8 / 19
第一章
7ページ目 新たな旅路
しおりを挟む
あれから2週間。
シャルは、スピカと共に、村の人達の墓を作ってあげた。
墓は、分かりやすいよう村の真ん中に骨を埋めておいたのだった。
ミレイ先生、ピグレ、スモルなどの見知った人たちの名前が刻み込まれた墓石が並んでいた。
「魔王、すまないな、手伝わせてしまって」
「あぁ、他でもない境遇者の頼みだ。後、魔王はやめてくれ、今はスピカよ」
「あぁ、すまんな、スピカ」
最後のお墓を立てる為に、太陽のような花を持って、エルの一番好きな場所で安らかに眠ってもらう為にシャルは丘に登る。
花は少し焦げていた。他の花は、炎で焼けてダメになっていたが、しかし、この花だけは無事でだった。
丘の上には墓が建てられた、
墓の十字架には名前書いてある。
エル=ゾディエッタ 此処に眠る
サリア=クロエ 此処に眠る
シャルは、花を添えて手を合わせ祈る。
それを隣で見ていたスピカは、不思議そうにして、話しかける。
「何をやっているの?」
「ああ、ちゃんと天国に行けるように祈ってあげてるんだ。人の思いってのは、案外届くもんだぞ?」
「ふーん・・・」
そう言って、スピカはシャルの隣に達、同じように祈る。
すると、シャルはその光景をが何だか可笑しく感じた。
何たって、あの多くの人間を殺したあの魔王が、死んだ人間の為に祈ってあげているのだ。
気づけば夕暮れになっていた。
人間になった魔王は、魔王だという事を忘れ去る程、夕暮れに輝く姿は美しく感じた。
シャルはいつの間にか似ても似つかないスピカとエルを重なり合わせ見ていた。
魔王に見惚れるなんて、シャルの心は既に壊れているかもしれない。
でも、それでも良い、今はその美しい姿を見ていたいと思えたのだから。
シャルの視線に気づいたのか、スピカはにやつきながらシャルを見ていた。
「おやぁ?人間が我に見惚れているのか?」
スピカは冗談半分で言うが、シャルは静かに笑う。
「あぁ・・・そうだな、とても綺麗で見惚れていたよ」
「なッ・・・!?」
シャルは、正直な気持ちで、スピカに思っていることを伝える。
本当に今の姿は美しいと思えたのだから。
そんなスピカはシャルにストレートに言われた事で顔が赤くなる。
魔王は人間になったことで感情豊かになったかもしれない、スピカの照れている所は可愛らしいとシャルは思ってしまう。
スピカは何かに気づいたようだ、シャルの顔を見て言う。
「おい、境遇者よ・・・どうして泣いているのだ?」
「え?」
シャルは手で目を擦った。
手を見ると、スピカに言われた通りに涙で濡れていた。
涙がどんどん溢れてくる。
その姿にスピカは慌てふためく。
「あれ・・・なんでだろう、何故なんだ、何で涙が止まらないんだ・・・」
何度も拭っても、涙は止まらなかった、それどころか更に悪化する。
その様子を見たスピカはシャルに近づいて、そのまま優しく抱きしめる。
そんな、唐突な事で硬直する。
「境遇者よ・・・いやシャル、大丈夫だ」
「スピカ?」
抱きしめられたスピカの身体は暖かった。
最近、雨に濡れながら、不眠不休で墓を作り続けたせいなのかスピカの身体が物凄く暖かく感じた。
スピカが人間だからか、肌のぬくもりが久しぶりに感じた。
少し経ってから、シャルから離れる
「シャルよ、この先何があっても、我が一緒にいよう、その運命が自由になる時まで」
「スピカ・・・」
スピカの黄色の目はいつもの悪魔のような目と違って、優しく感じた。
その目を見ると不思議と安心できた、相手が魔王だと知っててもだ。
「人間の身体は少々不便だが、そう簡単には死なんよ」
「ハハ、でも慣れれば色々できるよ」
「そうかもね・・・」
スピカはクスリ笑い話す。
「なぁに、惚れた身だ、最後まで付き合うさ。だからシャル、今は安心して休んで」
そう言って、スピカは再びシャルに抱き着き、頭を優しく撫でる。
そして、心に溜まった水のダムが一気に壊れた。
シャルは大声で叫び、泣き続けた、今度は無音でなくスピカの心臓の音が答えるように、ぬくもりに包まれて。
その声は遠くへ遠くに響き渡ったのだった。
どれくらいたったのか、いつの間にか夕暮れでなく、夜になっていた。
その時にはシャルは落ち着いた。
「さぁ、シャル?落ち着いたか?」
「ああ、迷惑掛けたな」
「いや、いいよ、これも我の役目だ」
そう言って、再びいつもの悪い顔のスピカだった。
