学校の脇の図書館

理科準備室

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中学生のおにいさんに見られた

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だれもこないうちに終わってよかった。もうぼくはおしりを拭くだけだった。ぼくはトイレットペーパーをちぎると、ふたたびしゃがみ直しておしりを拭いた。
でも、ペーパーが刺激したせいか、おしりの穴の近くになんかたまってきたようなむずむずした熱い感じがまだしてきた。おなかもまた急に痛くなってきた。今度はさっき2本も飲んだ牛乳の分みたいだった
しかも、おしっこまでまたしたくなってきた。
しゃがんだまま早く済ませてしまおうとぼくはいきみ、そしておしりの穴を開こうとした。
廊下からパタパタと誰かがトイレに向かって急ぎ足で歩いてくる音がした。ぼくみたいに走ってはいないけど、相当あわてている感じだった。
このままだ見られてしまう。うんこはこれでやめて、すのこ上のズボンとパンツをはいてトイレを出てしまおう。うんこだったら家でもできるし・・・でも、それは無理だった。今立ち上がったら、出てしまいそうだった。ぼくは最後の力を振り絞って、おしりの穴に押し寄せてくるうんこをガマンしながら、お願い、女子トイレの方に行って、とぼくは祈るだけだった。
でも、それは通じなかった、このトイレの戸がガラガラと開く音がして、あっという間に便所下駄に履き替えると、カツカツという便所下駄の歯がコンクリートの地面に当たる音がぼくの入っている方に向かってきた。
後ろのほうのしゃがむ方のドアが閉まっていたのに対して、こちらのドアは半分開いていたから、確実に空いていると思ったんだろうな
でも、そのときのぼくの頭はパニックになり、ただ出てきたがっているうんこをガマンするしかできなかった。
  やがてギィーという音がしてドアの方を振り向くと、見知らぬワイシャツに黒いズボンの高校生のおにいさんが立っていて、しゃがんでいるぼくと目が合った。たぶん学習室で勉強しているおにいさんだろう。

おにいさんはトイレのドアが開いていたのにその中にぼくがいたことによほどびっくりした顔をしたような顔をしていて、時間が止まったようにそのまま無言だった。  
ぼくも、瞬間、おしりが限界に達して、結局おにいさんの目の前で膝を抱えながら「ぶぶぶぶっ」とおならの音混じりの黄土色のどろどろのうんこをたくさん出してしまった。最初の「し」の字のうんこよりどろどろのうんこは酸っぱいようなヘンなにおいがしてもっと臭かった。
ぼくは恥ずかしさのあまり思わず目をふせて「見ないで・・・」と言ってしまった。やがておにいさんは気を取り戻したようで「あっ!ゴメン」と言い残して後ろの個室に駆け込んでいった。
すぐに大慌てで服を脱ぐ音が聞こえ、その後はげしい下痢の出てくる音が聞こえた、おにいさんさんもお腹なんか壊してぎりぎりだったのだろう。
 ぼくは大急ぎで個室を出て、足場に脱いだものをはいて、トイレから出た。頭がパニックになっていたからよく覚えていないけど、もしかするとおしりもふかなかったし水も流さなかったかもしれない・・・。
そして玄関に戻るために廊下を走っていく最中、うんこが見知らぬお兄さんに見られたことが恥ずかしくて仕方がなかった。ぼくはお兄さんと顔を合わせないために、結局持ってきた「宇宙旅行のひみつ」を返さずに帰ってしまった。

 




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