4 / 39
4望んでなんていないのに★
午後の講義は始まる五分前に、俺は教室へと入った。
少しざわつく室内の隅に座ろうとすると、前の席に座る同じゼミのやつが話しかけてきた。
癖のある黒髪に赤いメッシュをいれた、やんちゃっぽい青年。
水瀬亘。
彼は誰にでも気さくに話しかけるタチらしく、俺にも普通に接してくる。
「中庭で騒ぎあったの、あれ、お前だよな? すげえな電気びりびりしてて綺麗だったー」
……綺麗?
水瀬はうっとりとした顔をして、頬杖ついている。
「綺麗って……綺麗?」
驚きのあまり、言われた言葉を繰り返す。
水瀬は俺の方を向くと、笑顔で言った。
「綺麗だったよ? 電気。ああいう派手な能力、僕、憧れちゃうなあ」
そんなにいいものだろうか。
俺には理解できない。
「別に。俺はもっと地味なんで良かったんだけど」
この町に住む多くの住人は、ちょっとした超能力を持っている。
なぜそんな力を持てるのか理由はわかってはいないが、使えるんだから仕方ない。
しかも、町を出るとたちまち力を失ってしまう。
だからこの土地に何か理由があるんだろうけれど、謎のままだった。
「僕は羨ましいけどな。なあ、羽入、いっしょにいたのって誰?」
一緒にいたやつ、いったいどっちの事だ。
浅木さんか、蒼也か。
俺は悩みそして、両方答えることにした。
「ひとりは、医学部の先輩で……もうひとりは……双子の弟」
「え、嘘、お前双子なの? あとから来たやつのことだよな、それ。全然似てねえじゃん」
いったい水瀬は、どこから見ていたんだろうか。
まあ、少ないとはいえ人はいたしな……
もしかしたら校舎のどこかからか見ていたのかもしれない。
「弟だよ。学部は違うけどな」
言いながら俺は、トートバッグから教科書などを取り出す。
「へえ。なんかお前の弟、怖い感じだったけど、仲いいの?」
「普通」
それ以外なんて答えればいいのか。
あいつの姿を思い出すと、胸に痛みが走る。
あいつ、今夜うちに来たりしねえだろうな。
そう思うと、ため息しか出なかった。
一日の講義を終え、俺は帰路につく。
大学から家までは自転車で十五分ほどだ。
途中スーパーで買い物をして家に着いたのが十九時過ぎ。
駐車場に車が止まっているのを見つけ、俺は思わず足を止めた。
逃げ出したい。
けれど、逃げてどこに行く?
厄介なことに、この家の合鍵を、蒼也は持っている。
家の灯りもついている、と言う事は、あいつが来ている、ってことだろう。
なんで来てるんだよ。
駐車場の隅に自転車を止め、俺は足取り重く玄関へと向かった。
震える手で鍵をさし、そして、ゆっくりと回す。
中に入ると、奥から出てきたのは見たくもない弟の姿だった。
「心配してきたんだけど、大丈夫、緋彩」
たしかに顔は、心配している表情をしている。
だけど俺は、その顔が怖かった。
震える手で玄関に鍵をかけ、息を大きく吸い、なるべく冷たい声で俺は言った。
「何しに来た」
「何しにって、緋彩が大学で力を暴走させかけたからだろう? 心配するのは当たり前じゃないか」
そんな心配、いらねえのに。
そう言ってお前がすることはひとつなんだから。
「俺は大丈夫だよ。お前、家に帰れよ。じゃないと怒られるのは俺なんだから」
特に母親は、蒼也がここに来ることを快く思っていない。
俺との関係について知ってんのかは知らないが、時おりメッセージが届き、蒼也をたぶらかすのはやめろ、と言ってくる。
そうじゃないのに。
実際は逆だと言うのに。
俺は蒼也を誘惑したことなんてない。
なのにこいつは、俺にその力を使って無理矢理抱くんだから。
「緋彩、顔色悪いじゃないか」
「それはお前がいるからだよ」
靴を脱ぎながら言い、俺は蒼也の横をすり抜ける。
「俺は緋彩のこと、こんなに心配してるのに?」
「そういうのはいらないって言ってるだろ。俺はひとりで大丈夫なんだから」
早く帰ってほしくて冷たい言葉を繰り返すが、蒼也は帰ろうとはしなかった。
「緋彩」
居間に入るなり腕を掴まれ、そして壁に身体を押し付けられる。
悲しげな双眸が俺を見つめている。
何でそんな顔するんだよ?
