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3年2学期
121話: 天使系小悪魔後輩との1on1②
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「クロード先輩と初めて会ったのは去年の9月でした。お忍びで街に出掛けた時に、身の程知らずな人が絡んできたんですけど、そんな時助けてくれたのが彼だったんです♡」
そう言ってミカエラさんが両手を頬に当て顔を赤らめる。その姿はまるでドラマのワンシーンの様だ。
「確かにそういうの助かるよね。それでクロードのことが気になったの?」
「そういう人って大体後で私の連絡先を聞きたがってそれも困るんですけど、クロード先輩はそんな事せずにそのまま私を表通りまで案内してくれたんです!」
つまり、見返りなしに助けてくれた姿に惹かれたって事だよね。うんうん、なんとなくわかるなぁ。ナンパってそれだけでも面倒だけど、助けてくれた人がいい人とは限らないってのもきついもんね。
「それで、お礼をしようと名前を聞いても断られて」
確かにクロードならそうしそう。人助けをさらっとこなす男だからなぁ。俺も何度助けられたことか……。
こんなことあったら確かに好きにはなるよね。面識ないとか思ってごめんねミカエラさん。
「だから、彼の乗ったバスの方角から所属する学校のあたりをつけて、しらみ潰しに検索して名前を特定しました♡」
「……へ?」
おおーっとぉ!?なんかいきなり空気感変わらなかった今?すごく怖い話聞いた気がしたんだけど気のせいかな。
「あ、あのさ……特定って……」
「エゴサスキルって芸能界では命綱なんですよ。だから私そういうの得意なんです!そのおかげでクロード先輩の名前を知れたんですから私って運がいいですよね♡」
俺の聞き間違いって線でいきたかったんだけど、ガッツリそういう意味だったなこれ。うん、深く考えると怖いから、アイドルってすごいんだねって事にしよう。
「それで調べてるうちに、クロード先輩が文化祭の学園演劇に出る事を知りました。だから私、開放日に参加して観劇もしたんです」
「あ、あの日ミカエラさんも来てたんだ」
去年は一般のお客さんも入れたから、ミカエラさんも見学に来れたんだ。騒ぎにはなってなかったからきっとお忍びスキルがすごいんだろうな。
「私仕事柄顔のいい人は見慣れてるんですけど、もうそんなの目じゃないくらいクロード先輩がかっこよくて……!!生まれて初めて他人のブロマイドを買ったくらいです!」
「えっ、ブロマイド??」
そんなの売ってたっけ?ガネマルは何も言ってないし黙ってやるタイプじゃないからそれ多分違法なやつじゃないかな。まあ今更そんな事言っても野暮だから口に出すのはやめておこう。
「だから私、クロスフォードに入るって決めたんです。芸能科はないですけど、カリキュラムの自由度はあったので仕事とも両立ができそうでしたし」
「そういう志望動機だったんだ……」
うちの学校は名門ではあるけど、人気アイドルが入学するような特色は特にないので地味に気になってたんだよね。まさか好きな人を追いかけての入学だったとは。
「入学してからは中々会えなかったんですけど、6月の体育祭、あの気持ち悪い事件で困っていた私の所にクロード先輩は薬を持って駆けつけてくれたんです!」
「!」
種族特製誘発剤を無差別にかけられる通り魔事件。あの事件ミカエラさんも被害に遭ってたんだ。俺も被害にあったし、それで凄く嫌な目にもあった。あの時確か、クロードは犯人グループを捕縛して薬を確保してくれたんだっけ。
「そして今回の学園演劇でルカ先輩の魔法が暴走した時、クロード先輩が助けに来て、私のことを守ってくれました!こんなのもう、運命以外で説明できないじゃないですかぁ♡」
そう言って彼女は熱を秘めた瞳をギュッと閉じる。完全にお熱だ、これは。
そしてここまで聞いて俺は思う。これはクロードが悪い。悪いって言い方は変かもしれないけど、こんな事されて好きにならないわけがない。逆にこんな事されて落ちない人がいるなら余程の鈍感、というか鈍すぎて逆に怖いと思う。
(まあ俺は慣れてるけど、耐性ない人が受けたらイチコロだよね)
そんな事を考えながら俺が適度に相槌を打っていたら、彼女の語気がまた強まる。
「それなのに、肝心のクロード先輩が私の事を見てくれないんです!」
バンっと音を立てて机に両手を付き、彼女は立ち上がって俺を見下ろした。宝石みたいなピンクの瞳が俺の顔を映しているのが見える。
「クロード先輩の事を調べていくうちに、フレン先輩の事を知りました。幼馴染でいつも一緒で、彼が一番優先する相手だって」
「そ、そんな事まで調べられるんだ……」
クロードが俺を一番優先してるかどうかはわかんないけど、幼馴染って事や仲がいい事とかってどこで調べたら出てくるんだろう。
「フレン先輩の事も調べて、顔以外は平凡だって事もわかりました。だからこの学園で私が一番になれば、クロード先輩は私に振り向く筈なんです!」
か、顔以外平凡って……確かにその通りだけどすごい事言われちゃった。一応勉強とかも俺なりに頑張ってるんだけど、客観的な評価って刺さるなぁ。
俺が一人傷ついてる中、彼女は気にせず言葉を続ける。
「でも、今回学園演劇で私がフレン先輩の評価を抜いても、クロード先輩には何も届きませんでした」
……なるほど、だからミカエラさんは欲しかった一番を取っても納得できなかったんだ。彼女に取っては一番を取る事じゃなくて一番を取ってクロードに見てもらう事が目的だったから。落ち込んだ表情の彼女になんて声をかけたらいいかわからず俺が黙っていたら彼女が顔を上げる。
「でも、こんな事で諦められるわけないです!だから、次こそはフレン先輩に勝って、クロード先輩を私の虜にしてみせます!」
そう言って彼女は強い輝きを秘めた瞳で俺を見る。その視線の強さに俺は思わず背筋が震えた。そもそも俺に勝つって何?もう他に勝負するものもないし。そもそもクロードは俺の幼馴染ではあるけれど、俺のものとかじゃないんだけど……。
「だから今はまだ一番を預けておきます!もっともっと凄いアイドルになって、学業も完璧にして、私が一番って事を証明しますからそれまで首を洗って待っててくださいね♡」
「え……ええー!?」
そう言って笑う彼女はまさにキャッチコピー通りの天使の様な笑顔だったけど俺にとっては悪魔の宣告にしか感じられなかった。ただ、これは怖いので口に出すのはやめておこうと思う。
そう言ってミカエラさんが両手を頬に当て顔を赤らめる。その姿はまるでドラマのワンシーンの様だ。
「確かにそういうの助かるよね。それでクロードのことが気になったの?」
「そういう人って大体後で私の連絡先を聞きたがってそれも困るんですけど、クロード先輩はそんな事せずにそのまま私を表通りまで案内してくれたんです!」
つまり、見返りなしに助けてくれた姿に惹かれたって事だよね。うんうん、なんとなくわかるなぁ。ナンパってそれだけでも面倒だけど、助けてくれた人がいい人とは限らないってのもきついもんね。
「それで、お礼をしようと名前を聞いても断られて」
確かにクロードならそうしそう。人助けをさらっとこなす男だからなぁ。俺も何度助けられたことか……。
こんなことあったら確かに好きにはなるよね。面識ないとか思ってごめんねミカエラさん。
「だから、彼の乗ったバスの方角から所属する学校のあたりをつけて、しらみ潰しに検索して名前を特定しました♡」
「……へ?」
おおーっとぉ!?なんかいきなり空気感変わらなかった今?すごく怖い話聞いた気がしたんだけど気のせいかな。
「あ、あのさ……特定って……」
「エゴサスキルって芸能界では命綱なんですよ。だから私そういうの得意なんです!そのおかげでクロード先輩の名前を知れたんですから私って運がいいですよね♡」
俺の聞き間違いって線でいきたかったんだけど、ガッツリそういう意味だったなこれ。うん、深く考えると怖いから、アイドルってすごいんだねって事にしよう。
「それで調べてるうちに、クロード先輩が文化祭の学園演劇に出る事を知りました。だから私、開放日に参加して観劇もしたんです」
「あ、あの日ミカエラさんも来てたんだ」