シャルはスピカを見て言う。
「しかし、スピカ・・・惚れたって、前世は男じゃなかったのかよ」
「え?我は前世も女だったぞ?」
衝撃の事実だった。いやあの凶悪な見た目で野太い声だったので、未だに信じられなかった。
そんなスピカはジト目で言う。
「何か、失礼な事考えているな?」
「い、いや・・・」
「まぁ、良い、あの姿だから間違えられても無理もない。まぁ今はこんなにも美少女になったのだからな!」
「それは自分で言う事なのか」
何故か自信満々に言うスピカであった。
本格的に暗くなってきたので、シャルの家に戻ることにした。
暗い道を二人で歩きながら話す。
「なぁ、スピカ」
「なんだい、シャル?」
「お前の力って、完全に引き継がれているのか?その魔王の力ってのは」
その話を聞いてスピカは詳しく説明する。
「あぁ、その事なのだが、我の力は完全じゃないぞ」
「そうか」
「あぁ、人間の器だとな、耐えられないんだな、これが」
「ちなみに前世と比べて今の力ってどのぐらいなんだ?」
「そうだなぁ、せいぜい10分1だな、この美少女の肉体と引き換えに大分弱体化したね!」
自分が弱くなったにも関わらず、自分の外見が良ければなんでも良いと感じだった。
余程、前の外見を気にしているようだった。
「そこまで外見をこだわるのか?」
「当たり前だろう?じゃないとシャルが振り向いてくれないだろう?」
そう言われて、改めてみれば同じ10歳にしては、雰囲気が大人っぽくて、スピカの綺麗な紅い髪に整った顔立ちは美少女と頷かせる。
たしかに同年代の男子に、攻められれば簡単に落ちるだろう。
だが、全てを思い出したシャルは精神年齢は上がっている。そのため、スピカはただの子供でしかなかったのだ。
ただ、元のシャルの人格が混ざってしまいスピカに、見惚れてしまうのは事実だった。
その事を考えると、何だか複雑に思うシャルだった。
久しぶりに家に戻ると、いつの間にか血でこびり付いていた部屋は、綺麗になっていた。
「あれ、何時の間に・・・」
「シャルがいない間に綺麗にしておいたわよ」
この魔王は見た目によらず、家庭的なようだ。
すると、何やら良い匂いがする。
「あぁ、そういやご飯も作ったんだった」
「え?スピカが作ったのか?」
「えぇ、そうだけど、食べるかい?」
そう言って、スピカが火をつけて料理を温め直す。
その火をつけるとぐつぐつと音を鳴らすと匂いがテーブルまで届く。
そして、スピカは火を止めて、お玉でお鍋の中にある料理をすくって、お皿の中に入れる。
スピカは二つのお皿を持って、テーブルに置いてシャルに差し出した。
シャルの前に出されたのは、ビーフシチューだった。
「いただきます」
「あ、あぁ、いただきます」
魔王の料理と思うとなんだか少し怖いと思ったのだが、しかし見た目は普通のビーフシチューで匂いも普通だった。
スピカの方を見ると、普通に食べていた。
「どうしたの?食べないの?」
「い、いや・・・」
「毒なんて入ってないわよー」
そう言って、スピカは食べ続けた。
シャルは意を決して、1週間ぶりに口の中に食べ物を入れた。
「美味しい・・・」
「ハハ、そう直接言われるとなんだか照れくさいものだな」
出されたビーフシチューは自然と口の中に次々と運び込まれた。
いつの間にか、お皿の中にあったビーフシチューはなくなっていた。
「スピカ、おかわり良いか?」
「あら、気に入ったの?」
お代わりを頼むと、スピカは嬉しそうに取りに行く。
そして、再びビーシチューが差し出される。
スピカは椅子に座り、シャルを見つめる。
「人間の身体が不便な代わりに、楽しい事が増えたわ。掃除に料理、娯楽とか、前世では我には必要なかったからな」
「なるほど・・・」
シャルは魔族の身体になれば何でもできる分、つまらなく感じていたのだろう。
それを少なからず8000年以上続けていたわけだ。
考えて見ると、なんだか拷問みたいで、嫌な感じがした。
魔王というだけで退治される、なんと不毛な事だ。
それで人間は普通に、楽しんでいるのだから、怒るのは無理もない。
まあ、人を殺すこと事態は間違えなんだけど。
「さて、シャルは今後どうするつもりなの?」
「あぁ、そうだな・・・俺は・・・」
シャルとスピカは今後のどうするかを二人で相談した。
お互いに何をしたいか、何を目的にして生きていくのか
そして翌朝。
「シャルー!起きなさい!!」
カンカンカン!!
