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リバースドリーム
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「えっ…売り切れ!?」「リバースドリームは人気ソフトだから予約分だけでもういっぱいでね…」「そんな…」楽しみにしてたゲーム、受験も終わったし、心置きなく遊べるって思ってたのにな…「あの~もしもし?よかったらこれ…僕予約限定のアイテム目当てで2個買ってたから…」「え…いいの!?あざお」…思えばその時から凍りついた時が溶け始めてたのかもしれない…「良かった~!『リバースドリーム』手に入って!」あの子確か同じ塾の…(一人で2個も買うなんて変な奴~!)「ちこちゃん、ゲームするの?あんまり夜更かししないのよ」「…もう、終わったんだからいーでしょ!ほっといてよ!」「そ…そうね、お母さん先に寝るわね」パタン…お母さんは受験以来あたしに気を使ってる(なんかキモいよ)あたしは未だに落ちたって実感が湧かない「わ、すご~!自分でキャラ作れるんだ!職業は…と魔導師がいーな!服の色は…」ゲームはいいな何度でもやり直しがきくから…現実もゲームみたいにリセット出来たら良いのに…「よし!スタート!」シュウウウ…「…え?」パァアアッ…「わっ…」シュウウウ…え?え?え?な…(何これっ!?)「きゃーっ!」(女の子が襲われてる!?)「助けなきゃ!」(…って言っても…)「わーん!どーすりゃいいの~っ!?」(うわ!もうダメやられる…!)ザッザアァァッ…(うわっ誰この人)「…あ…ありがと助かった…」「別にこのくらい…」「それより、ねぇっここ…どこ?ってゆーか何なの!?あたし…夢でも見てるのかな?」「えっ」「確かゲームの電源入れてスタートボタン押したら、パーッって光って気がついたらこんな格好で…」「お…お前、もしかして現実から…!?」「えっ!?そーだけど」「ここは『リバースドリーム』の世界…つまりゲームの中の世界なんだよ」(えーつ!?)「何それどーゆーこと!?まさかあたしがゲームの中に入っちゃったってこと!?」「そう、ちな俺もね」「な…なんで入っちゃったの!?どーしたら元の世界に帰れるの!?」「分からない…とりま色々試してみたんだけどこれと言った手がかりはつかめなかった…」「そんなぁ~」「それよりその子は?そいつも現実から入ってきたのか?」「え?」「私はティアナ、この地を司る女神」「女神…!?」「ほ…本当だっ!今は呪いをかけられてこのような姿だが本当はもっと大きくて…」「あはは可愛い~っっ」「そういえば…そこの村では聞いた話じゃ女神は何でも叶えてくれるって…」「え!それだっ!」「え?」「女神様にお願いすればいーんだよ!元の世界に帰してくれって…!」「でも女神は今、天空の城シエルに呪いをかけられて力を封印されてるらしい…」「えーっ」「呪いを解いてくれたら願いを聞いてやってもいいぞ」「…でもつまりシエルって奴を倒せばいーわけよね」「呑みこみ早いね」「あっ無視したな!コラッ聞け!」「よーするにそーゆーこと!とにかくシエル…最後の敵を倒すしかないってことだ!じゃそうと決まればさっさとやっつけちゃお!」(ちょっと不安)「そー言えば名前、まだ聞いてなかったよね?あたしはちこ!あんたは?」「ナオ、本名は直之…でナオ」(ナオ…)それからあたしとナオはモンスターを退治したり逃げたり、色々やりながら経験値を上げた。夜「えっ!?うそっ…ベット1つしかないの!?ど…どうしよう?」「川の字になって寝ればよい」(それは勘弁…)「ナオ!?」「俺ここでいいよ、ちことティアナでベット使えよ」「それじゃ休んだことにならないよっ?」「なるよ…俺こーゆーの慣れてるし、塾でよく居眠りしてたから!おやすみ」(ナオ…優しいね…)「ナオ…」「…ん?」「まだ起きてる?」「うん…」「さっき…塾って言ってたよね?現実の世界ではナオはどこに住んでるの?今、何年生?兄弟はいる?」「なんか…お見合いみたいな質問だな!」(うっ…)「住所は福岡市筑紫村、この春から中1…」「えっ嘘、あたしん家のめちゃ近くじゃん!」「ちこは?」「あたしも今度中1!本当はね私立行くはずだったんだけど…落ちちゃった!」「…俺も落ちた」「えっ?じゃ…実はあたし達ってすごく境遇似てるんじゃない!?」「確かに」「じゃ…ひょっとして『現実もゲームみたいにリセット出来たら』とか思った?」「思った思った!」(…もしかしてそれで2人共ゲームの中に入っちゃったのかな?)ガタガタガタガタ…ヒューゴォォガタッ「な…なに?」バンッ「きゃ!」「私はシエル様の使い、女神ティアナをもらいに来た」「なっ…」「ティアナ!」(え!?体が動かない…!)「ナオ!ティアナを…!」「俺も体が…!」「…ティアナ!やだ!ティアナ…!ティアナ!うっ…れなか…た、守れなかった…!悔しいよ…!」本当は中学落ちた時も悔しかったんだ…悲しくて、泣きたくて…でも泣いたらその現実を受け入れてしまうことになりそうでだからわざと感じないようにしてたんだ…あの日から止まってたあたしの時間…動き出す「…どうするちこ?」「…決まってる!助けに行くでしょ!」「行こう!」さあ行こう!飛び立つ鳥のように風を切って進もう!あの空のわき立つ雲の彼方へ悲しい時は大地に顔をつけて思いっきり泣けばいい…涙は枯れても時の流れは止まることはないから…夜が明ければ朝が冬が終われば春が来るように…「…あざお、そなた達のおかげで呪いは解けた」「…え!?も…もしかしてティアナ!?」「でけーっ!?」「本当は大きいと言ったではないか…約束通り願いを叶えてやろう」願い…「あっ…お願い!あたし達を現実へ…元の世界へ帰して…!」「元の世界とはなんだ?そなた達はどこから来たのだ?それが分からぬことにはそこへ帰すことはできぬぞ」「えっ!?」「おお!そうだ!ではそなた達に力を授ける、二人で力を合わせれば元の世界へ行くがよい!そなた達の帰りてぇ時と場所を心に強く念ずるのだ」え…それってもしかして受験前にも戻ろうと思えば戻れるってこと?…もしも受験前に戻ったら…ナオとはもうこんな風に出会わないかもしれない…「ねぇ…ティアナ…あたし達の世界は…過去には戻れないんだ」やり直してぇって思いもある「でも…昨日があるから今日があるわけで…つまりその…とにかく前に進まなきゃ…って!」バイバイナオ…また会えるよね…「え?」夢…だったのかなあ…「ちこ!そんなとこで寝て…!」「あ、おはよーお母さん」「明日中入学式なのに風邪でも引いたらどうするの!?」「さーせん」新しい世界…「えーと…ナオ…直之…と…えっ!」「…こ…ちこ…あっ!」「えっ!?」「あっ…」春、時はせせらぎのように音をたてて流れ始める…
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