去年は一般のお客さんも入れたから、ミカエラさんも見学に来れたんだ。騒ぎにはなってなかったからきっとお忍びスキルがすごいんだろうな。
「私仕事柄顔のいい人は見慣れてるんですけど、もうそんなの目じゃないくらいクロード先輩がかっこよくて……!!生まれて初めて他人のブロマイドを買ったくらいです!」
「えっ、ブロマイド??」
そんなの売ってたっけ?ガネマルは何も言ってないし黙ってやるタイプじゃないからそれ多分違法なやつじゃないかな。まあ今更そんな事言っても野暮だから口に出すのはやめておこう。
「だから私、クロスフォードに入るって決めたんです。芸能科はないですけど、カリキュラムの自由度はあったので仕事とも両立ができそうでしたし」
「そういう志望動機だったんだ……」
うちの学校は名門ではあるけど、人気アイドルが入学するような特色は特にないので地味に気になってたんだよね。まさか好きな人を追いかけての入学だったとは。
「入学してからは中々会えなかったんですけど、6月の体育祭、あの気持ち悪い事件で困っていた私の所にクロード先輩は薬を持って駆けつけてくれたんです!」
「!」
種族特製誘発剤を無差別にかけられる通り魔事件。あの事件ミカエラさんも被害に遭ってたんだ。俺も被害にあったし、それで凄く嫌な目にもあった。あの時確か、クロードは犯人グループを捕縛して薬を確保してくれたんだっけ。
「そして今回の学園演劇でルカ先輩の魔法が暴走した時、クロード先輩が助けに来て、私のことを守ってくれました!こんなのもう、運命以外で説明できないじゃないですかぁ♡」
そう言って彼女は熱を秘めた瞳をギュッと閉じる。完全にお熱だ、これは。
そしてここまで聞いて俺は思う。これはクロードが悪い。悪いって言い方は変かもしれないけど、こんな事されて好きにならないわけがない。逆にこんな事されて落ちない人がいるなら余程の鈍感、というか鈍すぎて逆に怖いと思う。
(まあ俺は慣れてるけど、耐性ない人が受けたらイチコロだよね)
そんな事を考えながら俺が適度に相槌を打っていたら、彼女の語気がまた強まる。
「それなのに、肝心のクロード先輩が私の事を見てくれないんです!」
バンっと音を立てて机に両手を付き、彼女は立ち上がって俺を見下ろした。宝石みたいなピンクの瞳が俺の顔を映しているのが見える。
「クロード先輩の事を調べていくうちに、フレン先輩の事を知りました。幼馴染でいつも一緒で、彼が一番優先する相手だって」
「そ、そんな事まで調べられるんだ……」
クロードが俺を一番優先してるかどうかはわかんないけど、幼馴染って事や仲がいい事とかってどこで調べたら出てくるんだろう。
「フレン先輩の事も調べて、顔以外は平凡だって事もわかりました。だからこの学園で私が一番になれば、クロード先輩は私に振り向く筈なんです!」
か、顔以外平凡って……確かにその通りだけどすごい事言われちゃった。一応勉強とかも俺なりに頑張ってるんだけど、客観的な評価って刺さるなぁ。
俺が一人傷ついてる中、彼女は気にせず言葉を続ける。
「でも、今回学園演劇で私がフレン先輩の評価を抜いても、クロード先輩には何も届きませんでした」
……なるほど、だからミカエラさんは欲しかった一番を取っても納得できなかったんだ。彼女に取っては一番を取る事じゃなくて一番を取ってクロードに見てもらう事が目的だったから。落ち込んだ表情の彼女になんて声をかけたらいいかわからず俺が黙っていたら彼女が顔を上げる。
「でも、こんな事で諦められるわけないです!だから、次こそはフレン先輩に勝って、クロード先輩を私の虜にしてみせます!」
そう言って彼女は強い輝きを秘めた瞳で俺を見る。その視線の強さに俺は思わず背筋が震えた。そもそも俺に勝つって何?もう他に勝負するものもないし。そもそもクロードは俺の幼馴染ではあるけれど、俺のものとかじゃないんだけど……。
「だから今はまだ一番を預けておきます!もっともっと凄いアイドルになって、学業も完璧にして、私が一番って事を証明しますからそれまで首を洗って待っててくださいね♡」
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