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1章 1節 仲間と成長の時間 《ディスペア編》
S第22話 《竜騎士》ラングロート・シャイン
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《竜騎士》
ソレは魔物最強であるドラゴンを手懐け、
共に希望と期待、未来を背負い戦場を縦横無尽に駆け《道》を塞ぐ敵を屠る《称号》を持った者達。
約4000年前にこの地へ初代魔王と共に降り立った魔王の右腕《ラングロート》は、
朝も夜も来ず赤い月に照らされた荒廃した大地に蔓延る《魔物》を時に討伐し、時に配下にし、
魔王の指示の元戦友と配下と共に自分達が暮らせる場所を確保しようとしていた。
順調に領地を広げ活動範囲を広げていく魔王軍。
それをよく思わない魔物が居た、
弱肉強食の世界での強者、魔王軍が来るまでここの支配者であった魔物《ドラゴン》であった。
火山を活動拠点とし支配者していた《赤竜》レド、
森の《緑竜》グリー、
海の《水竜》カイオ、
空の《空竜》クゥ、
地の《地竜》アー、
そして何処を拠点としている訳でもなく気ままに生き、自由に捕食をしていた、
《白竜》セフィ
と
《黒竜》ネグリ
今まで自分達が頂点として君臨していたが、
いきなり我が物顔でよそ者が自分の支配圏__家__#を侵略して来たのだ、
不法侵入され気分良くなる生き物は居ないだろう。
《7色の竜》達は魔王軍に襲いかかりラエドの地を守ろうとした。
最初に挑むのは《赤竜レド》相対するのは《ラングロート》ただ1人。
「1人ごときで我に叶うとでも?」
赤竜は挑発するように言った。
「お前一人ごときに魔王様や戦友の手を煩わせる訳には行かない」
と自分の何十倍もの体格そして威圧感を持つ相手に挑発し返す。
「なんだとっ!?」
それを真に受け一撃で全てを焼き払ってしまおうと咆哮と共に口から溶岩以上の熱を持った《吐息》を放ちラングロートを包み込む。
「口程にもない…なっ!?」
レドは目を疑った、何故なら奴は身体を焼かれながらもブレスを突っ切り眼前まで迫っていたのだ。
たった1秒にも満たない時間、死んだと油断していたレドは回避することも出来ずラングロートの剣が左眼を襲う。
視力の喪失と共に耐え難い痛みが襲われ、
みっともなく地面を転げ回るレド、
彼は強者のように振る舞い弱者をいたぶっていたせいで痛みへの耐性が全くない。
そんなレドを哀れんだのか、情けない姿を見て戦意喪失したのか剣を鞘に収めるラングロート。
「貴様が我らをもう襲わぬと言うのであれば、これ以上害する事をやめよう」
とレドの腹の上で言い放つ。
「わかりましたぁ!もうしませんっ」
と涙目で泣き叫ぶ姿に呆れ果てる。
魔王は赤竜レドを撃退した英雄ラングロートを称え事の顛末を聞き、
なぜ見逃したのかと聞いた。
「ここで過ごす上で自分らの力では叶わないような壁が我らに立ち塞がるかもしれません、
そんな時彼らの助けを借り、手を取り合い壁を乗り越えればいいのです。
それに私は戦闘事はあまり得意じゃないですから、それにあのまま戦っていたら拠点にまで被害が出ていたかもしれないですから』
と笑いながら答え脅威が去ったことに安心する魔王軍だったが、
無様に撤退した赤竜の仇を取らないほど他の6色の竜たちは仲間意識が無い訳では無い。
その後も《緑竜》《水竜》《空竜》《地龍》と次々と挑んでいくがそのどれも《ラングロート》という壁を突破できる事はなかった。
《7色の竜》の中で唯一仲間を癒す《吐息》を吐くことが出来る《白竜セフィ》は日に日に疲れ、
反対に壊す事しか脳がない《黒竜ネグリ》は徐々に苛立ちを覚えて行った。
そして遂にネグリが妥当ラングロートを胸に飛び立とうとした時目の前を塞ぐようにセフィが現れる。
「退け、仲間の未練を晴らにいく」
「無理よ!!仲間が怪我を追って帰って来てるでしょ?
いくら貴方でも怪物相手に勝てるわけがないわ!!」
「それでも行くんだ、家を帰る場所をこのまま取られ続けたままでいいのかっ!?」
「言い訳ないでしょ!!…でも家を失うより仲間が傷つく姿を見る方が辛いってなんで分からないのっ!!
