騎士と魔王とetc...

アヤネ

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1章

邂逅

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【魔王城】そこは魔界に住まう魔族の頂点に君臨する者が勇者を待ち構える根城であり物語を締めくくる場所である…、

だがその魔王は魔界の歴史史上最大級の異常事態に頭、そして胃を痛めていた。


その問題は…………。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「魔王様!!
人間が城に攻めてきました!!」

「またか…、
これで32人目だぞ、毎日毎日人間どもはヒマなのか?」


そう、
なぜかこの2年間休みなく自称勇者が乗り込んできて魔王城はボロボロ…、
いや、城だけでなく手下たちもほぼ壊滅状態のため現在残っているのは目の前にいるガイコツ兵二人だけという極めて厄介な状態。


「魔王!!」


しかも乗り込んできたのは女勇者…、
魔界には歴代の魔王達の殆どは女勇者に倒された負の歴史がある、何としても二の舞は踏みたくない。


「こんな紙より薄い防衛で勇者を出迎えるとは余程自信があると見た!!
さあ勝負を!!!」


勇ましく剣をかまえる女勇者に痛む頭を押さえてため息をつく。


「お前ら勇者を名乗る輩が連日押し掛けて好き勝手暴れるせいでうちの兵士は絶滅寸前だ、
侵略なんて時代遅れな事をするつもりなんてないから帰れ、

頼むから今すぐに帰って二度と来るな。」


疲労感を漂わせる魔王と手下二人に勇者が首をかしげる。


「帰れ、と言われても…、
帰る手段がないのだが?」


そう、
ここは魔界…、
魔王を倒さずして地上に帰ることなどできはしないと伝えられている地。


「……仕方ない、ついてこい。」


魔王の後に続いて扉を潜ると真っ直ぐのびた通路の両脇は水で満たされていた…。


「ここは…?」

「【転移の間】、
昔はこれを使って世界各地を侵略していた。」


今は使ってない、と簡単に説明すると魔王は奥に行ってしまった。


「なるほど、
魔王軍が神出鬼没だったのはこれを使っていたからか…。」


あとを追うと開けた場所に魔方陣が光っていた…。


「さぁとっとと帰れ。」


魔王が勇者の背中を押すが魔方陣は何の反応も見せない…。


「おい、動かないぞ?」

「そんなバカな…。」


試しに魔王も陣の上に乗るが同じく何も起こらない…。


「おかしい、魔方陣は展開しているんだが…
チッ、しかたない、手下どもを呼んでこい。」

「え!?
私が呼びにいくのか!?」


抗議するが魔王は手でしっしと追い払う仕草しかしてこないためもと来た道を戻り広間に行くと手下二人がなにかを話していた…。


「おい。」

「「ヒイィィィィ!!!」」


声をかけてみると二人は悲鳴をあげてものすごい勢いで走り去った…。


「なんだったんだ…?
む?」


二人が居た場所に宝石が落ちていた、
光にかざしてみるが普通の宝石にしか見えない…。


「ひとまずやつに渡すか…。」


宝石を袋に入れて転移の間に行くと魔王が陣を調べている所だった。


「すまない、お前の手下がこれを落としたんだが…。」


宝石を見せた瞬間魔王の表情が強ばった。


「陣に乗るな!!」

「え!?」


勇者が陣を踏んだ瞬間陣が青く輝き二人を包む…。



そして光が消えたとき
部屋には誰も居なくなったのだ…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

目を開けるとそこはかび臭く苔むした場所…、祠だろうか?


「あれをどこで見つけた…?」


隣に居る魔王がゆっくりだが若干怒気を滲ませて聞く…、
心なしか握りしめている手からギリギリという音が聞こえてくる。


「お前の手下が落としていったのだが何なんだこれは?」

「【魔石】だ、
恐らく転移装置に嵌めこんであった物を盗んだんだろう、やつらめ帰ったら消し飛ばしてやる……。」

「帰れないのか?」

「あれは片道用、しかも転移装置の要がそんな状態だ…。」


魔王が爪でつまみ上げた宝石はかなり色がくすんでいる…。


「中に保存されていた魔力が無くなった、これが満たされるまで待っていたら50000年かかる。」

「ご!?五万年!?」


手の中にある宝石を見る…、
やはり普通の宝石にしか見えないが恐らく魔族にしか価値がわからないのだろう。


「しかたない、
ひっっっっっじょうに不本意だがついていってやる…。」

「え゛!?
だ、大丈夫なのか?魔王が勇者についていくなんて??」

「帰る方法が他に無い以上仕方ないだろう俺だって帰れるものなら今すぐにでも帰る。」


城の損害とか今後の対策とか…、と聞こえてきたあたりやることが山のようにあるらしい。


「苦労しているんだな…。」


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