鉄同士で叩く音が聞こえる、だけどその音は心地よい音になっていた。
「あぁ、今起きるよ」
昨日の倉庫に取り出した服を着る。
何時もの服と違って、黒コートに小さい鞄を背負う。
着替え終わって、下に降りるとそこには頬を膨らませたスピカが立っていた。
「遅いぞ、シャル」
「すまないな、スピカは準備は出来たか?」
「当たり前だろう?さぁ、行くわよ」
シャルとスピカは家から出た。
家から出れば村の景色が見えた。
もう誰もいない村の景色がただただ続いていた。
「さぁ、スピカ行こう」
「えぇ、行きましょう、シャル」
そうして、シャル達は村とは逆方向の道へ進んだ。
そして、シャルは振り向き言う。
「少しの間、留守にするよ、皆、母さん、そして・・・」
シャルは小さく息を吸って言う。
「エル、この世界を一緒に見ような」
そう、分厚い本を見つめながら呟く
遠くから、スピカの声が聞こえた。
「シャル!早くいかないと先に行くよ!」
そう言って、既に奥の方で手を振ってる"元"魔王がいた。
「ああ、今そっちに行くよ」
そう言って、二人のこの世界の景色を周る旅が始まった。
シャルは、スピカと共に、村の人達の墓を作ってあげた。
墓は、分かりやすいよう村の真ん中に骨を埋めておいたのだった。
ミレイ先生、ピグレ、スモルなどの見知った人たちの名前が刻み込まれた墓石が並んでいた。
「魔王、すまないな、手伝わせてしまって」
「あぁ、他でもない境遇者の頼みだ。後、魔王はやめてくれ、今はスピカよ」
「あぁ、すまんな、スピカ」
最後のお墓を立てる為に、太陽のような花を持って、エルの一番好きな場所で安らかに眠ってもらう為にシャルは丘に登る。
花は少し焦げていた。他の花は、炎で焼けてダメになっていたが、しかし、この花だけは無事でだった。
丘の上には墓が建てられた、
墓の十字架には名前書いてある。
エル=ゾディエッタ 此処に眠る
サリア=クロエ 此処に眠る
シャルは、花を添えて手を合わせ祈る。
それを隣で見ていたスピカは、不思議そうにして、話しかける。
「何をやっているの?」
「ああ、ちゃんと天国に行けるように祈ってあげてるんだ。人の思いってのは、案外届くもんだぞ?」
「ふーん・・・」
そう言って、スピカはシャルの隣に達、同じように祈る。
すると、シャルはその光景をが何だか可笑しく感じた。
何たって、あの多くの人間を殺したあの魔王が、死んだ人間の為に祈ってあげているのだ。
気づけば夕暮れになっていた。
人間になった魔王は、魔王だという事を忘れ去る程、夕暮れに輝く姿は美しく感じた。
シャルはいつの間にか似ても似つかないスピカとエルを重なり合わせ見ていた。
魔王に見惚れるなんて、シャルの心は既に壊れているかもしれない。
でも、それでも良い、今はその美しい姿を見ていたいと思えたのだから。
シャルの視線に気づいたのか、スピカはにやつきながらシャルを見ていた。
「おやぁ?人間が我に見惚れているのか?」
スピカは冗談半分で言うが、シャルは静かに笑う。
「あぁ・・・そうだな、とても綺麗で見惚れていたよ」
「なッ・・・!?」
シャルは、正直な気持ちで、スピカに思っていることを伝える。
本当に今の姿は美しいと思えたのだから。
そんなスピカはシャルにストレートに言われた事で顔が赤くなる。
魔王は人間になったことで感情豊かになったかもしれない、スピカの照れている所は可愛らしいとシャルは思ってしまう。
スピカは何かに気づいたようだ、シャルの顔を見て言う。
「おい、境遇者よ・・・どうして泣いているのだ?」
「え?」
シャルは手で目を擦った。
手を見ると、スピカに言われた通りに涙で濡れていた。
涙がどんどん溢れてくる。
その姿にスピカは慌てふためく。
「あれ・・・なんでだろう、何故なんだ、何で涙が止まらないんだ・・・」
何度も拭っても、涙は止まらなかった、それどころか更に悪化する。