戦わなくたって済む方法があるかもしれないわ!!」
セフィの尾がネグリの顔を叩く。
「いくら止めたって俺は行くぜ、絶対に奴を倒す」
そう言って空の彼方に飛び去っていく黒い竜を、
ただ見つめていた。
それから数日が過ぎたが一向に黒き竜が帰ってくる気配がない、
今までは見逃してくれていたが、彼の好戦的な性格も相まってまさかと嫌な予感が過ぎさらに数日
他の5色の竜の元を尋ねるがそのどれも彼の居場所を知るものは居なかった。
「私行ってくるわ」
「行くってどこに?」
「あの侵略者の元によ」
「セフィちゃん本気なの?」
「本気よ、私は知りたい彼がどうなったかを」
「それなら私も着いていく」
「クゥちゃんダメだよ!危ないよ!」
「大丈夫だよ、私はもうやられちゃったから、
襲わないって約束はしたけど近づくなとは言われてないからね、
それにもし襲われたら私がってになるから」
と翼をはためかせ元気よく《空竜》は言うが
「ダメよ、私はこれ以上誰かが傷つくのを見たくないの、
私一人で行くわ」
と飛んでいってしまう
「一人で行かせと思う?皆も同じ気持ちだよね?」
その言葉に4色の竜達は頷く。
「私は《白竜》セフィ、ここに私の仲間を傷付けたラングロートと言う人物が居ると聞いたわ、聞きたい事があるの」
魔王軍の元にたどり着いたセフィは高らかに言った。
他の竜と比べ臆病で怖がるだったセフィの体は震え少し涙目になっていた彼女はこちらに進みでる1人の生物を見据える。
「私がラングロートだ、白き竜よここに何の用だ?」
「ネグリ…黒い竜を貴方はどうしたの?」
「黒い竜?…ああ彼の黒炎はなかなかに厄介だったよ、それでどうしたとは?」
口振りからしておそらく戦ったのだろうと理解する
「彼を貴方は殺したの?」
「とんでもない、他の竜達と同じで少し攻撃させてもらって撤退を促したさ、魔王様としても私も無用な血を流す争いは望んでいない」
その言葉を聞きセフィは小さな穴なら泉になってしまうほどの大粒の涙を流し地べたに座り込んでしまった。
「いきなりどうしたのだ!?」
突然涙を流す白き竜にラングロートは困惑してしまう。
「何処を探しても彼が居ないの、それでもしかしたら貴方に倒されたんじゃないかと思って、でも本当に彼は生きているのよね?」
「おそらくそのはずだ、私の攻撃を受けてもまだ戦おうとする余力と安定して飛べる体力を持っていた、
おそらくどこかにいるだろう…そうだな」
ラングロートは顎に手を当て何かを考え始め、
何かが思いついたかのように手を叩く。
「…もし良かったら私達もその黒き竜ネグリを探させてくれないか?」
「えっ?」
突然の申し出に驚くネフィ。
「体が小さく機動力も劣る我々では役に立てないかもしれないが、数が多いに越したことはないだろう?君さえ良ければだが」
「どうして?」
「その竜は君が涙を流すほど大切な存在なのだろう?
大切な人が居なくなる気持ちは私も知っている、
それに私達は君らが言う侵入者であり、
初めて見る慣れない土地を生きるので必死で周りが見えていなかった、それは申し訳ないと思っている。
こうして対話出来ているのだから最初から傷つけ合わず、手を取り仲良く語らう事も出来たはずだ、
だから今からでも手を取り合うことは出来ないだろうか?
