牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ

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虎獣人のティシャール家

6 僕のお乳は魔性とクレイ様も一緒に暮らすことになったよ

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次の日の朝に朝食を皆で食べてからキートス様は自分たちの領地に帰って行った。

フェルディ様は、クレイ様が居なくなってまた離乳食を食べてくれるようになった。

「やっぱり、クレイに嫉妬していたのねフェルディは。」

僕のお乳を見ながら赤ちゃんながらに仕方ないと言いたげな顔で離乳食を食べてくれるフェルディ様を見ながらシャルティー様は呟く。

そんな日々が少し続いたある日の早朝にひとつの馬車がバルフォア家にやって来る。

やって来たのは、クレイ様を抱えたカメル様だ。

「どうしたの?カメル、慌てて…」

「文も贈らず突然押しかけてごめんなさい。でも!クレイが、モノアのお乳を飲んでから哺乳瓶も、私のお乳も全く飲んでくれなくなったの!最近は全く食事を取れていないの!このままじゃクレイが!」

「まぁ!大変!急いでモノアを起こしてきて!」

シャルティーは近くにいた執事長に伝える

「畏まりました。」

「とにかく、部屋に入りましょう。」

シャルティーがカメルの肩を抱きながら案内する。





コンコンー

「モノア様!お休みの所失礼致します!」

「…ほぇ?」

寝ていた僕の所にやって来たのはバルフォア家の執事長のジルルクさん。
ジルルク様は白髪を綺麗に七三で分けて髭も綺麗に整えているイケてるおじいちゃんだ。空いている時間に本の難しい読み方とかを教えてくれる良い人。

「…ジルルクさん?」

まだ寝ぼけている僕…
失礼致します。と言って入ってきたジルルクさんにまた、失礼致します。と言って抱っこされて早歩きでジルルクさんは歩き出す。

僕はまだ眠たくて状況がイマイチ理解出来ていない。抱っこされている間もほわんほわんしていた。

ジルルクさんの歩みが止まって、応接間の扉をノックする。

「モノア様をお連れしました。」

「入って。」

ジルルクさんに抱っこされたまま応接間に入るとそこにはシャルティー様とカメル様とカメル様に抱っこされたクレイ様がいた。

「…?」

「モノア、起こしてしまってごめんなさいね。でも、急を要するの。」

ん?
シャルティー様?

「ごめんなさい!モノア!あなたのお乳を貸して!」

ん?んん?
カメル様?

シャルティー様に近くに来るように呼ばれて、ジルルクさんから降りてシャルティー様の元に行くとクレイ様が僕のお乳を飲んでから他の食事を取らなくなってしまった事を聞く。とにかく今は、急いでクレイにお乳をあげて欲しいとの事だ。

クレイ様を見ると、前にあった時より少し痩せてしまっているように感じる。僕は急いで、服を脱いで持ってきてもらった牛乳を肩から垂らしてもらってクレイ様に僕のお乳を近ずける。すると、目をつぶっていたクレイ様がぱっ!と目を覚まして勢いよくお乳に吸い付く。ちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅぱ。ずっと、ちゅぱちゅぱと音が聞こえる。それぐらいお腹がすいていたみたいだ。お乳が取れそうなほどの勢いだけど、そんなことは言ってられない。命に関わるのだから。

「あぁ…よかった。」

お乳をお腹いっぱい飲んで、安らいだ顔で眠りについたクレイ様をカメル様がみて安堵する。

「それにしても、モノアのお乳を飲んで他のを飲めなくなるなんて…モノアのお乳は魔性のお乳ね…。」

「そうね…何か…赤ちゃんを虜にする力があるのかもしれないわね…」

シャルティー様とカメル様がそんな会話をしているのはクレイ様がお腹いっぱいになって眠ってしまった顔を見て良かったと思っている僕には聞こえていなかった。

「でも、これからどうしましょう…クレイがモノアのお乳しか飲んでくれないのでは…ティシャール家からバルフォア家まで通うのも…毎日は少し距離があるのよね…」


「そらなら、クレイが離乳食が食べれるようになるまでここで一緒に暮らしたらいいのよ。」

「まぁ、でも迷惑じゃないかしら。」

「何言っているのよ。私たちの仲でしょ。そんな心配しなくていいのよ。今はクレイの事を考えてあげて。それに、フェルディにも同い年のお友達を作ってあげたいし。出会いはちょっと…合わなかったかもしれないけど、一緒に暮らしていくことで仲良くなるかもしれないし。」

「そうかしら…ご迷惑おかけするけど、しばらくの間お世話になってもいいかしら。」

「ええ、もちろんよ。ロイドにも了承を得てくるわね。」

「キートスにも伝えなくては。」

こうして、僕のお乳しかのまなくなったクレイ様とカメル様がバルフォア家でしばらくの間一緒に暮らすことになったのだ。
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