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夢から覚めないで
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帰りたくない。
金曜日の夜、お泊り仕様で美咲さんの部屋に向かった。私はすっかり美咲さんに夢中だった。そして美咲さんも受け止めてくれるものだから、ついつい求めてしまう。会う前まではただの遊び、と割り切る約束をしていたはずなのに、お互いそれを実行せず撤回の言葉も交わしてはいなかった。
部屋に入るやいなやキスをして、たくさん触り合った。でも、そうされればされるほど、もっと欲しくなってしまうのだ。自分がどうにかなってしまうという怖さを感じているのに、もっと壊して欲しいと願っている自分もいる。
今夜の逢瀬は、月曜日に私がオナニーしている所へいきなり美咲さんから電話がかかってきて以来だった。今日までの間に簡単なメッセージのやり取りはしていたが、なぜか美咲さんはメッセージ交換の中で私を煽らなくなったのだ。理由はよくわからない。
今週は、同期で同じ受付担当の友紀から「メス感だだ漏れ」という指摘を受けて以来、偶然なのか何なのか、関わる人の多くから微妙な視線を向けられているような気がした。殊更肌艶がいいねと言う女性社員もいれば、飲み会にしつこく誘ってくる男性社員もいた。
お願いだからみんな私に注目しないで欲しい。ただ一方で、これまでは妙になれなれしく接してくるような男性社員がにわかに静かになったりもした。友紀は何かを感じ取っているようだったが、すぐにはそれを教えてくれなかった。
私が周囲の変化にいぶかっていると、友紀はそれとなく教えてくれた。
「メス感だけじゃなくて、満たされオーラも出てるのよ」
なるほどそれで声をかけてくる層が変化したのか。でも。
「それって以前は不満オーラが出てたって事なの?」
思わず疑問を言葉にしてしまう。「いやそういうわけじゃないけど」と友紀は声をひそめた。来客がないとは言え私たちは受付のカウンター業務中だったからだ。私はそれ以上追求するのを諦める事にした。
…美咲さんに聞いたら教えてもらえるだろうか。私に起こっている変化の事を。
ウィークデーはそのまま、普段通りに過ごしたつもりだ。でも、美咲さんに早く会いたいという思いが募っていき、なかなか平常心を保てなかった。だから、せっかくこうして美咲さんに会えている今だって、ゆっくり話をすればいいのにやたらと焦って求めてしまっている。
私のそういう部分を美咲さんは責める事もなく、どこかでわかってくれているようだった。とにかく納得いくまでやる事をやらないとダメな子なのねと思っているのではないか、そんな気がする。そうでなければここまで私に合わせてはくれないはずだ。
ひたすら快楽を貪り、その後は失神したように眠る。私がしたいのはこういう交わりなのだ。でも私が眠っている間に美咲さんはどこかへ行ってしまうかもしれない、などというネガティブな想像も、意識が落ちる前のほんの一瞬、頭をかすめた。
実際には、しばらく眠っていても、また快楽の刺激で覚醒させられる。知らない間に美咲さんの指先が私の胸や秘部を愛撫するのだ。
「ん…お姉さまぁ」
朦朧としながら美咲さんの存在を確かめるようにしがみつく。それが、まるで「もっと」とせがんでいるように受け取られてしまっても、もうどうでも良かった。
そうすると緩やかな愛撫から私を感じさせるための行為へと切り替わるように指が激しく動かされる。私は思わず声をあげてその気持ちよさに没頭した。
「あ、あ…っ…」
本当は話したい事もたくさんあるのに、それよりも先に私の身体に触れて欲しくて、また私も美咲さんに触れていたくて仕方ない。美咲さんは何も気にしないといった様子で、自分の指を汚し口元を汚しながら私の身体を貪るように触れてきた。そんな美咲さんの姿を見ていると私も全てを差し出そうという思いが自然に溢れてきて、抑える事も忘れてただ求めては浸る事を繰り返してしまうのだ。
「冴子」
言いながら、美咲さんが私の顔をまたぐようにして四つん這いの姿勢を取る。私の目の前には美咲さんの大事な所が、そして美咲さんの目の前には私のだらしない秘部が見えているはずだ。
私が目の前にある美咲さんのそこにただ見入っていると、ふいにジュッという音を立てて美咲さんが私の秘部をすすり上げた。その場所が見えない分いつどう触られるのかわからず、そのスリルや突然の刺激にまた昂りを覚える。