私達は自分が暮らせる土地だけ確保出来たらそれ以上はここを荒らしはしない、もしそれでもダメだと言うなら別の場所に行こう」
「別の場所って《ラエド》には他の大陸は存在しないわ、ここで生きる生物達は死ぬまでの短い期間を精一杯生きることしか出来ない、
いつ死ぬかも分からない恐怖に怯えながら暮らすしかないの…
でも貴方なら何か感じることが出来るかもしれないわね、
ここで最強のドラゴンに勝ったのだから。
いいわ、私の土地を少しあげるわ、だから一緒にネグリを探して」
こうして魔王軍は白き竜と友好関係を築きあげ
次第に他の5色の竜と打ち解けて行った。
その功績と何度もドラゴンを退けた力が魔王や仲間に評価され、
《竜と心を通わせ共に力を合わせ皆を守り明日へ進む騎士》という名の、
《竜騎士》の称号と《シャイン》と言う家名を授かった。
ソレは魔物最強であるドラゴンを手懐け、
共に希望と期待、未来を背負い戦場を縦横無尽に駆け《道》を塞ぐ敵を屠る《称号》を持った者達。
約4000年前にこの地へ初代魔王と共に降り立った魔王の右腕《ラングロート》は、
朝も夜も来ず赤い月に照らされた荒廃した大地に蔓延る《魔物》を時に討伐し、時に配下にし、
魔王の指示の元戦友と配下と共に自分達が暮らせる場所を確保しようとしていた。
順調に領地を広げ活動範囲を広げていく魔王軍。
それをよく思わない魔物が居た、
弱肉強食の世界での強者、魔王軍が来るまでここの支配者であった魔物《ドラゴン》であった。
火山を活動拠点とし支配者していた《赤竜》レド、
森の《緑竜》グリー、
海の《水竜》カイオ、
空の《空竜》クゥ、
地の《地竜》アー、
そして何処を拠点としている訳でもなく気ままに生き、自由に捕食をしていた、
《白竜》セフィ
と
《黒竜》ネグリ
今まで自分達が頂点として君臨していたが、
いきなり我が物顔でよそ者が自分の支配圏__家__#を侵略して来たのだ、
不法侵入され気分良くなる生き物は居ないだろう。
《7色の竜》達は魔王軍に襲いかかりラエドの地を守ろうとした。
最初に挑むのは《赤竜レド》相対するのは《ラングロート》ただ1人。
「1人ごときで我に叶うとでも?」
赤竜は挑発するように言った。
「お前一人ごときに魔王様や戦友の手を煩わせる訳には行かない」
と自分の何十倍もの体格そして威圧感を持つ相手に挑発し返す。
「なんだとっ!?」
それを真に受け一撃で全てを焼き払ってしまおうと咆哮と共に口から溶岩以上の熱を持った《吐息》を放ちラングロートを包み込む。
「口程にもない…なっ!?」
レドは目を疑った、何故なら奴は身体を焼かれながらもブレスを突っ切り眼前まで迫っていたのだ。
たった1秒にも満たない時間、死んだと油断していたレドは回避することも出来ずラングロートの剣が左眼を襲う。
視力の喪失と共に耐え難い痛みが襲われ、
みっともなく地面を転げ回るレド、
彼は強者のように振る舞い弱者をいたぶっていたせいで痛みへの耐性が全くない。
そんなレドを哀れんだのか、情けない姿を見て戦意喪失したのか剣を鞘に収めるラングロート。
「貴様が我らをもう襲わぬと言うのであれば、これ以上害する事をやめよう」
とレドの腹の上で言い放つ。
「わかりましたぁ!もうしませんっ」
と涙目で泣き叫ぶ姿に呆れ果てる。
魔王は赤竜レドを撃退した英雄ラングロートを称え事の顛末を聞き、
なぜ見逃したのかと聞いた。
「ここで過ごす上で自分らの力では叶わないような壁が我らに立ち塞がるかもしれません、
そんな時彼らの助けを借り、手を取り合い壁を乗り越えればいいのです。
それに私は戦闘事はあまり得意じゃないですから、それにあのまま戦っていたら拠点にまで被害が出ていたかもしれないですから』
と笑いながら答え脅威が去ったことに安心する魔王軍だったが、
無様に撤退した赤竜の仇を取らないほど他の6色の竜たちは仲間意識が無い訳では無い。
その後も《緑竜》《水竜》《空竜》《地龍》と次々と挑んでいくがそのどれも《ラングロート》という壁を突破できる事はなかった。
《7色の竜》の中で唯一仲間を癒す《吐息》を吐くことが出来る《白竜セフィ》は日に日に疲れ、
反対に壊す事しか脳がない《黒竜ネグリ》は徐々に苛立ちを覚えて行った。
そして遂にネグリが妥当ラングロートを胸に飛び立とうとした時目の前を塞ぐようにセフィが現れる。
「退け、仲間の未練を晴らにいく」
「無理よ!!仲間が怪我を追って帰って来てるでしょ?
いくら貴方でも怪物相手に勝てるわけがないわ!!」
「それでも行くんだ、家を帰る場所をこのまま取られ続けたままでいいのかっ!?」
「言い訳ないでしょ!!…でも家を失うより仲間が傷つく姿を見る方が辛いってなんで分からないのっ!!
