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道連れ
しおりを挟む突然目が覚めたのは朝の朝刊を運ぶバイクが来る時間帯だ
ふと何故かベットから吸い込まれるように起き上がり
カーテンから外を覗く
今日は満月の日で
外は懐中電灯がいらない程の明るさである
すると家の目の前に
バスが停まっている
近くにバス停はない
何故ピンポイントに
家の前に停まっているのか
寝室のドアを開け
部屋を出ようとすると
ベットで共に寝ていた
妻の顔を見ると何故かしみじみと感じた
2階から階段を下りる
いつもは歳の影響もあってか
支えなしでは降りれなかったが
今は身軽に降りれる
なんだか若い時のようだ
軽い足取りで玄関のドアを開けると
バスは今も停まっており
ドアが開いた
私は吸い込まれるように入っていく
バスの中は客はまばらであり
運転手も何事もなく発車する
ミラーから運転手の顔をのぞく
急な違和感が襲う
見たことある顔だ
周りの客を見回す
なんと全員見たことがある顔だ
私は気づき
前に座っている人に声をかけた
「お前、前田か?!久しぶりだな
なんだ中学ぶりか?」
前田は笑顔で頷く
幼馴染で中学卒業まで週末になるとよく外に出てなけなしの小遣いで駄菓子屋に行き棒アイスを半分ずつ食べたのを思い出す
「久しぶりだね、なんか奇遇だね」
頷き返し
隣を見るとそこには高校時代の友人である竹井がいた
「おい、香川なんで俺には声かけないんだよ」
香川は私の名前である
竹井とは高校の時部活動の三年間を共にし最後の大会で泣き合った良い友人だ
ここで思い出した
運転手は
私が会社の営業部長の時新人で入ってきた松川ではないか
私が松川の顔をまじまじと見つめると
松川は照れた顔で
「部長何見てるんですか?
なんか話してくださいよー」
そう言われ私は微笑む
松川はよく俺が冗談のつもりで言った事も全てやり遂げ後輩ながら頭が下がらないほどお世話になった
この空間
今いる3人この3人自体は直接的な繋がりはなく唯一の共通点は私の友人である点のみだ
この空間を考えてみると不気味だが
何故か非常に楽しく
居心地の良い空間である
今私がバスに乗ってることも忘れ
3人と会話に楽しんでいると
ゾッと寒気がしたのだ
松川ってもう亡くなっているはずだ
出張先のホテルで心筋梗塞で亡くなったのだ
待ってくれ竹井、前田もではないか
どういう事だと戸惑う私は横目に
3人は会話を続ける
すると突然視界が歪んだ
バスが急ハンドルを切り
目の前に写るガードレールに突っ込んだのだ
その時運転手である松川の顔が
なぜだか妻の顔に見えた
その衝撃で私は目を閉じた
大きな事故が起きたはずなのに
何も体が痛くない
恐る恐る目を開けると
そこは家のベットだった
外を見ると夜の明るさではなく
昼前の明るさのようだった
隣には妻が座っており
「あ~、良かった
あなた朝起こしても反応がなくて
ずっと私待ってたのよ」
てっきり走馬灯を見てるいるのかと思う
なんだ夢を見ていただけかと
心のなかでそう呟くと
妻は私の顔を見るなり
「ねぇ、あなたはね
あんな所に行けると思った?
悪いことしかしてないよね?
松川さんや竹井さん前田さんと私
どっちが大事?
いつもは友人と遊んでばかりだけど
今回くらい私と
一緒に行きましょうよ」
そう妻は私の目の前でそう囁いた途端
妻が私の首に手を入れたところで
視界が真っ暗になった
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