お前にとって俺は、ただの時間つぶしの玩具でしかないだろうに。
「なんで俺を拒むの」
「や、やめろよ蒼也。俺はまだメシ、くってない……」
自分の想い通りにならないからと、力を使うのは反則だろうに。
蒼也に対する拒否反応が、求める想いに変わってしまう。
俺は蒼也にしがみ付き、吐息を漏らす。
「蒼……俺……」
頭の後ろに手が回り、引き寄せられて蒼也が俺の耳元で囁く。
「なんで素直に俺を求めないの? なんで俺を頼らないの? 俺には緋彩しかいないのに」
「蒼……」
駄目なのに。
求めてはいけないのに。
蒼也の力によって俺は、拒むことができず、弟にしがみ付くしかできなかった。
「欲しいよね、兄さん? だってそう言う風に身体を変えたのは、俺なんだから」
そして蒼也は俺に唇を重ねた。
まだ夕飯喰ってねえって言うのに。
風呂で身体を洗われた後、そのまま俺は風呂で蒼也のモノを受け入れさせられていた。
湯船に手を突き、後ろから貫かれ俺は涙を流しながら腰を揺らす。
散々蒼也に開発された身体は、すぐに快楽に溺れ蒼也を求める。
「う、あぁ……蒼……奥、ヤダ……」
「嫌がる割には、俺のペニス、締め付けて離さないよね、兄さん? 緋彩はほんと、淫乱だよね。そうしたのは、俺だけど」
蒼也が求めるとき、俺は身体を開かされ、蒼也が求めるように中を締め付け喘ぎ声を上げる。
俺のどこがいいんだ、本当に。
「ねえ緋彩。もっと俺のこと頼ってよ。俺は、緋彩の弟なんだから」
それ、俺を貫きながら言う事かよ?
蒼也は俺の腰を掴み、激しく抽挿を繰り返しながらうわ言のように繰り返す。
「緋彩、ひいろ……大好きだよ、ひいろ……」
「ひ、あ……そ、う……だめ、だって……出る、から……」
びくびくん、と身体を震わせ、俺は達してしまう。
すると中が収縮し、蒼也のペニスをきゅうきゅうと締め付けた。
「やばっ……俺も出るよ、兄さん……」
上ずった声で言い、蒼也は動きを止めた。
腹の奥が熱い。
こいつ、中で出しやがった。
受け止めきれない精液が、隙間からあふれ出ていく。
腹壊すから、中には出すなと言ってるのに。
「あーあ……兄さんの中、俺のでいっぱいになっちゃった」
笑いながら言い、蒼也は俺の中から引き抜く。
そして、後孔に指を突っ込み、ぐちゃぐちゃに中をかき混ぜた。
「あ、あ……蒼、中、だめだって……敏感、なんだから……」
「イきなよ、緋彩。いっぱいイッて、俺の事だけ考えて?」
勝手なことを言いやがって。
俺は、お前に抱かれるのを望んではいないのに。
少しざわつく室内の隅に座ろうとすると、前の席に座る同じゼミのやつが話しかけてきた。
癖のある黒髪に赤いメッシュをいれた、やんちゃっぽい青年。
水瀬亘。
彼は誰にでも気さくに話しかけるタチらしく、俺にも普通に接してくる。
「中庭で騒ぎあったの、あれ、お前だよな? すげえな電気びりびりしてて綺麗だったー」
……綺麗?
水瀬はうっとりとした顔をして、頬杖ついている。
「綺麗って……綺麗?」
驚きのあまり、言われた言葉を繰り返す。
水瀬は俺の方を向くと、笑顔で言った。
「綺麗だったよ? 電気。ああいう派手な能力、僕、憧れちゃうなあ」
そんなにいいものだろうか。
俺には理解できない。
「別に。俺はもっと地味なんで良かったんだけど」
この町に住む多くの住人は、ちょっとした超能力を持っている。
なぜそんな力を持てるのか理由はわかってはいないが、使えるんだから仕方ない。
しかも、町を出るとたちまち力を失ってしまう。
だからこの土地に何か理由があるんだろうけれど、謎のままだった。
「僕は羨ましいけどな。なあ、羽入、いっしょにいたのって誰?」
一緒にいたやつ、いったいどっちの事だ。
浅木さんか、蒼也か。
俺は悩みそして、両方答えることにした。
「ひとりは、医学部の先輩で……もうひとりは……双子の弟」
「え、嘘、お前双子なの? あとから来たやつのことだよな、それ。全然似てねえじゃん」
いったい水瀬は、どこから見ていたんだろうか。
まあ、少ないとはいえ人はいたしな……
もしかしたら校舎のどこかからか見ていたのかもしれない。
「弟だよ。学部は違うけどな」
言いながら俺は、トートバッグから教科書などを取り出す。
「へえ。なんかお前の弟、怖い感じだったけど、仲いいの?」
「普通」
それ以外なんて答えればいいのか。
あいつの姿を思い出すと、胸に痛みが走る。
あいつ、今夜うちに来たりしねえだろうな。
そう思うと、ため息しか出なかった。
一日の講義を終え、俺は帰路につく。
大学から家までは自転車で十五分ほどだ。
途中スーパーで買い物をして家に着いたのが十九時過ぎ。
駐車場に車が止まっているのを見つけ、俺は思わず足を止めた。
逃げ出したい。
けれど、逃げてどこに行く?
