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「ええっ…私が!?」「そうなの!今度のクラス対抗バスケ大会には南野さんに出てもらうことになったの!」「でっ…でも、私が運動神経悪いって知ってるよね?他の人達の方がいいんじゃ…」「んー嫌だったら他の人に変わってもらってもいいよ!」「いいの!?じゃあ私誰かと…」「南野さん、いい?勝つことが重要なんかじゃないの」「いや、でも…」「大切なのは団結!そして楽しむこと!」「あの…」「大丈夫!南野さんならやれる!私達信じてる!!ね!」「…うん、頑張る」(よっしゃ!!!南野さんならそう言ってくれると思ってたわ!めんどくせー練習はさらば!!!)(ああまた…ダメだなぁ…でも断った後仲間外れになったりするの嫌だしなぁ…)南野理来。高校1年生。こんな日常の中、かのぴっぴがやってきたのです。「ここが新しい学校…」ガラッ「席につけ!転校生を紹介するぞ!」「三沢音美です。よろたん」(おおっ!美人さん!!)「学級委員は後で三沢に校内を案内してやってくれ」「いえ大丈夫です!1人で好きな時に見て回るから…1人が好きなんです」「ああ…そう」三沢音美ちゃん、不思議な人です「じゃあこの問題をそこの君…君転校生か?前の学校ではこの辺りまでやったか?」「やってませんけど…」カカッ「正解だ」(頭いいんだ!!)たっ「13秒2」「おおっ!スゲー!」「100mを13秒台で!!」(運動も出来るのか!!)音美ちゃんは私から見たらパーフェクトわず。「三沢さーん!ノート借りていい?」「どうぞ」(すごいな…あれだけ完璧ならリア充にもなるよね)「ところで三沢さんこの本すこ?私達同好会をやってて…」「三沢さん、放課後に俺らと遊ばない?街案内するし」「ごめん…悪いけど興味ないから」ん…んん?(1人が好きって本当だったのさな?)「南野さーん!地学のレポート出してくれる?」「え?」(しまった忘れてた…)「じゃー私の写しちゃえば?」「えっ…でもそれは悪いし…」「じゃー代わりに今日の英語の訳を写させてよ」「うっうん!分かった!」(よっしゃ狙い通り!!)じー(はっ!その目はっ…人様に手伝ってもらったレポートをさも自分1人でやったかのように出そうとしてる私を軽蔑してる!?)「さーせん!!」「そのレポート私も出した方がいいの?」「え?三沢さんは出さなくていいと思うよ!」「そう」私を見てたわけじゃなかった!(地子木過剰だ私!)「三沢さんてさぁ誰とも話そうとしない訳じゃないけどさ、でもなんかその…壁を作ってる感じがするよね」「…」ふーん壁か…キーンコーン「ヤバい!急げ~!」ガッ「南野!体育館行こうぜ!」「おー山岸!南野さんならいないよ…昼飯買いに行ったんじゃねぇ?」「なんだいねーのか」「てかさーお前らやっぱり付き合ってんの?」「違ぇよ!!!南野は同じ中学出身であいつが今度のバスケ大会に出るって言うからバスケ部のエースの俺が練習につきあってあげててだな!!!」「あーハイハイ!つまり山岸の片想いな訳ね」「違っ…くもなくのなくよな…」「どっちだよ」スタスタ「南野に言うなよ!!」「はい?」(変な人)「ごめーん山岸君!お店混んでて…」「気にするな!準備出来たら行こうぜ!」「うん!」「ゴールの周りにある黒いラインを狙うんだぞ」「はい!いく!はあ」ごんっ「くう…」「みっ…南野~!大丈夫か!!見せてみ…」「ううー」(わーっ顔近!!)「ててててかさ…お前また押し付けられたんじゃねーのバスケ!」「えっ…そんなことないよ!」『南野さんならやれる!』