初級技能者の執行者~クラスメイトの皆はチート職業だが、俺は初期スキルのみで世界を救う!~

出無川 でむこ

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第2章 荒れ狂う極寒の都市『スノーガーデン』編

第47話 探索と日記の話

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俺はその日の夜、再びバルドの家に向うことになった。
今回は人数が多いと目立つから、短刀状態のクレナと俺だけでバルドの家に侵入する事になった。

やはり、騎士団は周りに徘徊していた。
俺は黒いコートに纏い闇に紛れるようにバルドに近づいた。
魔力を使えばすぐに気づかれるだろう、俺は極力魔力を抑え、音を出さないように歩く・・・

バキッ!

(やべっ!)

俺は足元の良く見ていなかったのか、木の枝を踏んでしまった。

「誰だ!!」

騎士は音に気づくとこちらに近づいてくるのが分かる。
騎士との距離が徐々に縮まる、そして、騎士は角を曲がり覗いた。
しかし、そこには誰もいなかった。

「ふむ?気のせいだったか?」

騎士は持ち場に戻った。

(あぶねー・・・!やはり慣れないことをするのはダメだな)

俺は屋根から飛び降りた。
黒姫ノ影を使って、屋根の上に移動して、何とかバレずに隠れ過ごした。
相変わらず、使い勝手が良いスキルだ。

そういや、月ノ城さんの戦闘を思い返してみると、激しい動きをしても音が"聞こえなかった"
そう、布の擦れる音とか、歩く音も一切聞こえなかったな。
たしかあの人は・・・



(何言ってんだ、これはスキルでも何でもない、ただの殺人術だ。)

(俺の技は個人の編み出した技だ、そう人間なら誰でもできるような技だ、それを殺人に特化にしただけに過ぎない)


たしかに、あの終盤の戦闘はスキルとか一切使っていなかった。
人間なら誰しもできると言っていたな。
これをきっかけに人体の仕組みを勉強するべきか・・・。

俺は少し前の事を思い出しながら、ガラスのない窓から中を覗く。
周りを見ると、簡素なベットと机があり、部屋には騎士がくつろいでいた。
自分の部屋だと思うと、なんだかムカつくな・・・。

俺はいつものスキルを使って、侵入する。

「っよ!」

「お前はっ・・・ぐ!?」

俺は"軽く"首を絞めて気絶させる。
脈があるかどうかを確認する。
うん、ちゃんと生きてるな。

俺は部屋の中を探索することにした。
やはり、定番と言えば、まず本棚だな!
ここにサイコロがあれば振りたいものだ、まぁ!さっきファンブルを引いてしまったけどなな!
実はこれでもTRPGは好きなんだよねぇ、でも美空とか一樹は興味がなさげだったから、良く母さんと父さんと一緒に遊んでいたものだ。
ちなみに穏やかな母さんはあぁ見えて、自作シナリオはえげつないんだよなァ・・・、邪神を二体同時に召喚阻止とか、しょっぱらから発狂させたりとか酷かったよ・・・。

さて、気を取り直して、本棚を調べることにした。
結構色々あるな・・・、そうだクレナにも手伝ってもらおう。

「クレナ、お前も手伝ってくれ」

そう言うと、クレナは人型に変身をする。

「はいはい、何処を探せばいい?」

「あぁ、取りえず机とベット、後は気になる物があれば持ってきてほしい」

「了解ー」

そう言って、クレナも手伝ってくれたのだった。
俺はしばらく本棚を漁っていると、気になる物があった。

「ん?これは・・・?」

俺はパラパラをページを捲るとそれは日記だった、本の表を見ると

―― エッダ=オージ

どうやら、バルドの父の日記見たいのようだ、随分と厚い日記帳だこれを読むのに時間かかりそうだ。
軌光石を見ると既に1時間は経っていた。
そろそろ出て行かないと、やばいな
本棚を後にして、他を調べることにした。

机を調べる事にした、机は何の変哲もない机だった。
よく見ると、机にいくつか傷があった、人間の爪であろうか?
所々に爪痕の所に血が付いていた、まるで人間の爪が剥がれるまで引っ掻いた後みたいだった。
これがバルドの父の者であれば、かなり精神的の追い詰められたいた事をがわかる。

机の引き出しを見ると、書類らしきものが所々に書類らしきものがあった。
俺は書類をみるが、特に関係な物だったが、右下所に血痕が付いてるものと付いていないものがあった。
気になった俺は血痕があるだけの物を収納でにしまった。

もう一つの引き出しを開らこうとしたけど、開けられなかった。
力づくで開けても良かったが、きっとでかい音が出るだろうだから、今は断念した。
しかし、この引き出しは何だかあけちゃいけないような気がした、それは何故だか分からなかった。

「ヨウイチ、これ見て・・・」

クレナが小声でこっちに手招きして呼び掛けた。
そこには血だらけのベットだった。
しかし、それだけなら良かった。


ベットの血が動いていた。


血は俺達に気づくと、俺達を見つめるようにように黒いシミがケラケラ笑っていたような気がした。
クレナはその血を冷めた目で見ていた。

「趣味が悪いわね」

「あぁ・・・、そうだな」

実際、一般人が見ていたら発狂してるだろう。
それ程、気持ち悪かったのだ、このまま放置すれば何か嫌な予感がした。
自分の勘を信じて、ベットのシーツを剥がし、収納に入れた。
あとで燃やしておこう。

すると、ノックの音が聞こえた。
きっと、他の騎士が交代で来たんだろう、俺とクレナはその場から離れた。


俺達は少し離れたところでクレナと一緒に日記を読むことにした。
それは伝えても良い内容なのか確認する為である。

前半は普通の日記だった。
今日の出来事、何をしてたのか、息子のバルドの事
しかし、後半から何やらおかしい雰囲気になってきた。

6月11日

私は今までの功績を認められ、王に呼ばれることになった。
長年、国の為に木を伐り続けて良かった思う。
しかし、急な事で驚いたが一つ誇れることができた。


6日13日

今日は王とその娘と一緒に食事をした。
王の娘は絶世の綺麗な人だった、何度か見た事はあったが。
いざ、間近で見ると緊張した。
喉に物が入らなかった。

6月20日

女王様から私宛の手紙を届いた。
何にやら、私と話したいことがあるらしい?
どういう事だろうか?
取り合えず、断る事はできない・・・、私は直ぐに返信をした。

6月26日

俺はとんでもない事してしまった
取り返しのつかない事をしてしまった


私は王女と交わってしまった

違うんだ、俺はそう言うつもりじゃなかった・・・。
このまま、バレてしまえば俺の死刑は免れないだろう。
なんせ、王女は近いうちに婚約するのだから。


7月7日

王女に呼ばれた。
逆らえない私は再び王女に命令され交わり快楽へ堕いく。
私は諦める事にした、妻よ、息子よ、不甲斐ない私を許してくれ

行為が終われば、王女は何やら取りに行ってほしい物があるらしい。

どうやら、目的の物は"雹狼山"にあるらしい。
しかし、どうやって行くんだ?あそこは入れないように24時間で監視された筈・・・。

7月11日

驚いたことに、王女の部屋に"隠し部屋"があったのだ。
それも雹狼山に続いていたのだ、私は何とか目的の物手にれる事ができたのだ。

今日は何だか体が痒い、早く家に帰って風呂に入ろう
嫌なことを忘れよう。

7月12日
朝気づけば、身体中に傷が出来ていた
俺は息子に心配させたくない、包帯を巻いて、布で隠した。

7月14日

傷が治らない、ヒールでも治らない、血が止まらない・・・
これはバチが当たったのだろうか?それとも・・・
遠吠えが聞こえる、鳴りやまない、助けてほしい

7月15日

た す け て

7月16日

たすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて
























7月17日


妻よ・・・、今そっちに行く・・・



次のページは血に真っ赤になっていた。
ここで日記は終わったようだ。


「ヨウイチ・・・、これは・・・」

「あぁ、少しだけ見えてきたな。」

クレナはあまりの衝撃で涙目になっていた
そう、あまりの残酷さ、理不尽さにクレナには少し耐えきれなかったようだ。

俺はそんなクレナの頭を撫でる。

事件の真相が少しだけ見えてきた、彼の虚しく散った日記のおかげでだ
そんな彼はもうこの世界にはいない。

俺達は日記と資料を持ち帰り、カマさんの宿にゆっくり歩いていたのだった。

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