「あんっ」
美咲さんの口淫に声をあげながら、私は指で美咲さんの秘部をなぞるように蜜を塗り広げていく。萌芽を剥き出しにしてわざと細い息を吹きかけながら、もう片方の手では指を思い切り中まで突き入れる。そうすると美咲さんの腰ががくっと痙攣して、私の股間に埋めている美咲さんの頭が更に深く沈む感覚があった。自然と美咲さんの舌が私の中に入り込んで、ヌルヌルと中で蠢く。
「あぁっ、お姉さま…ん…ふぁ…」
思わず自分の指が大きく動いてしまい、美咲さんの中を思い切り擦り上げる。剥き出しにした萌芽を指の腹でつつきながら、蜜をお尻の割れ目にまで塗り広げて、美咲さんにそこを舐めるという予告を行った。
美咲さんの腰が落ちてきて私の口元に密着する。私は両手で美咲さんの太腿を抱えながら、密着した部分に届く限り舌を這わせたり、吸い上げたりした。
互いの秘部から卑猥な水音が響き、またうめくような吐息やたまに大きく喘ぐ声などが入り混じるだけの時間が過ぎていく。口だけで愛撫しているので延々と長く緩やかに高まる中で、わざと引き延ばすように顔や腰を離してみたりしながら、少しでもこの時間が長く続けたいと祈るような時間が過ぎていくのだ。時折休み、時折乱暴に相手の秘部に刺激を加えて、自分もまた同様に高まっていく。この、終わらない感覚に私は堕ちていくのだった。
「あ…お姉さまもうわからなくなっちゃう」
「じゃあ、もっと違う事をしないとね」
緩く終わらない快感の先には、美咲さんのあれが待っている、と思っていたのに、美咲さんの意地悪な思い付きで私は更に焦らされた。
「ほんとは突っ込む方じゃなくてこれを先にやるべきだったわね」
すっかり慣れた手つきで私の手首を後ろ手に拘束し、身体を起こして脚を大きくM字に開かされた。そこで美咲さんはローターを取り出してそっと私の身体に当ててくる。
「…っふ…っあ」
今になってこんな事をされるのは辛い。私は涙をこらえて懇願する。
「恥ずかしいです、もう入れて欲しいのに」
「まだダメよ」
「…」
美咲さんは慎重にローターをぶら下げて私の乳首をかすめたり、びしょ濡れになった萌芽の先にちょんと当てては遠ざけてしまう。離れていくローターから糸が引いているのがちらりと見えてしまい私は更に恥ずかしくなる。
「…もう我慢できませんっ、お願いです」
「何が我慢できないの?」
美咲さんだってさっきあんなに感じて喘いでいたのに、何故今こうも冷静でいられるのだろうか。私には不思議で仕方なかった。
「早くおまんこにあれを入れて欲しくて我慢できません」
「あれ、ね…」
既に今日も使った「あれ」の事をわかっているのに美咲さんはぼんやりと考えるようにしながら、痙攣する私の太腿や股間をじっと見つめている。
「…じゃ、これをここに当てながら入れてあげる」
「…え…あ!」
それまでちょんちょんと当てていただけのローターをいきなり萌芽にしっかりと当てて振動を与えながら、器用にあれを装着して、美咲さんは私の中に入ってきた。内側の圧迫と、やまない振動で自分の中から何かがばっと溢れたような感覚があった。粘着質ではない別種の水音がして、それは美咲さんの身体にかかってしまうのではないかというほどの量だった。
「…っ…あん…」
私が自分の身体に起きている事をいまいち理解できずにいると、美咲さんは「ほらね」と呟いた。「いっぱい焦らしたから、そしたらこんなに潮吹いちゃってるのよ、冴子は」と言葉で伝えられる。
「…そうなんですか」
逆に美咲さんが少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに気を取り直して突き入れたものを徐々に激しく出し入れした。ローターも相変わらず離れない。
私は拘束された手首を後ろに着いた状態なのでこれ以上身動きは取れない。ただだらしなく両脚を開いたまま、喘ぐだけだった。
「あ…!お姉さま…あ…ん…」
「イく時はちゃんと私の顔を見て、イくって言うのよ」
「はい…あ、いっちゃうっ」
思わず目を閉じそうになるのをこらえて美咲さんの顔を見た。目が合うとものすごい羞恥心に襲われた。
「目をそらさないで、私の目を見て言って」
「…お姉さまいっちゃいます…イ…あっ」
見えていたはずの美咲さんの姿が一瞬消えるような錯覚に陥ったが、視線は美咲さんに合っていたはずだ。それでも達する私の姿を見て美咲さんもまた興奮しているのだという事は伝わってきた。
「まだやめないからね」
「はい、あの…あ…っまた…」
「またイっちゃうの?」
「はい、い…あぁっ」
今度は浅く達した。美咲さんの装着したものは私の奥で留まっている。そのまま私が一旦達した状態からほんの少し意識を取り戻した所で、奥まで押し込んだものを軽くぐいっと圧迫するようにされただけで、また軽く達する。それが何回か繰り返されて、自分でも妙な感覚だった。
しかし我慢できなくなったのか、美咲さんは私に密着してきて、ちょうど二人の萌芽でローターを挟むように押し当てると、私の身体を抱きかかえるようにして腰を激しく動かした。
「…冴子」
「お姉さま、いやらしいですっ…」
「当たり前でしょ」
「あ…っ…」
「冴子」
言いながら美咲さんが「んっ」とうめくように声をあげて達する。一瞬で美咲さんの身体がぐったりと私にしなだれかかってきて、私は必死で後ろに縛られた手首で身体を支えた。美咲さんが抱き付いてきたままはぁはぁと呼吸しているのを見て、余裕のない美咲さんの姿を見る事ができたのと、それを今は自分だけが独占できている事にたまらなく嬉しくなった。
「冴子」
抱き付いたまま美咲さんが私の手首の拘束を解いてくれた。それで私もやっと美咲さんに抱き付いて、汗や蜜や私の出した色々なもので濡れた身体を密着させる。我慢できなくなり美咲さんの唇にしゃぶりつくと、美咲さんは応えてくれた。
約束していない関係だから、安心も未来もないからだ。だから今日もこれが最後かもしれないという思いの中で、私たちは快楽を交換するのだろう。それはとても苦しいのだが、同時に今までの誰よりも高い所まで、と純粋に快感を追い求める事もできるのだと思う。
その日も一緒にシャワーを浴びたり、その後またすぐに襲われたりするような時間を過ごした。少しだけだが美咲さんがお風呂でローションを使おうと言って、試したりもした。美咲さんが面白がって私の身体にローションを塗りたくって、たくさんいたずらしてきた。ローションを塗りながら「さっき冴子が出してたのとそっくり」などと美咲さんが言うので私はとても恥ずかしい思いをしたけれど、美咲さんの指で弄ばれるとまた快感に支配された。
金曜日の夜、お泊り仕様で美咲さんの部屋に向かった。私はすっかり美咲さんに夢中だった。そして美咲さんも受け止めてくれるものだから、ついつい求めてしまう。会う前まではただの遊び、と割り切る約束をしていたはずなのに、お互いそれを実行せず撤回の言葉も交わしてはいなかった。
部屋に入るやいなやキスをして、たくさん触り合った。でも、そうされればされるほど、もっと欲しくなってしまうのだ。自分がどうにかなってしまうという怖さを感じているのに、もっと壊して欲しいと願っている自分もいる。
今夜の逢瀬は、月曜日に私がオナニーしている所へいきなり美咲さんから電話がかかってきて以来だった。今日までの間に簡単なメッセージのやり取りはしていたが、なぜか美咲さんはメッセージ交換の中で私を煽らなくなったのだ。理由はよくわからない。
今週は、同期で同じ受付担当の友紀から「メス感だだ漏れ」という指摘を受けて以来、偶然なのか何なのか、関わる人の多くから微妙な視線を向けられているような気がした。殊更肌艶がいいねと言う女性社員もいれば、飲み会にしつこく誘ってくる男性社員もいた。
お願いだからみんな私に注目しないで欲しい。ただ一方で、これまでは妙になれなれしく接してくるような男性社員がにわかに静かになったりもした。友紀は何かを感じ取っているようだったが、すぐにはそれを教えてくれなかった。
私が周囲の変化にいぶかっていると、友紀はそれとなく教えてくれた。
「メス感だけじゃなくて、満たされオーラも出てるのよ」
なるほどそれで声をかけてくる層が変化したのか。でも。
「それって以前は不満オーラが出てたって事なの?」
思わず疑問を言葉にしてしまう。「いやそういうわけじゃないけど」と友紀は声をひそめた。来客がないとは言え私たちは受付のカウンター業務中だったからだ。私はそれ以上追求するのを諦める事にした。
…美咲さんに聞いたら教えてもらえるだろうか。私に起こっている変化の事を。
ウィークデーはそのまま、普段通りに過ごしたつもりだ。でも、美咲さんに早く会いたいという思いが募っていき、なかなか平常心を保てなかった。だから、せっかくこうして美咲さんに会えている今だって、ゆっくり話をすればいいのにやたらと焦って求めてしまっている。
