超進化ペット!ピヨ 改訂版

朝陽ヨル(月嶺)

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八話 気持ちのズレの訪れ

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 午前中の授業が終わり、いつも楽しみにしている給食も終わり掃除の時間となった。掃除は疲れるが嫌いではない。教室の床を他の生徒と分担して雑巾がけをした後、クラスメート人数分の机と椅子を元の位置に戻したら掃除も終わる。そして昼の休み時間でのこと。 

「ねえ、そろそろココロちゃん家のピヨしんかした?」 

 着席して読みかけの本を読もうとしおりを挟んだページを開いた途端、ひょっこりと横から愛美が覗き込んできた。そんな愛美を見て目を瞠り、聞かれたことに対して首を横に振る。 

「まだだよ」
「えーまだなの? ピヨかってるってきいてからもう一ヶ月くらいたったよ?」
「小ビナにはなってるけど……多分もうすぐなると思う」
「ふーん。早くうちのピヨ見せてあげたいのになあ」 

 進化したら見せ合いをしようと約束しているが、早く見せたいと言うのなら先に見せてくれても構わなかった。クックが進化したらまた会えばいいだけの話だからだ。しかし愛美はどうしても見せ合いをしたいらしく《クックが進化するまでは見せない》の一点張りである。 

「マミちゃん家のピヨ大きいよ」
「そうそう、いままで見たことなかったよね」
「シィーッ! バレちゃうからひみつにしててね」 

 愛美と仲が良くいつも傍にいる女子たちが口々に特徴を話し出そうとしている。
 それを愛美は自分の口の前で人差し指を立てながら女子たちに言わないようにと頼んでいる。 

「しんかしたらちゃんとおしえてよ。それじゃあねー」 

 進化したかどうかを聞きに来ただけで他に話すことなく、まるで聞きに来たことさえ忘れたような態度で愛美と女子たちは教室を出ていった。 

「なにアレ。? ろうかまできこえてきたんだけど」
「多分まただろうね」 

 廊下掃除を終えた百合子と大介が教室に入ってきた。百合子は眉をひそめており、大介は苦笑いをしてココロの席までやってくる。 

「またって?」
「マミちゃんね、クラスのみんなにお家のピヨを見せてるんだって」 

 ココロと一緒に教室掃除をしていた凛々華も隣の席で聞いていて苦笑いを見せる。 

「みんなもマミちゃんのピヨさん見たことあるの?」
「わたしはない。きょうみないから」
「わたしは見たことあるよ。でもどんなコだったかおしえちゃったらマミちゃんにおこられそうだから言わないでおくね」 

 百合子はバッサリと興味が無いと言い切り、凛々華は見たことがあるようだが愛美に気を遣って口を噤む。 

「あんなのじまんしたいだけ。ココロちゃんも、イヤだったらイヤってハッキリ言ってもいいんだからね」
「イヤじゃないよ。ピヨさんすきだから、どんなコなのか見てみたい」 

 マミちゃんのことも、まだよくしらないから気になるし…… 

「ダイスケくんは見たことあるの?」
「ぼくもないよ。それに見に来てって言われてないからさ」
「そうなんだ……ちょっといがい」 

 大介はクラスの中で人気者で男子とも女子とも広く交流している。愛美ともよく話していて仲が良さそうに見えた。それなのに愛美が大介を誘ってないというのは不思議に思える。 

「わたりくんに気をつかってるんじゃない?」
「ああ、うん……そう……かもね」 

 いつも明るくて笑みを絶やさない大介だが、今の大介の顔からは笑みが消え、うっすらと悲しみが浮かんでいる。しかしそれは一瞬のことで、また普段通り微笑んでいる。 

「そうじおわったし、外であそんでくるよ」 

 それだけ言って大介は何も持たずに教室から出ていった。
 大介の悲しい表情が気になり、なんとなく教室を出ていく姿を目で追ってしまった。
 それから図書室に行くからと百合子も教室から出ていく。
 他の生徒も掃除が終わるとすぐに校庭へ遊びに行き、教室に残っているのはココロと凛々華だけになった。 

「……ココロちゃん」
「んう?」
「あのね、言っていいのかわかんないけど……」 

 そう切り出して凛々華は続きを徐に話していく。 

「ダイスケくんのお家のピヨね……、しんじゃったんだって」 
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