戦わなくたって済む方法があるかもしれないわ!!」
セフィの尾がネグリの顔を叩く。
「いくら止めたって俺は行くぜ、絶対に奴を倒す」
そう言って空の彼方に飛び去っていく黒い竜を、
ただ見つめていた。
それから数日が過ぎたが一向に黒き竜が帰ってくる気配がない、
今までは見逃してくれていたが、彼の好戦的な性格も相まってまさかと嫌な予感が過ぎさらに数日
他の5色の竜の元を尋ねるがそのどれも彼の居場所を知るものは居なかった。
「私行ってくるわ」
「行くってどこに?」
「あの侵略者の元によ」
「セフィちゃん本気なの?」
「本気よ、私は知りたい彼がどうなったかを」
「それなら私も着いていく」
「クゥちゃんダメだよ!危ないよ!」
「大丈夫だよ、私はもうやられちゃったから、
襲わないって約束はしたけど近づくなとは言われてないからね、
それにもし襲われたら私がってになるから」
と翼をはためかせ元気よく《空竜》は言うが
「ダメよ、私はこれ以上誰かが傷つくのを見たくないの、
私一人で行くわ」
と飛んでいってしまう
「一人で行かせと思う?皆も同じ気持ちだよね?」
その言葉に4色の竜達は頷く。
「私は《白竜》セフィ、ここに私の仲間を傷付けたラングロートと言う人物が居ると聞いたわ、聞きたい事があるの」
魔王軍の元にたどり着いたセフィは高らかに言った。
他の竜と比べ臆病で怖がるだったセフィの体は震え少し涙目になっていた彼女はこちらに進みでる1人の生物を見据える。
「私がラングロートだ、白き竜よここに何の用だ?」
「ネグリ…黒い竜を貴方はどうしたの?」
「黒い竜?…ああ彼の黒炎はなかなかに厄介だったよ、それでどうしたとは?」
口振りからしておそらく戦ったのだろうと理解する
「彼を貴方は殺したの?」
「とんでもない、他の竜達と同じで少し攻撃させてもらって撤退を促したさ、魔王様としても私も無用な血を流す争いは望んでいない」
その言葉を聞きセフィは小さな穴なら泉になってしまうほどの大粒の涙を流し地べたに座り込んでしまった。
「いきなりどうしたのだ!?」
突然涙を流す白き竜にラングロートは困惑してしまう。
「何処を探しても彼が居ないの、それでもしかしたら貴方に倒されたんじゃないかと思って、でも本当に彼は生きているのよね?」
「おそらくそのはずだ、私の攻撃を受けてもまだ戦おうとする余力と安定して飛べる体力を持っていた、
おそらくどこかにいるだろう…そうだな」
ラングロートは顎に手を当て何かを考え始め、
何かが思いついたかのように手を叩く。
「…もし良かったら私達もその黒き竜ネグリを探させてくれないか?」
「えっ?」
突然の申し出に驚くネフィ。
「体が小さく機動力も劣る我々では役に立てないかもしれないが、数が多いに越したことはないだろう?君さえ良ければだが」
「どうして?」
「その竜は君が涙を流すほど大切な存在なのだろう?
大切な人が居なくなる気持ちは私も知っている、
それに私達は君らが言う侵入者であり、
初めて見る慣れない土地を生きるので必死で周りが見えていなかった、それは申し訳ないと思っている。
こうして対話出来ているのだから最初から傷つけ合わず、手を取り仲良く語らう事も出来たはずだ、
だから今からでも手を取り合うことは出来ないだろうか?
私達は自分が暮らせる土地だけ確保出来たらそれ以上はここを荒らしはしない、もしそれでもダメだと言うなら別の場所に行こう」
「別の場所って《ラエド》には他の大陸は存在しないわ、ここで生きる生物達は死ぬまでの短い期間を精一杯生きることしか出来ない、
いつ死ぬかも分からない恐怖に怯えながら暮らすしかないの…
でも貴方なら何か感じることが出来るかもしれないわね、
ここで最強のドラゴンに勝ったのだから。
いいわ、私の土地を少しあげるわ、だから一緒にネグリを探して」
こうして魔王軍は白き竜と友好関係を築きあげ
次第に他の5色の竜と打ち解けて行った。
その功績と何度もドラゴンを退けた力が魔王や仲間に評価され、
《竜と心を通わせ共に力を合わせ皆を守り明日へ進む騎士》という名の、
《竜騎士》の称号と《シャイン》と言う家名を授かった。
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