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改稿シリーズ・第一章
第41.5話 私は勇者になってしまったようです・・・(上)の話
しおりを挟むいきなりだけど、僕の・・・いや"私"の名前は御剣 正義。
家族構成は、父は日本人、厳しい人。
ママはロシア人、優しい人だ。
そして、世界3代大企業の、御剣家の子として、生まれてきたのが、この私だ。
「正義、お前は常に上を目指さなければならない、御剣家に生まれた以上は、誇り高く、恥の無い生き方をするんだ。いいな?」
「はい・・・父さん」
そんな厳しい父に言われ、将来は会社を継ぐ為に、勉強をしなければならない。
その為には、並みならぬ努力が必要とだということ。
勉強はもちろん、武道、水泳、音楽などを嗜んでいる。
成績は常に上位、自分で言うのもあれだが、容姿は悪くないと思うんだ。
そして、周りからは、完璧な人として見られている。
だけど、そんな私は悩みがいくつかあります。
一つは、もう少し"可愛らしい"名前にして欲しかった。
クラスメイトの美空さんや七海さんみたいに!!
せめて中性的に、勇(いさみ)とか、悠木とか、色々あっただろうに、正義(まさよし)ってなんですか!?正義って・・・。
もう一つは、私は"女"だ!
皆によく勘違いされるけど、私は女だ!
厳しい父は会社を継がせる為に"男"として育てられたのだ。
だからって、徹底的に男に育てるからって名前まで男にする必要はないだろう!
おかげで名前がコンプレックスだよ!チクショウメ!!!
「っく・・・しかも、胸もないって・・・理不尽だ・・・。お陰で、更に男性だと勘違いされるじゃないか・・・。まったく、父さんは、アホなの?馬鹿なの?死ぬの?そもそも、権力の使い方間違ってるだろ!?無理やり制服を男性用にしてさ!!ちゃっかり、学校も許可するなよ!此処まで酷いと、ちゃんと男で生んでほしいぐらいだよ!」
御剣は、思わず地団駄する。
誕生日プレゼントは全て男物で、女の子の物を見つけられたら、父に全部燃やさせるのが日常だった。
正直、会社は継ぎたくないし、自由で気楽に生きたいだけなんだけどなあ。
可愛いものがとても好きな普通な女の子なんだけどなぁ・・・。
だが、私にも救いがあった。
それは、ライトノベルとアニメだった。
文学の本だと言ってごまかすことができるし、自分の部屋にはテレビもあり、流石に、父さんは深夜は寝ており、深夜でのアニメが見ることが多く、隠れオタク化してしまっている。もっと、堂々にしたいけど、バレたら、絶対に燃やされる。
私にとって、唯一の娯楽で、自由だった。
これ以上、自分の娯楽を、失わない為にも、慎重に行動しなければ・・・。
そんな中、私はいつも通りに、深夜1時にアニメを見ていると、ふと頭の中に、ある言葉が思い浮かぶ。
"非日常"
縛れた生活では、かけ離れた存在の物だった。
それもある意味に"非日常"かもしれないけどね。
ライトノベルとアニメには異世界転移、異能バトルなどの心揺さぶれるものが沢山あった。
自由に冒険したり、仲間との友情、そして好きな人との恋愛。
それが分かりやすく表現されてて好きだ。
中には複雑な物あるけど、私が読む物は大半分かりやすいものばっかりだ。
私は読むたびに言う。
「いいなぁ・・・」
自由という、非日常がとてつもなく、羨ましい。
だって!何回も言うけど、羨ましいじゃん!異世界転生とか!異能バトルとか!
ブワァアア!シュビビビ!スガッシャーンって感じでさ!!
私にも、異能能力が欲しいと思うもん!!!
もし、自分の力があったら、どんな能力を得るのか、他にも、7人の従者が召喚される、英霊戦争に巻き込まれて、歴史の英雄一緒に戦うとか、めっちゃ良いじゃないですか。
よくない?逆に、もし自分が、英雄召喚されたとき、自分の職業どうなるとか、考えると、ワクワクするじゃん。
ふと我に返る。
私は自分の机に突っ伏して、唇を尖らせて言う。
「今の私の考え方、絶対脳みそ溶けてたわあ、偏差値10以下だわあ・・・でも、羨ましい物は羨ましいもん・・・フィクションだと分かっても、それでも、何処かに存在すると、信じたいじゃん」
私は考えるのをやめて、明日の学校に備えて準備して寝ることにした。
明日は、好きな作家の新作のラノベが販売されるんだ。学校が、終わったら買いに行かなきゃ・・・。
布団に潜って私は寝た。
その日の夜は夢を見た、だけど覚えていない。
ただ、言えるのは、そんな気持ちの良い夢ではなかった。むしろ、大切な何かを失うような。
苦しい、辛い、悲しい、どうしてこうなったのか?