その様子を見たスピカはシャルに近づいて、そのまま優しく抱きしめる。
そんな、唐突な事で硬直する。
「境遇者よ・・・いやシャル、大丈夫だ」
「スピカ?」
抱きしめられたスピカの身体は暖かった。
最近、雨に濡れながら、不眠不休で墓を作り続けたせいなのかスピカの身体が物凄く暖かく感じた。
スピカが人間だからか、肌のぬくもりが久しぶりに感じた。
少し経ってから、シャルから離れる
「シャルよ、この先何があっても、我が一緒にいよう、その運命が自由になる時まで」
「スピカ・・・」
スピカの黄色の目はいつもの悪魔のような目と違って、優しく感じた。
その目を見ると不思議と安心できた、相手が魔王だと知っててもだ。
「人間の身体は少々不便だが、そう簡単には死なんよ」
「ハハ、でも慣れれば色々できるよ」
「そうかもね・・・」
スピカはクスリ笑い話す。
「なぁに、惚れた身だ、最後まで付き合うさ。だからシャル、今は安心して休んで」
そう言って、スピカは再びシャルに抱き着き、頭を優しく撫でる。
そして、心に溜まった水のダムが一気に壊れた。
シャルは大声で叫び、泣き続けた、今度は無音でなくスピカの心臓の音が答えるように、ぬくもりに包まれて。
その声は遠くへ遠くに響き渡ったのだった。
どれくらいたったのか、いつの間にか夕暮れでなく、夜になっていた。
その時にはシャルは落ち着いた。
「さぁ、シャル?落ち着いたか?」
「ああ、迷惑掛けたな」
「いや、いいよ、これも我の役目だ」
そう言って、再びいつもの悪い顔のスピカだった。
シャルはスピカを見て言う。
「しかし、スピカ・・・惚れたって、前世は男じゃなかったのかよ」
「え?我は前世も女だったぞ?」
衝撃の事実だった。いやあの凶悪な見た目で野太い声だったので、未だに信じられなかった。
そんなスピカはジト目で言う。
「何か、失礼な事考えているな?」
「い、いや・・・」
「まぁ、良い、あの姿だから間違えられても無理もない。まぁ今はこんなにも美少女になったのだからな!」
「それは自分で言う事なのか」
何故か自信満々に言うスピカであった。
本格的に暗くなってきたので、シャルの家に戻ることにした。
暗い道を二人で歩きながら話す。
「なぁ、スピカ」
「なんだい、シャル?」
「お前の力って、完全に引き継がれているのか?その魔王の力ってのは」
その話を聞いてスピカは詳しく説明する。
「あぁ、その事なのだが、我の力は完全じゃないぞ」
「そうか」
「あぁ、人間の器だとな、耐えられないんだな、これが」
「ちなみに前世と比べて今の力ってどのぐらいなんだ?」
「そうだなぁ、せいぜい10分1だな、この美少女の肉体と引き換えに大分弱体化したね!」
自分が弱くなったにも関わらず、自分の外見が良ければなんでも良いと感じだった。
余程、前の外見を気にしているようだった。
「そこまで外見をこだわるのか?」
「当たり前だろう?じゃないとシャルが振り向いてくれないだろう?」
そう言われて、改めてみれば同じ10歳にしては、雰囲気が大人っぽくて、スピカの綺麗な紅い髪に整った顔立ちは美少女と頷かせる。
たしかに同年代の男子に、攻められれば簡単に落ちるだろう。
だが、全てを思い出したシャルは精神年齢は上がっている。そのため、スピカはただの子供でしかなかったのだ。
ただ、元のシャルの人格が混ざってしまいスピカに、見惚れてしまうのは事実だった。
その事を考えると、何だか複雑に思うシャルだった。
久しぶりに家に戻ると、いつの間にか血でこびり付いていた部屋は、綺麗になっていた。
「あれ、何時の間に・・・」
「シャルがいない間に綺麗にしておいたわよ」
この魔王は見た目によらず、家庭的なようだ。
すると、何やら良い匂いがする。
「あぁ、そういやご飯も作ったんだった」
「え?スピカが作ったのか?」
「えぇ、そうだけど、食べるかい?」
そう言って、スピカが火をつけて料理を温め直す。
その火をつけるとぐつぐつと音を鳴らすと匂いがテーブルまで届く。
そして、スピカは火を止めて、お玉でお鍋の中にある料理をすくって、お皿の中に入れる。
スピカは二つのお皿を持って、テーブルに置いてシャルに差し出した。
シャルの前に出されたのは、ビーフシチューだった。
「いただきます」
「あ、あぁ、いただきます」
魔王の料理と思うとなんだか少し怖いと思ったのだが、しかし見た目は普通のビーフシチューで匂いも普通だった。
スピカの方を見ると、普通に食べていた。
「どうしたの?食べないの?」
「い、いや・・・」
「毒なんて入ってないわよー」
そう言って、スピカは食べ続けた。
シャルは意を決して、1週間ぶりに口の中に食べ物を入れた。
「美味しい・・・」
「ハハ、そう直接言われるとなんだか照れくさいものだな」
出されたビーフシチューは自然と口の中に次々と運び込まれた。
いつの間にか、お皿の中にあったビーフシチューはなくなっていた。
「スピカ、おかわり良いか?」
「あら、気に入ったの?」
お代わりを頼むと、スピカは嬉しそうに取りに行く。
そして、再びビーシチューが差し出される。
スピカは椅子に座り、シャルを見つめる。
「人間の身体が不便な代わりに、楽しい事が増えたわ。掃除に料理、娯楽とか、前世では我には必要なかったからな」
「なるほど・・・」
シャルは魔族の身体になれば何でもできる分、つまらなく感じていたのだろう。
それを少なからず8000年以上続けていたわけだ。
考えて見ると、なんだか拷問みたいで、嫌な感じがした。
魔王というだけで退治される、なんと不毛な事だ。
それで人間は普通に、楽しんでいるのだから、怒るのは無理もない。
まあ、人を殺すこと事態は間違えなんだけど。
「さて、シャルは今後どうするつもりなの?」
「あぁ、そうだな・・・俺は・・・」
シャルとスピカは今後のどうするかを二人で相談した。
お互いに何をしたいか、何を目的にして生きていくのか
そして翌朝。
「シャルー!起きなさい!!」
カンカンカン!!
鉄同士で叩く音が聞こえる、だけどその音は心地よい音になっていた。
「あぁ、今起きるよ」
昨日の倉庫に取り出した服を着る。
何時もの服と違って、黒コートに小さい鞄を背負う。
着替え終わって、下に降りるとそこには頬を膨らませたスピカが立っていた。
「遅いぞ、シャル」
「すまないな、スピカは準備は出来たか?」
「当たり前だろう?さぁ、行くわよ」
シャルとスピカは家から出た。
家から出れば村の景色が見えた。
もう誰もいない村の景色がただただ続いていた。
「さぁ、スピカ行こう」
「えぇ、行きましょう、シャル」
そうして、シャル達は村とは逆方向の道へ進んだ。
そして、シャルは振り向き言う。
「少しの間、留守にするよ、皆、母さん、そして・・・」
シャルは小さく息を吸って言う。
「エル、この世界を一緒に見ような」
そう、分厚い本を見つめながら呟く
遠くから、スピカの声が聞こえた。
「シャル!早くいかないと先に行くよ!」
そう言って、既に奥の方で手を振ってる"元"魔王がいた。
「ああ、今そっちに行くよ」
そう言って、二人のこの世界の景色を周る旅が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで
六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。
乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。
ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。
有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。
前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる