超進化ペット!ピヨ 改訂版

朝陽ヨル(月嶺)

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十ニ話 フェイス トゥ フェイス

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 天海一家は伯父の運転する車で目的地まで移動する。そこは墓場だった。お盆期間で墓参りと掃除をしにやって来た。
 天海家と書かれている墓の前に集まると、皆一斉に合掌する。
 ココロも見て真似をしてみたが、これをする意味はなんだろうと疑問に思う。聞こうにも皆が一斉に黙ってしまって聞けなかった。
 呆然と一分間か二分間立ち尽くし、伯父が沈黙を破るとほっとする。 

「よーし、じゃあ掃除すっか。俺は水汲んでくる」
「私は掃き掃除してるわ」
「夏菜とココロは私と一緒に草むしりだな」
「オッケー」
「おじいちゃん、さっきのはなあに? どうしてみんな目をつぶって手を合わせてたの?」
「あれはご先祖様にあいさつしていたんだ。墓はご先祖様の家みたいな所でな、掃除して綺麗にするんだ。お盆はご先祖様をお迎えする大事な行事なんだぞ」
「へえ、そうなんだ」 

 ココロには先祖というものがピンとこなかった。しかし亡くなった人ということはわかっていて、人ではないが最近話題となったクロ吉のことを思い出した。 

 クロ吉さんもミドリおばあちゃんがたてたおはかにいるんだよね。クロ吉さんがちゃんとミドリおばあちゃんのところに行けますように…… 

 ココロは改めて手を合わせ目を瞑りクロ吉のこと想う。
 草むしりは各自ビニール袋を持ち、墓周辺の雑草を手分けして抜いていく。 

 カサカサッ 

「えっ?」 

 生えている雑草の合間に落ちている葉が擦れ合う音。
 長く伸びた雑草の影に何かがいて動いたような気がした。興味が湧いてきて音がした辺りの雑草を抜いてみる。 

「いない……もうどっか行っちゃったのかな」 

 カサッカサッ 

 一メートル程離れた先でまた音が聞こえた。ココロはまたその辺りの雑草を抜き、また別の箇所で聞いては雑草を抜いていった。 

「あ……音が聞こえて見にいったら何もいなかったって……ナッちゃんのお話みたい」 

 カサカサッ 

「あっ!」 

 音が聞こえた箇所へ視線を移しながら近づくとその正体を見逃さなかった。 

「やっぱりトカゲさんだ」 

 予想していた通り尻尾の長いトカゲを確認することが出来て満足する。音を追いかけていたら天海家の墓からニ基離れた場所まで移動していた。 

「あれ、なんか……いる」 

 地面と雑草ばかり見ていた顔をふと上げてみたら墓の影に何かが動いているのを発見する。ホコリが舞うようなふわふわと不規則な動きで飛んでいる何か。目を凝らして暫く見ていると、影から体がやたら細いトリのような何かが出てきた。サイズは小雛程度だが、片翼で羽毛は無くもろ骨。色は保護色で動く度に近くの物の色に変化していて、影色から今は草と土の色をしている。非常に見えづらい。くちばしがありそれでなんとかトリと判断した。 

「うわあっ!! のっぺらぼうだ!!」 

 そのトリには目が無かった。
 わかった瞬間にココロは立ち上がり逃げるようにして天海家の墓まで戻り、祖父の足にしがみついた。
 祖父はよろめいたが体勢を立て直し、怯えるココロに目を向けた。 

「どうしたんだ?」
「あ、あそこにこわいトリさんがいた!」
「怖いトリ? 珍しいな。ココロがトリを怖がるなんて」
「のっぺらぼうだったの!」
「のっぺらぼう?」
「ほそくてふらふらしてて、くちばしはあるけど目がないの!」
「そんなトリは見たことがないな」
「おじいちゃんもしらないトリさん?」
「うーむ……私もトリに詳しいわけではないからな。目が無い生き物か……」 

 祖父が難しい顔をしている。困らせてしまっていると思ったら急にそわそわとしてきてしまう。 

「もしかしたらムシさんだったのかも……また見てくる」 

 そう言ってすぐに見かけた場所へ向かっていった。怖さよりも興味が勝っている。しかしいくら捜してもそのトリらしき生物は見当たらなかった。
 墓掃除が済むと帰宅する。そしてすぐさまクックに対面した。 

「クックさんただいま」
「主、オ帰リナサイ」
「あのね、おはかにのっぺらぼういたの」
「ナント!?」
「びっくりしてこわくなってにげちゃったんだけど、トリさんののっぺらぼう見たんだよ」
「夏菜はオ化ケいない言ッテマシタ」
「でもいたよ。ふらふらしてた」
「モシカシタラ、ソノトリはピヨダッタノカモシレマセンヨ」
「ピヨさん? ……ピヨさんだったのかな」 

 夏菜や伯父と伯母にも話してみたが結局正体はわからなかった。
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