私のそういう部分を美咲さんは責める事もなく、どこかでわかってくれているようだった。とにかく納得いくまでやる事をやらないとダメな子なのねと思っているのではないか、そんな気がする。そうでなければここまで私に合わせてはくれないはずだ。
ひたすら快楽を貪り、その後は失神したように眠る。私がしたいのはこういう交わりなのだ。でも私が眠っている間に美咲さんはどこかへ行ってしまうかもしれない、などというネガティブな想像も、意識が落ちる前のほんの一瞬、頭をかすめた。
実際には、しばらく眠っていても、また快楽の刺激で覚醒させられる。知らない間に美咲さんの指先が私の胸や秘部を愛撫するのだ。
「ん…お姉さまぁ」
朦朧としながら美咲さんの存在を確かめるようにしがみつく。それが、まるで「もっと」とせがんでいるように受け取られてしまっても、もうどうでも良かった。
そうすると緩やかな愛撫から私を感じさせるための行為へと切り替わるように指が激しく動かされる。私は思わず声をあげてその気持ちよさに没頭した。
「あ、あ…っ…」
本当は話したい事もたくさんあるのに、それよりも先に私の身体に触れて欲しくて、また私も美咲さんに触れていたくて仕方ない。美咲さんは何も気にしないといった様子で、自分の指を汚し口元を汚しながら私の身体を貪るように触れてきた。そんな美咲さんの姿を見ていると私も全てを差し出そうという思いが自然に溢れてきて、抑える事も忘れてただ求めては浸る事を繰り返してしまうのだ。
「冴子」
言いながら、美咲さんが私の顔をまたぐようにして四つん這いの姿勢を取る。私の目の前には美咲さんの大事な所が、そして美咲さんの目の前には私のだらしない秘部が見えているはずだ。
私が目の前にある美咲さんのそこにただ見入っていると、ふいにジュッという音を立てて美咲さんが私の秘部をすすり上げた。その場所が見えない分いつどう触られるのかわからず、そのスリルや突然の刺激にまた昂りを覚える。
「あんっ」
美咲さんの口淫に声をあげながら、私は指で美咲さんの秘部をなぞるように蜜を塗り広げていく。萌芽を剥き出しにしてわざと細い息を吹きかけながら、もう片方の手では指を思い切り中まで突き入れる。そうすると美咲さんの腰ががくっと痙攣して、私の股間に埋めている美咲さんの頭が更に深く沈む感覚があった。自然と美咲さんの舌が私の中に入り込んで、ヌルヌルと中で蠢く。
「あぁっ、お姉さま…ん…ふぁ…」
思わず自分の指が大きく動いてしまい、美咲さんの中を思い切り擦り上げる。剥き出しにした萌芽を指の腹でつつきながら、蜜をお尻の割れ目にまで塗り広げて、美咲さんにそこを舐めるという予告を行った。
美咲さんの腰が落ちてきて私の口元に密着する。私は両手で美咲さんの太腿を抱えながら、密着した部分に届く限り舌を這わせたり、吸い上げたりした。
互いの秘部から卑猥な水音が響き、またうめくような吐息やたまに大きく喘ぐ声などが入り混じるだけの時間が過ぎていく。口だけで愛撫しているので延々と長く緩やかに高まる中で、わざと引き延ばすように顔や腰を離してみたりしながら、少しでもこの時間が長く続けたいと祈るような時間が過ぎていくのだ。時折休み、時折乱暴に相手の秘部に刺激を加えて、自分もまた同様に高まっていく。この、終わらない感覚に私は堕ちていくのだった。
「あ…お姉さまもうわからなくなっちゃう」
「じゃあ、もっと違う事をしないとね」
緩く終わらない快感の先には、美咲さんのあれが待っている、と思っていたのに、美咲さんの意地悪な思い付きで私は更に焦らされた。
「ほんとは突っ込む方じゃなくてこれを先にやるべきだったわね」
すっかり慣れた手つきで私の手首を後ろ手に拘束し、身体を起こして脚を大きくM字に開かされた。そこで美咲さんはローターを取り出してそっと私の身体に当ててくる。
「…っふ…っあ」
今になってこんな事をされるのは辛い。私は涙をこらえて懇願する。
「恥ずかしいです、もう入れて欲しいのに」
「まだダメよ」
「…」
美咲さんは慎重にローターをぶら下げて私の乳首をかすめたり、びしょ濡れになった萌芽の先にちょんと当てては遠ざけてしまう。離れていくローターから糸が引いているのがちらりと見えてしまい私は更に恥ずかしくなる。
「…もう我慢できませんっ、お願いです」
