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第2章 荒れ狂う極寒の都市『スノーガーデン』編
第59話 一方その頃4と化け物の話
しおりを挟む「本当か・・・?」
「うそ・・・本当に?」
疾嘉と名乗る少女は黒杉がハッキリと生きているという事を言う。
そう、黒杉は生きていたのだ。
その喜ばしい衝撃の報告は一樹と佐野の瞳孔が開く。
ふと、一樹は後ろを振り向き下に俯くように呟く。
「ハハッ・・・生きてたのか、そうか・・・」
一樹の目からは涙が流れていた。
それに釣られてなのか、佐野も涙を流す。
この6ヶ月間は情報すらも無く、黒杉の生存は絶望的だった。
3ヶ月辺りで、何処か諦めたところもあった。
それでも、3人は生きている事を信じ続けた。
彼なら絶対に諦めずに生にしがみ付いて生き続けている事に賭けのだ。
そして今
初めて、黒杉の生存を確認できたのだ。
「良かった・・・!楊一の奴、本当に生きてやがったぜ・・・!!」
「うん!良かったね、樹くん!!」
二人は喜び合ってると後ろから、疾嘉が話しかけてくる。
「というか、黒杉さんならこの間、フィルネル王国に行った筈だけど、会わなかったの?・・・なの」
「「え!?」」
二人はこの後、驚いた声で叫んだのは言うまでのもなかった。
―――スノーガーデン
「クソッ!!敵の数多すぎだろ!」
「しかも、一人一人堅い・・・」
「相手が殺しに掛かってきてるというのに、こっちは不殺縛りとか無茶じゃない!?」
現在、黒杉達は大波に襲われるような数の騎士に追われていた。
騎士たちの目はギラギラと輝き、黒杉達に攻撃をしてくる。
その攻撃は騎士の攻撃というよりも、獰猛な獣のような乱暴の攻撃をしてくる。
「ヨウイチ、危ない・・・!!」
アイリスは後ろから攻撃してくる、騎士たちの攻撃を大剣で防ぐ。
その状態で大剣を振って魔力を乗せた風圧で吹き飛ばす。
アイリスの膨大にある魔力は何百もいる騎士たちを吹き飛ばした。
騎士たちは壁に激突するが、気絶する気配もなくそれどころか鎧が砕けても立ち上がりこちらに歩いてくる。
何度攻撃したって、気絶する気配がなかった。
すると、クレナが何かを見つけ震えるような声で言う。
「な、何よあれ・・・!」
フェレシアの見つめる先には先ほどアイリスの攻撃で鎧が砕けた騎士達の姿があり肌が見えていた。
そして、黒杉達は見てしまう。
騎士達の肌は赤黒く染まっていた。
肌の見える部分からケタケタを不気味に笑う口が見えたのだ。
それは一つだけではなく、無数の口が黒杉達に向けて笑う。
「あれはなんだ?あれも血黒病だというのか?」
黒杉は騎士たちのその姿に違和感を感じていた
その違和感の正体は
ケラケラケラ・・・ケラケラケラ・・・
不快な笑い声が聞こえるのだ。
その癪に障るような笑い声は騎士たちの身体から発していたのだった。
今までの血黒病は不快な音は聞こえていたが、笑い声が聞こえなかった。
しかし、目の前にいる騎士達の血黒病はあきらかに別な物だった。
身体に明らかに普通の血黒病よりも口は大きく、血交じりの歯が見える。
口はニチャァとこちらに口角を上げてくる。
そして、その瞬間だった。
一人の騎士が急にうずくまる。
その際に音が聞こえてくる。
アオォォオオオオオン!!
そう、騎士の身体から狼の鳴き声聞こえてきたのだ。
その鳴き声が聞こえたときに、周りにいる騎士達もうずくまる。
そして、次々と騎士たちの身体が黒く変色するように変貌する。
口は肉を食らい、背中から殻を破るように何かが出てくる。
それは人の形をした化け物だった。
頭は大きな口のみで、体は黒く無数の口が今でも黒杉達を食いちぎろうとしていたのだ。
そして、化け物は腕を刃に変化させる。
黒杉はアイリスを見て言う。
「アイリス、どうだ?」
「ん・・・ダメみたい・・・人には戻れない」
「そうか・・・」
アイリスは魔眼で化け物の調べていた。
化け物になった騎士たちは二度と人に戻れない事
そして、アイリスは言う。
「中身も完全に浸食されている・・・本来の魔力の巡り方が異常・・・人じゃない」
次々と騎士たちは化け物に変貌していく。
変貌した化け物たちは、黒杉達に一斉に襲い掛かる。
人間の皮を脱ぎ捨てた、化け物は変化させた刃で物凄いスピードで襲い掛かる。
今は人間ではないからこそ、異常なまでに戦闘力が上がっている。
パァン
だが、何かが破裂音が聞こえると同時に化け物の頭部らしき箇所は抉り取られていた。
アイリスは隣にいる、拳銃を持った黒杉を見る。
「じゃあ、人間じゃないなら容赦はいらねぇな」
パァン!パァン!パァン
黒杉は次々と化け物を手に持った拳銃で的確に頭部を破壊していく。
そして、黒杉は化け物よりも不気味な笑顔でニヤリ笑った。
「じゃぁ、死ね」
そして、ここから黒杉達の反撃が始まる。
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追記:2025/09/20
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