先の見えない、深い闇が私を包み、頭の中で、その言葉と感情が、ぐるぐるとずっと繰り返される。
私は慌てて起きると、パジャマが汗まみれで気持ち悪かった。
「着替えるか・・・」
私は服を脱ぎ、その場で投げ捨てる。
そのまま、男性制服を着て家を出た。
ママは、私の顔を見て「体調悪いの?」心配して、車で送ろうとするが、「一人で行けるから、大丈夫だよ」と言って断った。
――――学校
ところで先ほど私は悩みがいくつかあると言ったんだけど、実はまだもう一つあるんだ。
それは・・・。
すると、教室のドアからガラッと音が聞こえ、振り向く。
相変わらず寝ぐせに、優しい目をしている、あの人。
「おはよう」
そこには黒杉 楊一がいた、そう彼が問題の相手だ。
何故、問題なのかって?
そ、それはだな・・・。
「おはようございます」
「おはようだぜぇ」
それに続いて出てきたのが、晴渡さんと山崎くんだった。
幼馴染かぁ・・・羨ましい。
もし、深くかかわっていたのなら・・・。
すると、誰かが黒杉くんに向って歩いていく姿見えた。
「おい!黒杉冴えない顔してんな!!」
いかにもガキ大将っぽい、この人は板野、いつも黒杉くんに突っかかってくる人だ。
私は止めようとするがその前に動き出した山崎くんがいた。
山崎くんと板野はいがみ合う。だけど、ここでチャイムが鳴って、お互いに舌打ちをして席に戻った。
(今回も助けられなかった・・・)
すると、後ろから声を掛けられる。
「御剣さん、おはよう」
「あぁっ、おはよう!?」
声を掛けられたのは、後ろの席の黒杉くんだ。
急に声を掛けられたから、声が裏返ってしまい変な声が出てしまった。
いつも挨拶してくれるのに、未だに慣れない私って・・・。
「(やっばぁー・・・絶対に変だと思われた!絶対に思われたー!)」
尚、本人は気にしていない模様。
私は机に突っ伏して、恥ずかしくて悶えながら、足を小さくじたばたさせた。
だけど、挨拶してもらえて、嬉しいんだ。
毎日、この小さな幸せが続けばいいのにと思ってる。
そう、私の悩みは、彼に"恋"をしているのだ。
何故かって?
詳しく話をすると長くなるから、省略するけどあれは私が小学二年生の時の頃だったかな。
ある時、父親に隠れて、女性の服で遊びに出かけて言ったら、誘拐された。
そんな時、助けに来たのが黒杉くんだった、彼は私だと気づいていないけど、私は覚えている。
助けに来てくれた時は本当にかっこよかった。
あぁ、本当に"王子"っているんだなって思った。
「(9年間ずっと、追いかけているけど、話しけられていないや・・・。これじゃあ、ただのストーカーじゃないか・・・はあ)」
それからは彼を、影で追いかけるが、あれから一度も声を掛けられなかった。
中学で声を掛けられなかったから、高校で頑張って、話しかけようとしけど、やはり、緊張して話しかけられない。
まあ、今更、話けても、あの頃に助けられた事は忘れられているだろうけど・・・悲しい。
私は突っ伏していると、もう少しで9時になりそうだ。
8時59分
御剣の耳に秒針の音がより大きく聞こえてくる。
「(ん?何こんなにも聞こえるんだ?)」
私は顔を上あげて時計を見る。
8時59分
チッチッチ・・・
時計の秒針が少しずつ近づくと音が大きくなる。
その音を聞くと不安が襲って来る、なんでどうしてなんだろう?
教師の声が聞こえる。
「黒杉!!」
返事をしない黒杉くんを見ようとするが、時計から目が離せなかった。
私は頭の中で混乱する、冷静を保とうとすればするほど冷静で入れられなくなった。
「おい、黒杉!!」
その瞬間、教室が揺れ始める。
周りの人達はその突然の事で叫ぶ人や机の下に隠れる人もいた。
床を見ると赤い魔法陣が出てくる。
私は、黒杉くんに振り向いて声を掛けようとするが出来なかった。
何故なら、既に黒杉くんは、大切な幼馴染の方を見ていたのだから。
「「楊一!!」」
黒杉くんは、晴渡さんと山崎くんに手を伸ばす。
そんな状況で私は思う。
「(羨ましいなぁ・・・)」
私にはそんな親しい仲間はいなかった。
どんなに才能があっても、私に近づいて仲良くしてくれる人はいなかった。
ただ、その姿を遠くで見てる事しかできなく。
酷く寂しく、羨ましい。
意識はここで途切れた。
気が付くと、見覚えのない景色が目に映った。
私は起き上がって、見渡せば、周りに騎士っぽい人と、中央に堂々と立っている渋いおじ様が立っていた。
どうやら、黒杉くんは既に起きてた。
周りの生徒達が次々と起き上がってくる中でおじさんが前に出て言ってくる。
「ようこそ!勇者殿!貴方達を待っていた!」
勇者?何のことだ?
私はただただ混乱した。このような"非日常"な出来事に。
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