息子の運命、父の執着。3

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side 亮太

脱線してない?してない。

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ああ、また俺の事で父さんを心配させてしまった。

でも、誘拐されたとき、自分がどんな事をされたのか・・・実はあんまり覚えてない。

「ううん。
・・・そんなに覚えてないんだ。
どっちかって言うと、“父さんと親子じゃない”って情報の記憶が鮮烈で。
まぁ、ソレはあいつらの嘘だったんだけど。」

「・・・そう・・・」

父さんは、何か思案しているようだった。

でも俺は俺の考えを伝えないといけない。

「ただ覚えてるのは、あそこは大嫌いって事だよ。
間違いなく大嫌いだ。
誘拐の時の事で覚えてるのは・・・混乱してるけど・・・途中からはただ気持ちよかった・・・んだと思う。
俺・・・イヤラシイ体なんだ・・・ごめんなさい。」

俺は、父さんがそんな事で俺を嫌悪しないと分かってる。

愛する息子だもんね・・・だから言えるんだ。

「そんな事で怒ったりしないよ。」

父さんが俺を抱き起こし、膝に座らせて背中からギュッと抱き締めてくれた。

「・・・父さん好き。」

「私も愛してるよ。」

父さんのへの愛は絶対揺るがない。

俺は息子を越えられない。

どうしようもない・・・

ガラス越しに俺を見つめていた父さんが、目を閉じて、思案するような顔をした。

「・・・ねぇ、亮太?」

しばらく目を閉じた後、父さんは俺を見つめて話だした。

「うん?」

「私と見た身代金請求と一緒に入っていたDVD、覚えてる?」

父さんとガラス越しに見つめ合う。

「・・・俺がエロいことされてる奴?」

アレがあったから父さんの性奴隷になれたんだと思うと、誘拐の経験も意味があった・・・複雑な気分だ。

「そう。」

「覚えてる。俺・・・きっと淫乱なんだ。
父さん、変態息子でごめんなさい。」

あのDVDが無ければ・・・父さんにとって俺はただの息子で居られただろう。

でも俺は、きっと父さんへの気持ちは変わらず、アプローチも出来ず、悶々と過ごしていたハズだ。

「・・・アレをみて、私がどう思ったか、教えようか。」

「・・・淫乱息子が世間に迷惑かけちゃだめだから、父親が犠牲になろうって思ったんでしょ。」

「亮太。」

誘拐の時、迎えに来て貰うかどうか迷った時のように、父さんが少し咎めるような声になった。

「そんなに自分を卑下してはいけない。
しつこいようだが、君は私にとって唯一無二だよ。
君は産まれた時から私の特別だったのだから。」

「でも・・・父さん・・・」

俺、父さんに恋するような変態だよ。

父さんを好きなことは後悔して無いが、嬲られて悦ぶ自分の性癖には哀しくなる。

「DVDで亮太が知らない男に嬲られてるのを見たときにね、思ったんだ。
・・・君を嬲るが誘拐犯じゃなく、私であったらいいのにって。」

「・・・え?」

俺の思考が止まった。

「私も自分でビックリしたんだけどね。
私が亮太を嬲りたいって思ったんだ。
・・・父親失格だね。
だから・・・」

初めて聞く父さんの気持ちは、俺の推測と大きく外れた物だった。

「だから?」

「亮太が自分の部屋で私の名前を呼びながら自慰してた時、イラッとしたんだ。
『何故独りでするんだ。私に乞えばいいのに。』って。
『私に乞えば、泣いてヨガるほどシテあげるのに。』って。
君に対してイラつくなんて、君が産まれてから初めての体験だったよ。」

「・・・父さん。」

俺に欲情してくれたって事だ。

嬉しい。

でも思いも寄らなかった展開に、どの反応が正解か分からなかなった。





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