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花束を君へ
しおりを挟む普段は虫たちの鳴き声しか聞こえない田舎道を彼は彼女と歩く
カップルのように手をつなぎ
希望に満ちた微笑を浮かべていた
「いつもは退屈だけど君といると
この時間も愛しいよ
「何その言い方、でも私も◯◯君と歩くと本当に幸せ」
「ここは田舎だから自分の家の明かりがこんな遠くからでも見えるよ」
「あれが家?私の家もその近く?おぼえてるでしょ?」
「もちろん、これから行くよ」
「え、今?行くなら先に教えてよ」
「ごめんごめんでもお母さんにはちゃんと伝えたから」
「次からお母さんじゃなくて私に教えてよね!」
「分かったよ、ごめんね
先に伝えておくから」
彼は申し訳なさそうな表情で
そう呟いた
「でも私たち最近会えてないよね」
「そうだね同じ高校なのにね」
「学校が同じなのに
会えないなんてこんな悲しいことないわ」
「うん、会いたくても会えなかった
今会えて本当に嬉しいよ」
「もう君の家に着くよ」
「あっ、本当だ私先に入るね」
引き戸を空ける。
「お母さんただいま帰ってきたよ」
「今来ましたおじゃまします」
それに続く形で彼も入る。
「あら、〇〇君よく来てくれたね
葬式以来ね」
「そうですね」
彼は今日人前では初めての悲しげは表情で母親にそう呟いた
「顔見せに行ってあげて」
彼は彼女が大好きだった
花束を優しく抱えて
彼女のいる部屋へ向かった。
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