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十一話 夏と水
五
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食事を済ませて園内をある程度見て回った昼下がり、夏菜は腕時計の針が示す時間を見てはっと気づきココロの手を引いた。
「やばっ! 今日のメインイベント始まっちゃう!」
「わっ! ナッちゃんどうしたの?」
「ココロちゃんも前で見たいよね? 急がないと前の席取られちゃうから急ご!」
「う、うんっ!」
「うちとココロちゃん先に行ってるからね!」
「はいはい。私たちはゆっくり行って後ろの方で見てるわよ」
「りょーかい! いこっ」
伯母の了承を得ると、ココロは夏菜と手を繋ぎながらイベント会場へ向かって走っていく。この動物園は水族館が併設されており、隣にドーム型のイベント会場がある。
「あー良かった~ギリ席あったよ~」
ショーが始まる三十分前だというのにイベント会場は客で賑わっている。ココロが席を取っておき、夏菜が飲み物を買って戻ってきた数分後には後ろの席まで客がひしめき合っていた。
「うっひゃ~これじゃじいちゃんたち座れないだろうな」
「おきゃくさんいっぱいだね」
「そうだね。それだけこのピヨショーをみんな楽しみにしてるってことだよ」
「ピヨさんのショーなのに水そうがあるよ?」
会場の中央にはたっぷりと水が張られた大きな水槽があり、それを囲うように観覧席が設けられている。ココロと夏菜は前から四段目の席に座っている。
「ピヨショーは珍しい水型ピヨのショーなんだよ。水型って見たことある?」
「ううん、ない」
「うちも。テレビでは見たことあるけど、生で見るのは初めてなんだ」
「楽しみだね」
「うん、楽しみ」
飲み物を飲みながら他愛もない話をして待ち、時間になるとイベントを進行する飼育員が水槽のすぐ横のステージへやって来て一礼する。
「皆さーん、こんにちはー!」
大人から子供まで多くの観客が挨拶を返す。それから飼育員の前座で小話をしていると、どこからか鳴き声が聞こえてくる。
「キュウウ~」
「おやおや~この鳴き声は? あーーっ! 誰かがやって来るぞ~!」
「キュッキュウー!」
水槽の下部から影が上部へ泳いでステージへ飛び出してきた。水型ピヨ三羽である。ステージにあらかじめ設置してある台へそれぞれ飛び乗った。
「お~っと! 来てくれたのは水型ピヨだー!」
「ピヨさんだ! ピヨさん来た! かわいい!」
「ねー! かわいいね!」
「あれが水がたのピヨさんなんだ」
水型のピヨは群青色の体に横広の大きめなくちばし、トリであるがサカナのようなヒレが付いている。そして特徴的な真ん丸の目は濁ったような色をしている。 体長は一・五メートル程。
「はーい、では皆さんにご挨拶~」
飼育員の合図で水型ピヨたちは一斉に胸ビレを挙げて振っている。
「手ふってくれてる」
ココロも小さい手を水型ピヨに向かって振り返した。
ショーの始まりはここからで、飼育員の笛の音や手の合図で水型ピヨは行動を移す。
まずはバスケットボールサイズのゴムボールを用意し、飼育員が投げたボールをくちばしや頭、胸ビレや尾ビレで打ち返していく。その次はピヨ同士でバレーボールをする。胸ビレ、頭と続いて高く上がったボールを最後はくちばしでつつきアタックの成功だ。観客の拍手音が会場に響く。
「すごい! ピヨさんたち上手!」
「うんうん! 器用だね~!」
ココロも夏菜も水型ピヨのショーに興奮して見入っている。
それから水型ピヨたちは水槽へ入り、天井から吊り下げられているボールを回転ジャンプして尾ビレで叩いたり、別の位置に吊り下げられている輪っかくぐりをする。
そしてショーの終盤。天井に吊り下げられている小さめの風船がある。
「これから水型ピヨの得意技、水鉄砲であの風船を割ります。しかし的が高い所にあるので当てることはと、て、も、難しいです! 皆さんの応援が必要なので、皆さん応援よろしくお願いします!」
「だってさココロちゃん、応援しないと!」
「うん!」
「「がんばれー!」」
会場の客、主に子供がそろって「がんばれ」と声援を送る。
「たくさんの応援ありがとうございます! ではピヨたち、準備はいいかなー?」
ピーッ!!
笛の合図で水型ピヨは水を口へ含み、そして水鉄砲を発射した。結果は外れてしまった。
「あ~~っ!! 残念! もう一回、もう一回やってみましょう! 皆さん、また応援お願いします! さっきよりも大きな応援を!」
「ピヨさんたちがんばれー!」
珍しくココロが大きな声を出している。それだけ頑張ってほしいと願っているようだ。
会場が一体となり応援する中、二回目の挑戦。
ピーッ!!
気合いの入った水型ピヨの水鉄砲が発射される。そしてそれは見事に風船へ命中し割ることが出来た。
「成功しましたーー!! 皆さん応援ありがとうございましたーー!!」
「やったね、ピヨさんたち風船われたよ!」
「あんな高いとこまで水鉄砲飛ばせるのスゴイよね!」
風船割りは大いに盛り上がり拍手が響き渡る。水型ピヨたちは飼育員のから餌をもらってから優雅に水槽の中を泳ぎ回っている。
「これで水型ピヨのショーは終わりとなります。皆さんありがとうございました~! そしてこの後はショーではないんですが、水型ピヨとハイタッチの体験が出来ます! 体験希望される方はステージの下へお願いしまーす!」
「わあっハイタッチ体験だって! どうする?」
「や……やりたい、けど……はずかしい。……ナッちゃんは?」
「せっかくだしハイタッチしたいな~。でもココロちゃんが行かないならやめよっかな~」
「……行く、だからナッちゃんも行こう?」
「オッケー! じゃあステージ行こう!」
ココロが体験に参加出来るように優しい誘導尋問がされた。そして二人はステージ下へと向かう。
「やばっ! 今日のメインイベント始まっちゃう!」
「わっ! ナッちゃんどうしたの?」
「ココロちゃんも前で見たいよね? 急がないと前の席取られちゃうから急ご!」
「う、うんっ!」
「うちとココロちゃん先に行ってるからね!」
「はいはい。私たちはゆっくり行って後ろの方で見てるわよ」
「りょーかい! いこっ」
伯母の了承を得ると、ココロは夏菜と手を繋ぎながらイベント会場へ向かって走っていく。この動物園は水族館が併設されており、隣にドーム型のイベント会場がある。
「あー良かった~ギリ席あったよ~」
ショーが始まる三十分前だというのにイベント会場は客で賑わっている。ココロが席を取っておき、夏菜が飲み物を買って戻ってきた数分後には後ろの席まで客がひしめき合っていた。
「うっひゃ~これじゃじいちゃんたち座れないだろうな」
「おきゃくさんいっぱいだね」
「そうだね。それだけこのピヨショーをみんな楽しみにしてるってことだよ」
「ピヨさんのショーなのに水そうがあるよ?」
会場の中央にはたっぷりと水が張られた大きな水槽があり、それを囲うように観覧席が設けられている。ココロと夏菜は前から四段目の席に座っている。
「ピヨショーは珍しい水型ピヨのショーなんだよ。水型って見たことある?」
「ううん、ない」
「うちも。テレビでは見たことあるけど、生で見るのは初めてなんだ」
「楽しみだね」
「うん、楽しみ」
飲み物を飲みながら他愛もない話をして待ち、時間になるとイベントを進行する飼育員が水槽のすぐ横のステージへやって来て一礼する。
「皆さーん、こんにちはー!」
大人から子供まで多くの観客が挨拶を返す。それから飼育員の前座で小話をしていると、どこからか鳴き声が聞こえてくる。
「キュウウ~」
「おやおや~この鳴き声は? あーーっ! 誰かがやって来るぞ~!」
「キュッキュウー!」
水槽の下部から影が上部へ泳いでステージへ飛び出してきた。水型ピヨ三羽である。ステージにあらかじめ設置してある台へそれぞれ飛び乗った。
「お~っと! 来てくれたのは水型ピヨだー!」
「ピヨさんだ! ピヨさん来た! かわいい!」
「ねー! かわいいね!」
「あれが水がたのピヨさんなんだ」
水型のピヨは群青色の体に横広の大きめなくちばし、トリであるがサカナのようなヒレが付いている。そして特徴的な真ん丸の目は濁ったような色をしている。 体長は一・五メートル程。
「はーい、では皆さんにご挨拶~」
飼育員の合図で水型ピヨたちは一斉に胸ビレを挙げて振っている。
「手ふってくれてる」
ココロも小さい手を水型ピヨに向かって振り返した。
ショーの始まりはここからで、飼育員の笛の音や手の合図で水型ピヨは行動を移す。
まずはバスケットボールサイズのゴムボールを用意し、飼育員が投げたボールをくちばしや頭、胸ビレや尾ビレで打ち返していく。その次はピヨ同士でバレーボールをする。胸ビレ、頭と続いて高く上がったボールを最後はくちばしでつつきアタックの成功だ。観客の拍手音が会場に響く。
「すごい! ピヨさんたち上手!」
「うんうん! 器用だね~!」
ココロも夏菜も水型ピヨのショーに興奮して見入っている。
それから水型ピヨたちは水槽へ入り、天井から吊り下げられているボールを回転ジャンプして尾ビレで叩いたり、別の位置に吊り下げられている輪っかくぐりをする。
そしてショーの終盤。天井に吊り下げられている小さめの風船がある。
「これから水型ピヨの得意技、水鉄砲であの風船を割ります。しかし的が高い所にあるので当てることはと、て、も、難しいです! 皆さんの応援が必要なので、皆さん応援よろしくお願いします!」
「だってさココロちゃん、応援しないと!」
「うん!」
「「がんばれー!」」
会場の客、主に子供がそろって「がんばれ」と声援を送る。
「たくさんの応援ありがとうございます! ではピヨたち、準備はいいかなー?」
ピーッ!!
笛の合図で水型ピヨは水を口へ含み、そして水鉄砲を発射した。結果は外れてしまった。
「あ~~っ!! 残念! もう一回、もう一回やってみましょう! 皆さん、また応援お願いします! さっきよりも大きな応援を!」
「ピヨさんたちがんばれー!」
珍しくココロが大きな声を出している。それだけ頑張ってほしいと願っているようだ。
会場が一体となり応援する中、二回目の挑戦。
ピーッ!!
気合いの入った水型ピヨの水鉄砲が発射される。そしてそれは見事に風船へ命中し割ることが出来た。
「成功しましたーー!! 皆さん応援ありがとうございましたーー!!」
「やったね、ピヨさんたち風船われたよ!」
「あんな高いとこまで水鉄砲飛ばせるのスゴイよね!」
風船割りは大いに盛り上がり拍手が響き渡る。水型ピヨたちは飼育員のから餌をもらってから優雅に水槽の中を泳ぎ回っている。
「これで水型ピヨのショーは終わりとなります。皆さんありがとうございました~! そしてこの後はショーではないんですが、水型ピヨとハイタッチの体験が出来ます! 体験希望される方はステージの下へお願いしまーす!」
「わあっハイタッチ体験だって! どうする?」
「や……やりたい、けど……はずかしい。……ナッちゃんは?」
「せっかくだしハイタッチしたいな~。でもココロちゃんが行かないならやめよっかな~」
「……行く、だからナッちゃんも行こう?」
「オッケー! じゃあステージ行こう!」
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