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3年2学期
123話: 天使系小悪魔後輩との1on1④
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「あ、もうこんな時間ですね。せっかくのオフなのに話しすぎました」
そう言ってミカエラさんは鞄を持って立ち上がる。時計を見ると確かにかなりの時間ここにいたみたいだ。
「私はここを出ますけど、先輩は後から出てくださいね!スキャンダルになったら困るので」
「う、うん、わかった」
そこまで気を張らないといけないのは大変だなぁ……なんて俺が彼女のプロとしての苦労に思いを馳せていると目の前に何かが差し出されているのに気がつく。
「何、これ?」
「冬月祭アフターライブのチケットです。先輩にあげます」
そのまま流れで受け取ったチケットには冬月祭の翌日の日付と、座席番号が印字されていた。
「え……いいの?これ、ファンの人とかがもらった方がいいんじゃ……」
「その頃には治ってるでしょうし、私が一番になる輝きを見せてあげるので、予定空けておいてくださいね♡」
俺の言葉には返事を返さず、彼女はそう言って扉の方へ向かっていく。
(あ……ミカエラさん、俺の脚の怪我気づいて……)
ここまできて俺はやっと気がつく。だからさっき俺に言った使い走りをキャンセルしたんだ。それに加えてもう一つ気がついた。これが彼女なりのお詫びなんじゃないかという事に。
最初に彼女は言っていた。感謝はしてないって。多分それは本当だ。だからこれはきっと彼女も見にきていたチアライブでの、俺のジャンプの失敗、その原因となった怪我に対するアイドルとしての彼女の誠意だ。
「ありがとう、ミカエラさん。俺絶対行くね」
物凄く性格はきついし、圧も強い。だけどそれ以上に尊敬できる、俺の先を進む鮮烈な輝きを持った後輩。
多分俺は彼女に好かれてないし、これからもその容赦ない鋭い言葉で刺されたりするだろう。だけどそれでも俺は彼女と知り合いになれてよかったと思う。
「私直々にチケットをあげたんですから、来ないとか許されませんよ?」
「うん、楽しみにしてるね」
そう言って作られる笑顔は天使というより強気な小悪魔そのもので、むしろ彼女らしくて素敵だと思った。
「あ、寮に戻るまでその格好でいてくださいね!私がいた部屋から男の人が出てきたってのも立派なスキャンダルなので。それでは」
「……え?」
そう言って扉を閉めるミカエラさんに反論する間もなく俺は部屋に取り残される。
え、俺この格好で寮まで戻るの……!?嘘だよね!?
◇
「はぁ……えらい一日だった……」
寮の自室でシャワーを浴びながら俺はそう一人呟いた。
夢の話を聞いたばかりだし、スキャンダルは怖いから彼女の言いつけ通り俺は女子の制服で寮に戻った。幸い知り合いには会わなかったけど、知らない男子からチラチラ見られたりして部屋につくまで落ち着かなかった。というかこの制服……どうしたらいいんだろう?
「あ、そうだ忘れないうちに……」
俺は髪を拭きながら、携帯を手に取った。そのままアプリを開いてメッセージを打つ。
『今度、魔法教えてくれない?』
宛先はエリオ君。これは、ミカエラさんの夢の話とミチル先生からの言葉を思い出して俺が今一番やってみたいと思った事。
先生になるかどうかはわからないけど、俺はミカエラさんみたいに自分のできることを増やしたいと思った。その為にはもう少ししっかりと魔法を勉強する必要がある。他の夢を叶えるのにも魔法って付き物だし、俺はそんなに魔法が得意じゃないから。前にエリオ君は魔法を教えてくれるって言ってくれたことがあったし、このお願いをするなら彼しかないと思う。
(エリオ君、どう思うかな……?けど、優しいし考えてはくれるかも?)
いきなりの話だし、どんな返事が返ってくるかはわからない。だけど今できる最善はきっとこれだ。ミカエラさんの様に、俺も少しだけ夢の為に頑張ってみたいと思いながら、俺はまだ濡れている髪を丁寧に乾かした。
そう言ってミカエラさんは鞄を持って立ち上がる。時計を見ると確かにかなりの時間ここにいたみたいだ。
「私はここを出ますけど、先輩は後から出てくださいね!スキャンダルになったら困るので」
「う、うん、わかった」
そこまで気を張らないといけないのは大変だなぁ……なんて俺が彼女のプロとしての苦労に思いを馳せていると目の前に何かが差し出されているのに気がつく。
「何、これ?」
「冬月祭アフターライブのチケットです。先輩にあげます」
そのまま流れで受け取ったチケットには冬月祭の翌日の日付と、座席番号が印字されていた。
「え……いいの?これ、ファンの人とかがもらった方がいいんじゃ……」
「その頃には治ってるでしょうし、私が一番になる輝きを見せてあげるので、予定空けておいてくださいね♡」
俺の言葉には返事を返さず、彼女はそう言って扉の方へ向かっていく。
(あ……ミカエラさん、俺の脚の怪我気づいて……)
ここまできて俺はやっと気がつく。だからさっき俺に言った使い走りをキャンセルしたんだ。それに加えてもう一つ気がついた。これが彼女なりのお詫びなんじゃないかという事に。
最初に彼女は言っていた。感謝はしてないって。多分それは本当だ。だからこれはきっと彼女も見にきていたチアライブでの、俺のジャンプの失敗、その原因となった怪我に対するアイドルとしての彼女の誠意だ。
「ありがとう、ミカエラさん。俺絶対行くね」
物凄く性格はきついし、圧も強い。だけどそれ以上に尊敬できる、俺の先を進む鮮烈な輝きを持った後輩。
多分俺は彼女に好かれてないし、これからもその容赦ない鋭い言葉で刺されたりするだろう。だけどそれでも俺は彼女と知り合いになれてよかったと思う。
「私直々にチケットをあげたんですから、来ないとか許されませんよ?」
「うん、楽しみにしてるね」
そう言って作られる笑顔は天使というより強気な小悪魔そのもので、むしろ彼女らしくて素敵だと思った。
「あ、寮に戻るまでその格好でいてくださいね!私がいた部屋から男の人が出てきたってのも立派なスキャンダルなので。それでは」
「……え?」
そう言って扉を閉めるミカエラさんに反論する間もなく俺は部屋に取り残される。
え、俺この格好で寮まで戻るの……!?嘘だよね!?
◇
「はぁ……えらい一日だった……」
寮の自室でシャワーを浴びながら俺はそう一人呟いた。
夢の話を聞いたばかりだし、スキャンダルは怖いから彼女の言いつけ通り俺は女子の制服で寮に戻った。幸い知り合いには会わなかったけど、知らない男子からチラチラ見られたりして部屋につくまで落ち着かなかった。というかこの制服……どうしたらいいんだろう?
「あ、そうだ忘れないうちに……」
俺は髪を拭きながら、携帯を手に取った。そのままアプリを開いてメッセージを打つ。
『今度、魔法教えてくれない?』
宛先はエリオ君。これは、ミカエラさんの夢の話とミチル先生からの言葉を思い出して俺が今一番やってみたいと思った事。
先生になるかどうかはわからないけど、俺はミカエラさんみたいに自分のできることを増やしたいと思った。その為にはもう少ししっかりと魔法を勉強する必要がある。他の夢を叶えるのにも魔法って付き物だし、俺はそんなに魔法が得意じゃないから。前にエリオ君は魔法を教えてくれるって言ってくれたことがあったし、このお願いをするなら彼しかないと思う。
(エリオ君、どう思うかな……?けど、優しいし考えてはくれるかも?)
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