23 / 44
となりの宮川さんは人気Vtuberになりたいストーリー版
宮川さんの家
しおりを挟む
爽やかな朝の陽ざしと共に僕は目を覚ます。普段とは違った天井。体を起こしてみると右手が何かを握っていることに気づいた。ん?なんだ?僕は布団をめくると、隣には黒髪の美少女が気持ちよさそうに寝ていた。
「・・宮川さん!・・」
僕はとっさに口を塞ぐ。宮川さんを見ると、まだすやすや眠ったままだ。あぶない。起こすところだった。でもどうしよう。右手が握られているから動くのもなー。しかたがないから寝顔を観察しよう。
普段はキリっとしている目元も瞑っているととてもかわいい。こんな美少女の口癖が「殺す」なんてだれも信じないだろう。僕はなんとなく宮川さんの顔にかかった髪の毛をどかす。あっ。宮川さんと目があってしまった。
「・・おはよう。宮川さん。いい朝だね・・」
僕は精一杯の笑顔を彼女に向ける。次の瞬間、頬に強烈な痛みが走った。
「いったーーー!!」
僕は頬の痛みに耐えながら朝食に向かった。朝食はビュッフェ形式でおいしそうな料理がたくさん並んでいる。そういえば昨日は値段見てなかったけど大丈夫かな。最悪宮川さんにお金を借りよう。僕たちは適当に料理を取って席についた。
「おいしそうな料理がたくさんあるね」
宮川さんは僕の問いかけを無視して黙々とパンを食べている。まだ朝のことを怒っているらしい。
「ごめんよ。勝手に髪を触ったのは本当に悪かったよ」
自分の軽率な行いを反省する。綺麗だったからつい触ってしまった。宮川さんには言わないでおこう。
「・・・そのパンを犬のように手を使わずに食べたら許してあげるわ」
「いやだよ!周りの客がドン引きだよ!」
僕はちゃんと手を使ってパンを食べた。宮川さんもパンを食べて機嫌が直ったみたいだ。
「この後どうするの?」
「普通に帰るわよ。お土産がたくさんあるからあなたもついてきなさい」
ついてきなさい?ということは宮川さんの家に行くんだ!
「いいの?宮川さんの家、前から行ってみたかったんだよ」
「は?うちには入れないわよ」
「ま、まあそうだよね」
残念だけど、外観だけでも拝んで帰ろう。僕たちは朝ごはんを食べ終わった後、すぐにホテルを出た。夏なので外はまだ暑い。それに荷物が重い。
さすがに全種類は買いすぎなんじゃないか。僕は思い荷物を必死に持ちながら電車に乗る。宮川さんは都内から少し離れた駅で降りた。そのまま彼女についていく。
10分ほど歩いたところで少し山道に入った。
「宮川さん。本当に家こっちなの?ここ山道みたいだけど」
「合ってるわよ。いいからついてきなさい」
そこから5分ほど歩くと、大きい門が現れた。
「えっと。これどこかの公園の門?」
「違うわよ。私の家の門よ」
「でっかーーー!!!」
門でうちの家くらいはある。というか家がまだ見えないし。門の先には一本道が続いていた。すると向こうからだれかが歩いてくる。よく見るとじいやだった。
「お嬢様よくぞご無事で」
じいやは深々とお辞儀をして宮川さんを出迎える。僕を一瞥すると
「あのものに変なことされませんでしたか?じいやがやりますか?」
やるって怖いよ。完全に殺るの方だよ。
「いいわ。何もされなかったから」
「あ、ありがとうございます」
良かった。なんとか殺されるのは回避できたみたいだ。僕は荷物をじいやに手渡すとじいやは荷物を持って帰っていった。
「えっと。宮川さんはこの家にお父さんと住んでるの?」
ちょっと踏み込んで質問してみる。
「いいえ。父は滅多に帰ってこないわ。私の顔を見ると母を思いだすんでしょうね。離婚してからは全然家に居ないわ」
宮川さんは遠くを見つめながら言う。
「そうなんだ」
宮川さんにとって家はあまりいい思い出がないのかもしれないな。うーん。なんとかしてあげたい。そうだ!
「宮川さん!今度川上さんとこの家に遊びに来ていい?」
「え?い、いやよ」
突然の申し出に宮川さんは慌てつつも断った。しかしここで引き下がる僕ではない。
「今度、川上さんと二人で一緒に配信しようよ!オフコラボってやつだよ!」
「えー。あの変態を家にあげるのはちょっと・・」
宮川さんは心底いやそうな顔をしている。まあ分からなくはないけど。
「大丈夫だよ!僕がなんとかするから!それに人気Vtuberになるためだよ」
これでどうだ?
