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あなたの夢は?
しおりを挟む見慣れた街並みを歩いていると
私の目の前にはまだ見たことのないお店があった
壁に貼ってある紙には
「今回の消費期限3日対価は後ほど」
と記されていた
何も無い日常に飽き飽きしていた
私にとって
それは少し刺激を感じる出会いだった
しかしお店には店名もなく貼り紙しか
なかったが
不気味さよりも冒険心が勝ち
扉を開けた。
店内は僅かな明かりのみで
雰囲気としては小綺麗なバーのようで
あったがワインなどは無かった
私は一歩一歩小股で前にへと進むと
奥から
長いあご髭を垂らし
スーツを着て
いかにも紳士らしい姿の老人がいた
私が話そうとした瞬間
老人が深々と礼をし
「いらっしゃいませ
当店は好きな夢を見れる事が出来ます」
「夢を見れる?」
「そうです
あなたが思う夢、例えば昔の友人と遊ぶ夢、昔の好きな人と出会う夢
それを頭の中でイメージさえすれば
寝る時の夢で見たい夢が現れます」
「どうですか、買いますか?」
好きな夢を見れる、そんな事があるのか
一旦値段だけでも聞いてみよう
「値段はいくらですか?」
老人は笑顔で首を振り
「値段はいりません」
そう返答されると
買わない理由もなく
即座に買うと返事をすると
老人は頷き
カウンターの裏から埃まみれ瓶を
出してきた
「このお薬を飲んでください
お水は不要です
それを飲むと好きな夢が見れます」
見ず知らずの人に薬を貰うという出来事は不思議と僕を魅了した
唆されるがままに
私は薬を貰った
その後別れを告げ家に帰り
寝る時間を迎えた
薬を飲み
私は
子供の時に好きだった小説の
世界に入ってみたいと思い
それを脳内に思い浮かべ目を閉じた
目を閉じるなり
本で読んだあの世界が現れた
夢の中の映像は
小説の主人公が居て
私もいる
読んでいた時にイメージしていた街並みや登場人物のが
見事に映像化され
まさに希望していた夢が見れたのであった
しかし楽しい事は一瞬で過ぎ去るもので
私は目覚めてしまった
スマホの時間を見ると朝の6時であったが
日付を見ると
寝た日から3日も経っているのだ
その間私は食事も水分も摂っていない
そのため体の調子が幾分悪い
急いで下の階にある冷蔵庫から水を取らなければ
ベットから起き上がり階段を下ろうとしたその時私は足を踏み外した
鈍い音が体から聞こえ
あちこちに激痛が走る
下の階に着いた時には
意識が朦朧として
倒れ込んでしまった
近くで足音が聞こえる
力を振り絞り目を開ける
そこにはあの老人が居た
老人は私を見るなり
「3日間何も食べてないと体はそうなりますよ、何事もね無料というものは
無いんですよ
だから今回はね対価として」
「あなたの夢のアイデアを頂きました
子供の時の夢は非常に高価な物ですから」
ニヤリと私の前で満面の笑みで微笑み
老人は姿を消した
ふと意識が目覚めた時
そこには全く見覚えのない小説が
1個置かれていた。
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