厄介なことに、この家の合鍵を、蒼也は持っている。
家の灯りもついている、と言う事は、あいつが来ている、ってことだろう。
なんで来てるんだよ。
駐車場の隅に自転車を止め、俺は足取り重く玄関へと向かった。
震える手で鍵をさし、そして、ゆっくりと回す。
中に入ると、奥から出てきたのは見たくもない弟の姿だった。
「心配してきたんだけど、大丈夫、緋彩」
たしかに顔は、心配している表情をしている。
だけど俺は、その顔が怖かった。
震える手で玄関に鍵をかけ、息を大きく吸い、なるべく冷たい声で俺は言った。
「何しに来た」
「何しにって、緋彩が大学で力を暴走させかけたからだろう? 心配するのは当たり前じゃないか」
そんな心配、いらねえのに。
そう言ってお前がすることはひとつなんだから。
「俺は大丈夫だよ。お前、家に帰れよ。じゃないと怒られるのは俺なんだから」
特に母親は、蒼也がここに来ることを快く思っていない。
俺との関係について知ってんのかは知らないが、時おりメッセージが届き、蒼也をたぶらかすのはやめろ、と言ってくる。
そうじゃないのに。
実際は逆だと言うのに。
俺は蒼也を誘惑したことなんてない。
なのにこいつは、俺にその力を使って無理矢理抱くんだから。
「緋彩、顔色悪いじゃないか」
「それはお前がいるからだよ」
靴を脱ぎながら言い、俺は蒼也の横をすり抜ける。
「俺は緋彩のこと、こんなに心配してるのに?」
「そういうのはいらないって言ってるだろ。俺はひとりで大丈夫なんだから」
早く帰ってほしくて冷たい言葉を繰り返すが、蒼也は帰ろうとはしなかった。
「緋彩」
居間に入るなり腕を掴まれ、そして壁に身体を押し付けられる。
悲しげな双眸が俺を見つめている。
何でそんな顔するんだよ?
お前にとって俺は、ただの時間つぶしの玩具でしかないだろうに。
「なんで俺を拒むの」
「や、やめろよ蒼也。俺はまだメシ、くってない……」
自分の想い通りにならないからと、力を使うのは反則だろうに。
蒼也に対する拒否反応が、求める想いに変わってしまう。
俺は蒼也にしがみ付き、吐息を漏らす。
「蒼……俺……」
頭の後ろに手が回り、引き寄せられて蒼也が俺の耳元で囁く。
「なんで素直に俺を求めないの? なんで俺を頼らないの? 俺には緋彩しかいないのに」
「蒼……」
駄目なのに。
求めてはいけないのに。
蒼也の力によって俺は、拒むことができず、弟にしがみ付くしかできなかった。
「欲しいよね、兄さん? だってそう言う風に身体を変えたのは、俺なんだから」
そして蒼也は俺に唇を重ねた。
まだ夕飯喰ってねえって言うのに。
風呂で身体を洗われた後、そのまま俺は風呂で蒼也のモノを受け入れさせられていた。
湯船に手を突き、後ろから貫かれ俺は涙を流しながら腰を揺らす。
散々蒼也に開発された身体は、すぐに快楽に溺れ蒼也を求める。
「う、あぁ……蒼……奥、ヤダ……」
「嫌がる割には、俺のペニス、締め付けて離さないよね、兄さん? 緋彩はほんと、淫乱だよね。そうしたのは、俺だけど」
蒼也が求めるとき、俺は身体を開かされ、蒼也が求めるように中を締め付け喘ぎ声を上げる。
俺のどこがいいんだ、本当に。
「ねえ緋彩。もっと俺のこと頼ってよ。俺は、緋彩の弟なんだから」
それ、俺を貫きながら言う事かよ?
蒼也は俺の腰を掴み、激しく抽挿を繰り返しながらうわ言のように繰り返す。
「緋彩、ひいろ……大好きだよ、ひいろ……」
「ひ、あ……そ、う……だめ、だって……出る、から……」
びくびくん、と身体を震わせ、俺は達してしまう。
すると中が収縮し、蒼也のペニスをきゅうきゅうと締め付けた。
「やばっ……俺も出るよ、兄さん……」
上ずった声で言い、蒼也は動きを止めた。
腹の奥が熱い。
こいつ、中で出しやがった。
受け止めきれない精液が、隙間からあふれ出ていく。
腹壊すから、中には出すなと言ってるのに。
「あーあ……兄さんの中、俺のでいっぱいになっちゃった」
笑いながら言い、蒼也は俺の中から引き抜く。
そして、後孔に指を突っ込み、ぐちゃぐちゃに中をかき混ぜた。
「あ、あ……蒼、中、だめだって……敏感、なんだから……」
「イきなよ、緋彩。いっぱいイッて、俺の事だけ考えて?」
勝手なことを言いやがって。
俺は、お前に抱かれるのを望んではいないのに。
あなたにおすすめの小説
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
上手に啼いて
紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる
水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。
「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」
過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。
ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。
孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。