過ぎたころ
電話が鳴る
「断りましたっ、なんだかイライラしたから、ご飯行きません?」
電話を片手に改札を出てきたアナタはちょっと困った表情で私に駆け寄る
ダークグレーのセットアップスーツ姿に白ワイシャツで今日はブルーストライプのタイを締めている
素敵(//∇//)
ちょっと、呆気にとられて
「はい、何食べたいですか?」
アナタは「イライラしときは肉!」だそうです
焼肉へ
ねぇ、今までの話し、ウソなら良いのに
クリスマスだから逢う口実だったんだって、
私を想ってくれれば良いのに・・・
なんて浅い夢を描いてみたけど、
そんなことは無いんだよね
分かってるよ・・・
私はアナタに逢えたことだけで胸がいっぱいだよ
苦しいからきっと今日も食べられない
「私はそんなに食べられないからねっ?」
なのにアナタはいっぱい頼んでる
「はい、わざわざこっちまでお疲れ様、乾杯!」
生ビールとモンペラルージュで乾杯
飲みながら、お肉が来るまで少し
「断って大丈夫だったの?」
「ええ!結局、友人も断ったらしいので、何だったんですかね、いったい!」
私はニシ先輩の受け売りで話しをした
「そうなんですね、断って正解だったかもですね、ありがとうございます!」
サラダを取り分けてあげていると、ゲタの上にザルでお肉たちが届く
1㎏はありそう^ ^;
「頑張って食べてね^ ^」
「頼み過ぎましたね・・・一緒に食べてくださいよー」
勧められても私は2切れで十分
結局頼んだ半分も食べ切れない(^^;;
おっ!牛タンは全部いったか‼︎
隣の男子大学生数名に
「お兄ちゃんたち、悪いんだけどコレ食べないかい?殆ど手付けてないからさ」
「良いんすか?ありがとうございまーす!やったぜークリスマスプレゼントなかったもんなぁー」
私もアナタも笑顔になる
ねぇ、今日はクリスマスだよ?
ホントに私と過ごしてて良いの?
私はユウ君にちょっとしたプレゼントを用意していた
昨日すごく悩んで買ったネックレス
渡すとき、照れないように
「いつもお世話になってるからねっ」
って
「えー!ありがとう‼︎」
タイを外して直ぐに付けてくれた
私が見たかったアナタの笑顔は最高のお返しだね(//∇//)
師走は忙しい
日々が目まぐるしく過ぎて行く
私にとっては想いこむ時間が削がれるから、ちょっとだけ助かるけどね
いつも突然、連絡はやって来る
23日、夜中
「今、起きてますか?」
「お久です、起きてますよ?」
「25日ってお暇ですか?」
「お暇ですよ?」
クリスマスだよ?と思いつつ返した
「今お電話良いですか?書くと長くなるので電話で相談させて下さい」
出来る限り心を鎮めて電話を待つ
「夜中にすみません」
「どうしたの?」
「相談がありまして・・・友人の知り合いのお店なんですが、クリスマス限定スタッフを募集してて、かき集めなんですけどね、お客さんも呼ばなきゃいけないって、良く分からないシステムなんです、で、頼める人が居なくって、付き合っていただけませんか?」
「良く分からないシステムね、大丈夫?」
「僕も良く分かりません、ちょっと不信感もあるんですよね・・・お店、20時からなんで、それまでご飯でも行きませんか?」
「分かった、良いわよ^ ^じゃあ、私は仕事終わったらLINE入れるわね」
「良かったぁー、ありがとうございます!」
「そこら辺は前に住んでたから調べとくわ」
「助かります!」
私は会えるってだけでOKしたんだけどね
素敵な声と電話しつつ
時計は既に24日を向かえていた
その街は今も付き合いが続いている色々な業界の知り合いが多い
街の重鎮や事情通にも聞いたけど、その店あまり良い話しは聞かなかった
特にBARを経営するニシ先輩はこの街を良く知る1人
昔、憧れだったニシ先輩とは20年来の付き合いになる
「そこ、やめた方が良いね、たまに出てくるんだよ、そういうの、店名変えて不払いとか、未だにあるんだよねー、捕まえて締めようか?」
「いやいや、確証ないし、そこまで面倒なことしなくても大丈夫です、ありがとうございます」
昔、憧れだったというか今も素敵な人だとは思う
私の2つ上のニシ先輩は奥さまもいて子供は3人もいる良いパパ
よくタイムラインにアップしているのを目にする、イクメンってやつね
25日当日
当然日中はずっとドキドキしてた
仕事だったからスーツだけどチェスターコートの下はワインレッドのフレアスカート
美容室へは前日に行って色を入れ直したばかり
ちょっと明る過ぎたかな?
仕事終わったら連絡するって約束だったから17:30にLINEを入れる
「仕事終わって、これから会社出るよーどこ行けば良いかなぁ?」
未読のまま30分
まだ仕事中なのかな?
「取り敢えず、あっちの駅向かうわね!」
更に未読のまま30分
「着いたけど、どうしましょう?」
更に更に未読のまま30分
アナタに会えるならと思うと何時間待つのも苦にはならなかったけど
こんな日に駅前で1人佇むのは光景的に堪えるから、カフェへ逃げ込んだ
ブレンドのブラックを啜りながら2階の窓から外を眺めている
クリスマス色きらめく街と2人組を観ていても微笑ましく思える
その後、程なくしてLINEが来る
「わぁあ!ごめんなさい!!!お待たせしてすみません!19:50位に駅着くので一緒に行きましょう?」
「お疲れ様、ご飯の時間はなさそうね?駅で待ってるわね」
19:50を過ぎ
「電車遅れてて、もう少しかかるみたいです」
「そうみたいだね」
「今、お店の名前が変わったって連絡来たんですが・・・」
これか・・・
「その店、断った方が良いよ?知り合いに聞いたけど、あまり良いウワサないよ?」
20時を過ぎたころ
電話が鳴る
「断りましたっ、なんだかイライラしたから、ご飯行きません?」
電話を片手に改札を出てきたアナタはちょっと困った表情で私に駆け寄る
ダークグレーのセットアップスーツ姿に白ワイシャツで今日はブルーストライプのタイを締めている
素敵(//∇//)
ちょっと、呆気にとられて
「はい、何食べたいですか?」
アナタは「イライラしときは肉!」だそうです
焼肉へ
ねぇ、今までの話し、ウソなら良いのに
クリスマスだから逢う口実だったんだって、
私を想ってくれれば良いのに・・・
なんて浅い夢を描いてみたけど、
そんなことは無いんだよね
分かってるよ・・・
私はアナタに逢えたことだけで胸がいっぱいだよ
苦しいからきっと今日も食べられない
「私はそんなに食べられないからねっ?」
なのにアナタはいっぱい頼んでる
「はい、わざわざこっちまでお疲れ様、乾杯!」
生ビールとモンペラルージュで乾杯
飲みながら、お肉が来るまで少し
「断って大丈夫だったの?」
「ええ!結局、友人も断ったらしいので、何だったんですかね、いったい!」
私はニシ先輩の受け売りで話しをした
「そうなんですね、断って正解だったかもですね、ありがとうございます!」
サラダを取り分けてあげていると、ゲタの上にザルでお肉たちが届く
1㎏はありそう^ ^;
「頑張って食べてね^ ^」
「頼み過ぎましたね・・・一緒に食べてくださいよー」
勧められても私は2切れで十分
結局頼んだ半分も食べ切れない(^^;;
おっ!牛タンは全部いったか‼︎
隣の男子大学生数名に
「お兄ちゃんたち、悪いんだけどコレ食べないかい?殆ど手付けてないからさ」
「良いんすか?ありがとうございまーす!やったぜークリスマスプレゼントなかったもんなぁー」
私もアナタも笑顔になる
ねぇ、今日はクリスマスだよ?
ホントに私と過ごしてて良いの?
私はユウ君にちょっとしたプレゼントを用意していた
昨日すごく悩んで買ったネックレス
渡すとき、照れないように
「いつもお世話になってるからねっ」
って
「えー!ありがとう‼︎」
タイを外して直ぐに付けてくれた
私が見たかったアナタの笑顔は最高のお返しだね(//∇//)
応援ありがとうございます!
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