「・・・わかったわ。じいやにも言っておくわ」
宮川さんは観念した様子でオッケーしてくれた。
「やったー!じゃあ日にちとかはまたメールするから!バイバイ宮川さん」
「じゃあね」
よし!今度宮川さんの家で配信だ!
「・・宮川さん!・・」
僕はとっさに口を塞ぐ。宮川さんを見ると、まだすやすや眠ったままだ。あぶない。起こすところだった。でもどうしよう。右手が握られているから動くのもなー。しかたがないから寝顔を観察しよう。
普段はキリっとしている目元も瞑っているととてもかわいい。こんな美少女の口癖が「殺す」なんてだれも信じないだろう。僕はなんとなく宮川さんの顔にかかった髪の毛をどかす。あっ。宮川さんと目があってしまった。
「・・おはよう。宮川さん。いい朝だね・・」
僕は精一杯の笑顔を彼女に向ける。次の瞬間、頬に強烈な痛みが走った。
「いったーーー!!」
僕は頬の痛みに耐えながら朝食に向かった。朝食はビュッフェ形式でおいしそうな料理がたくさん並んでいる。そういえば昨日は値段見てなかったけど大丈夫かな。最悪宮川さんにお金を借りよう。僕たちは適当に料理を取って席についた。
「おいしそうな料理がたくさんあるね」
宮川さんは僕の問いかけを無視して黙々とパンを食べている。まだ朝のことを怒っているらしい。
「ごめんよ。勝手に髪を触ったのは本当に悪かったよ」
自分の軽率な行いを反省する。綺麗だったからつい触ってしまった。宮川さんには言わないでおこう。
「・・・そのパンを犬のように手を使わずに食べたら許してあげるわ」
「いやだよ!周りの客がドン引きだよ!」
僕はちゃんと手を使ってパンを食べた。宮川さんもパンを食べて機嫌が直ったみたいだ。
「この後どうするの?」
「普通に帰るわよ。お土産がたくさんあるからあなたもついてきなさい」
ついてきなさい?ということは宮川さんの家に行くんだ!
「いいの?宮川さんの家、前から行ってみたかったんだよ」
「は?うちには入れないわよ」
「ま、まあそうだよね」
残念だけど、外観だけでも拝んで帰ろう。僕たちは朝ごはんを食べ終わった後、すぐにホテルを出た。夏なので外はまだ暑い。それに荷物が重い。
さすがに全種類は買いすぎなんじゃないか。僕は思い荷物を必死に持ちながら電車に乗る。宮川さんは都内から少し離れた駅で降りた。そのまま彼女についていく。
10分ほど歩いたところで少し山道に入った。
「宮川さん。本当に家こっちなの?ここ山道みたいだけど」
「合ってるわよ。いいからついてきなさい」
そこから5分ほど歩くと、大きい門が現れた。
「えっと。これどこかの公園の門?」
「違うわよ。私の家の門よ」
「でっかーーー!!!」
門でうちの家くらいはある。というか家がまだ見えないし。門の先には一本道が続いていた。すると向こうからだれかが歩いてくる。よく見るとじいやだった。
「お嬢様よくぞご無事で」
じいやは深々とお辞儀をして宮川さんを出迎える。僕を一瞥すると
「あのものに変なことされませんでしたか?じいやがやりますか?」
やるって怖いよ。完全に殺るの方だよ。
「いいわ。何もされなかったから」
「あ、ありがとうございます」
良かった。なんとか殺されるのは回避できたみたいだ。僕は荷物をじいやに手渡すとじいやは荷物を持って帰っていった。
「えっと。宮川さんはこの家にお父さんと住んでるの?」
ちょっと踏み込んで質問してみる。
「いいえ。父は滅多に帰ってこないわ。私の顔を見ると母を思いだすんでしょうね。離婚してからは全然家に居ないわ」
宮川さんは遠くを見つめながら言う。
「そうなんだ」
宮川さんにとって家はあまりいい思い出がないのかもしれないな。うーん。なんとかしてあげたい。そうだ!
「宮川さん!今度川上さんとこの家に遊びに来ていい?」
「え?い、いやよ」
突然の申し出に宮川さんは慌てつつも断った。しかしここで引き下がる僕ではない。
「今度、川上さんと二人で一緒に配信しようよ!オフコラボってやつだよ!」
「えー。あの変態を家にあげるのはちょっと・・」
宮川さんは心底いやそうな顔をしている。まあ分からなくはないけど。
「大丈夫だよ!僕がなんとかするから!それに人気Vtuberになるためだよ」
これでどうだ?
「・・・わかったわ。じいやにも言っておくわ」
宮川さんは観念した様子でオッケーしてくれた。
「やったー!じゃあ日にちとかはまたメールするから!バイバイ宮川さん」
「じゃあね」
よし!今度宮川さんの家で配信だ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる