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宮川さんとの学校での日常
宮川さんと学校でお昼ご飯
しおりを挟む最近は宮川さんと学校で昼ご飯を食べることが日常になっている。
席はもともと隣同士なのでただ自分の席でご飯を食べながらお喋りするだけだ。以前はお互いに何も喋らずに黙々とご飯を口に運んでいただけだったのだが、最近は昼休みが楽しみになっている。これも宮川さんのおかげだ。
お昼はいつも母が作ってくれる弁当を食べる。いつもありがとうございます。僕は手を合わせながら母に感謝した。宮川さんもいつもお弁当なのだが、いつもすごい。すごいというのは量もそうなのだが、伊勢海老だったり、キャビアだったり高級食材が毎度の如く入っている。
一体宮川さんのご両親は何をしているのだろうか。(ストーリーに関わってくるので書きません)
「宮川さんのお弁当はいつもすごいね。いつもだれが作ってくれるの?」
「いつもじいやが作ってくれるわ」
宮川さんは伊勢海老を食べながらそう答えた。じいや?おじいちゃんのことか。
「おじいちゃんのこと「じいや」って呼んでるんだ。いいところのお家ではそうなんだ」
僕は率直な疑問をぶつける。
「?何を言っているの?じいやはじいやでしょ。祖父はちゃんと別にいるわ。」
宮川さんも言葉には疑念が交っている。どういうことだ?
「じいやって何者なの?」
「じいやはうちの専属のお手伝いさんのことよ。あなたのところにもいるでしょう?」
「いるわけないよ!そんな一家に一台みたいな感じじゃないよ!あるのはせめてルンバくらいだよ!」
宮川さんは終始怪訝な声で言っている。顔は無表情なので感情はわからない。それにしても宮川家は恐ろしい。まさかメイドさんとかいないよな?いるなら一目見てみたい!
「もしかして、宮川さんの家にメイドさんっている?」
「メイド?そんなのいないわ。でもたまに家を掃除してる知らない女性の人がいるわね」
「それはたぶんメイドだよ!すごいよ!今度宮川さんの家いっていい?」
僕はテンションが上がってついそんな事を口走ってしまった。あっ。それを聞いた宮川さんは口に運ぼうとしていごはんを落としてしまう。その後宮川さんは落としたご飯をティッシュでふき取った後、また平然とした顔で僕にこう言った。
「いやよ。あなたを入れるならそこらへんの犬のほうがましよ」
「なんでよ!犬よりはちゃんとしつけがなってるよ!待ては犬よりできるよ!」
やはりだめだったか。正直5割くらい期待していたがしかたない。また行く機会もあるだろう。悔しがっていると宮川さんが話かけてきた。
「ねえ。あなたの好きな食べ物って何?」
宮川さんが僕の事について聞くのは珍しいな。
「うーん。からあげとかかなー」
僕は正直に答える。
「相変わらず普通ね。さすが顔も平均点の男」
「ひどいよ!顔は余計だよ!」
相変わらず毒舌だ。でも何でそんな事聞いてきたんだろう?
次の日の昼休み。
宮川さんのお弁当は相変わらず豪華だ。僕たちがいつも通り喋っていると宮川さんが箸でからあげを持ってこう言ってきた。
「ああー。からあげおいしいけど作りすぎちゃったわ」
宮川さんの弁当を見ると確かに大量のから揚げがある。作りすぎだろ。かわいそうなので手伝ってあげるか。
「宮川さん。よかったら僕にからあげくれない?」
それを聞いた宮川さんは
「しかたないわねー。捨てるよりはましね」
と言って僕にから揚げを渡してきた。僕は弁当箱でそれを受け取る。見た目は少し黒ずんでいて揚げすぎのような気もするが。
「ありがとう。早速いただくよ」
そう言ってから揚げを口に運ぶ。うーん。少し硬いが、味はまあ普通だ。
「うん。おいしいよ!」
それを聞くと宮川さんは
「そう」
とだけ言って、俯いた。その後トイレに行くと言い出して席を立ってしまった。
一体どうしたんだ?それにしてもじいやも料理を失敗することがあるんだな。?でも作りすぎちゃってと言ってたな?もしかしてこのから揚げは宮川さんが・・
そう思ったところで宮川さんがトイレから帰ってきた。改めて感謝しよう。
「宮川さん。から揚げありがとう。おいしかったよ!」
「それはよかったわ」
そう言った宮川さんの顔は少し赤くなっている気がした。
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