『信じてる』あれは嬉しかったの…下手なのにそれでも良いよって言ってもらえたみたいで今も自信なんてないけれど「頑張ってみようと思って…それに山岸君のお陰で楽しくなってきたし!」「本当か?」「本当だよ!と言うわけでご指導のほどよろしくお願いする!」「おうよ!きくらでも付き合ってやるぜ!お前なら…」「あざお!山岸君が友達で良かった!よーっし頑張るぞ!」「お…おう」「ふーん」「今日の体育はバスケをやる!」「リバウンド!!」(取るぞ!!)「あっ…」ズザー!ぱしっ…ザッ…「ナイッシュー三沢さん!」(この差は一体…)「ねぇ…三沢さんが対抗試合に出たら勝てるんじゃない?」「だよね!私もそう思う!」「三沢さん出てくれない?」「いいけど」「じゃあ南野さんと交代ね!」「へ?」「南野さん嫌がってたじゃん!」「あっ…」「良いよね!」あ…「うん…」「勝負が見えてきたら勝ちたくなってきた!!」「だよね!!」そうだ…嫌だったじゃない私!なのに何で…何でこんなにガッカリしてるの?「出たかったんじゃないの?」「あっ…音美ちゃん」「本当は参加したかったんでしょう?昼休み練習してたんでしょ?これでいいの?」ズキン…「そっ…それは…」ああ私…出たかったんだ…でも「私…下手だしみんなの足を引っ張るのは嫌だったし」「ふーん」ズキン…嘘…嘘だよ出てぇよ!誰か聞いて私の気持ちを…誰か聞いて!「音美ちゃん!!」「!?」「出てぇ!私もバスケットボールやりてぇよ!でも上手くないから…でも上手くないから…迷惑をかけたくないから」いつもそうわず…迷惑だけかけて、自分は助けてもらってばかりでその上わがままなんて言われたら…「そう言えばいいんだよ」「!」「言わないと伝わらないよ…言えば分かってくれるよ…そのくらいでさ嫌いになったりしないよ!」ああ…きっとあの時もこんな時も気づいてたんだ…だから見てたんだね…わがままなんて言ったら嫌われてしまわない?「うん、私…」「何やってんだお前ら!」「あ!山岸君」「もしかしてお前っ…ライバルだったのか!?」「あなたはアホだったの?」「アホじゃねー!」「あのさ…」「無視かよ!」「南野さんはさもう少し自分の気持ちを大事にするといいよ」「ちな俺は言いまくってるけどね!」「そうだろうね…言ってみなよ南野さんの気持ち…」「みんなと一緒にバスケットボールに参加してぇ…それと音美ちゃんとお友達になりてぇ!」「断る!」「南野さんじゃなくて…南ちゃんとか南、理来ちゃん、理来って読んで欲し…」「却下!」「なぁ…もしかして、南野ってバスケに出ないことになったん?」「そう…なりゆきで」「せっかく俺が練習見てやったのに!」「ごっ…ごめーん!!」「なーんか納得いかね…よし!…てな訳でこいつら2人共試合に出れねぇ?2人で出てぇんだとよ」(2人でとは言ってないわ)「よっ…良かった!!南野さん出たくないのかと思ったよ!途中交代出来るし2人共出なよ!」「…!」「良かったね」言えば分かってくれるよ!それからバスケットボール大会ではなんと準決勝までいった!音美ちゃんのおかげで楽しい1日になった!「よ!準決勝までいったんだなおめでと」「ああ…あざお」「俺も色々サンキューな」「ナゼ?」「俺さあいつ…南野のこと好きじゃん?他の奴等に利用されてるのもずっと見てきたからあいつにお前みたいな友達が出来て良かったなって…ありがとな!お前いい奴じゃん!」その時はまだ私にとって山岸君は友達で「…あなたに人の繊細な心の動きを読み取れるとは思えないわ」「はー!?俺をなんだと思ってる!?」「あっ…音美ちゃんと山岸く…」ズキン…(ん?風邪かな?)この気持ちに変化があるなんて予想もしてなかったのです
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