「何が我慢できないの?」
美咲さんだってさっきあんなに感じて喘いでいたのに、何故今こうも冷静でいられるのだろうか。私には不思議で仕方なかった。
「早くおまんこにあれを入れて欲しくて我慢できません」
「あれ、ね…」
既に今日も使った「あれ」の事をわかっているのに美咲さんはぼんやりと考えるようにしながら、痙攣する私の太腿や股間をじっと見つめている。
「…じゃ、これをここに当てながら入れてあげる」
「…え…あ!」
それまでちょんちょんと当てていただけのローターをいきなり萌芽にしっかりと当てて振動を与えながら、器用にあれを装着して、美咲さんは私の中に入ってきた。内側の圧迫と、やまない振動で自分の中から何かがばっと溢れたような感覚があった。粘着質ではない別種の水音がして、それは美咲さんの身体にかかってしまうのではないかというほどの量だった。
「…っ…あん…」
私が自分の身体に起きている事をいまいち理解できずにいると、美咲さんは「ほらね」と呟いた。「いっぱい焦らしたから、そしたらこんなに潮吹いちゃってるのよ、冴子は」と言葉で伝えられる。
「…そうなんですか」
逆に美咲さんが少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに気を取り直して突き入れたものを徐々に激しく出し入れした。ローターも相変わらず離れない。
私は拘束された手首を後ろに着いた状態なのでこれ以上身動きは取れない。ただだらしなく両脚を開いたまま、喘ぐだけだった。
「あ…!お姉さま…あ…ん…」
「イく時はちゃんと私の顔を見て、イくって言うのよ」
「はい…あ、いっちゃうっ」
思わず目を閉じそうになるのをこらえて美咲さんの顔を見た。目が合うとものすごい羞恥心に襲われた。
「目をそらさないで、私の目を見て言って」
「…お姉さまいっちゃいます…イ…あっ」
見えていたはずの美咲さんの姿が一瞬消えるような錯覚に陥ったが、視線は美咲さんに合っていたはずだ。それでも達する私の姿を見て美咲さんもまた興奮しているのだという事は伝わってきた。
「まだやめないからね」
「はい、あの…あ…っまた…」
「またイっちゃうの?」
「はい、い…あぁっ」
今度は浅く達した。美咲さんの装着したものは私の奥で留まっている。そのまま私が一旦達した状態からほんの少し意識を取り戻した所で、奥まで押し込んだものを軽くぐいっと圧迫するようにされただけで、また軽く達する。それが何回か繰り返されて、自分でも妙な感覚だった。
しかし我慢できなくなったのか、美咲さんは私に密着してきて、ちょうど二人の萌芽でローターを挟むように押し当てると、私の身体を抱きかかえるようにして腰を激しく動かした。
「…冴子」
「お姉さま、いやらしいですっ…」
「当たり前でしょ」
「あ…っ…」
「冴子」
言いながら美咲さんが「んっ」とうめくように声をあげて達する。一瞬で美咲さんの身体がぐったりと私にしなだれかかってきて、私は必死で後ろに縛られた手首で身体を支えた。美咲さんが抱き付いてきたままはぁはぁと呼吸しているのを見て、余裕のない美咲さんの姿を見る事ができたのと、それを今は自分だけが独占できている事にたまらなく嬉しくなった。
「冴子」
抱き付いたまま美咲さんが私の手首の拘束を解いてくれた。それで私もやっと美咲さんに抱き付いて、汗や蜜や私の出した色々なもので濡れた身体を密着させる。我慢できなくなり美咲さんの唇にしゃぶりつくと、美咲さんは応えてくれた。
約束していない関係だから、安心も未来もないからだ。だから今日もこれが最後かもしれないという思いの中で、私たちは快楽を交換するのだろう。それはとても苦しいのだが、同時に今までの誰よりも高い所まで、と純粋に快感を追い求める事もできるのだと思う。
その日も一緒にシャワーを浴びたり、その後またすぐに襲われたりするような時間を過ごした。少しだけだが美咲さんがお風呂でローションを使おうと言って、試したりもした。美咲さんが面白がって私の身体にローションを塗りたくって、たくさんいたずらしてきた。ローションを塗りながら「さっき冴子が出してたのとそっくり」などと美咲さんが言うので私はとても恥ずかしい思いをしたけれど、美咲さんの指で弄ばれるとまた快感に支配された。
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