騎士と魔王とetc...

アヤネ

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2章

氷王メノス

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女性の怒鳴り声に部屋全体が揺れた…、
そして吹雪をものともせずヒールを鳴らしてまっすぐ進んでいった。


「あれは…?」

「氷の魔族だ。」


女性を見てかクラーケンの焦った声が聞こえてきた。


「ひ…【氷王メノス】!?」


「よくも国宝盗んでくれたわね!
おまけに竜宮までこんな風にして…、

イカ焼きにするぐらいじゃ済まないわよ!?」


「ひ、ヒイィィィィィイ!!?」


殴るような鈍い音が何回も聞こえてくるがそんなことよりも…。


「すまないが先にこの吹雪を止めてくれ!
一人限界がきてるんだ!!」


「はぁ?
あぁそういえば水の魔族居たわね。」


何かが砕ける音がして吹雪が止む、
ザズィールも無事でヴィーリオは体に積もった雪を払い落とし三人がクラーケンの元に向かうとかなり手酷くやられたのかすでにボロボロだ…。


だが容赦するつもりはないらしい魔族三人に続いてライルも武器を構える。



「さあ覚悟しなイカ野郎!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勝負は目に見えていてすぐにクラーケンは敗北した…。


「玉手箱は?」

「大事ありません。」


落としたりかなりの力が加わったはずなのになぜか小さな傷のひとつも無い黒塗りの箱…。


「これから先また同じようなことが起こるだろうな、
先代め面倒なものを…。」


「魔王様から貰ったものを他所に移すわけにはいきませんしどうすれば…。」


悩んでいる男二人にライルが提案する。


「魔王が与えたものなら魔王に返せば良いんじゃないのか?」


「面倒なものを押し付けるな俺はいらんぞこんなビックリ箱。」


「だが他に方法は無いだろう?
いざとなれば役に立つかもしれないし…。」


「貧乏人かお前は。」


本の角をライルの額に落とし全力で拒否するヴィーリオ…。


「角で殴るのはやめてくれ…!」


「縦の方が良いと?」


本を構え直すヴィーリオにライルが身構えるが額を庇う手の上に置かれたのは黒塗りの箱だった。


「そんなに言うならお前が持っておけ。」


「良いのか?」


「願うことがあるのか?」


「いや、ない…。」


魔王を滅ぼすという事など欠片も頭の中に無いのかそれとも反射的に答えたのか定かではないがライルが断言した。


「だがザズィールは良いのか?
街を戻せるかもしれないのに…。」


「それならあたしが戻すから大丈夫よ。」


女性、メノスが杖を振り回しながら歩いてきた。


「氷の魔族は表立った動きを嫌うはずだが…?」


「あたしはコソコソするのがキライなの、
それより戻す代わりにこの事マオウサマに報告しないでくれる?」


ザズィールとライルがヴィーリオを見る…、
どうやら彼女はヴィーリオが魔王だと知らないらしい。


「魔王に会ったことは?」


「あたし氷王にならないしいつも外されてたから知らないわ。」


「そうかわかった、
報告しない代わりに氷王の所に案内してもらえるか?
杖が盗まれた経緯を話したいからな。」


笑顔でどす黒いオーラを放つヴィーリオ、
おそらくそれ以外の話もあるだろう…。


「じゃ、戻すわよ。」


メノスが杖を逆さに持ち床を三回叩く、
そこでライルがふとあることを思い出したのだ。


「そういえばここは本来水の底だと聞いたが氷が溶けたら危ないんじゃないのか?」


ヴィーリオとザズィールが顔を合わせるとヴィーリオがライルを、ザズィールがメノスを抱えて入り口まで走る。


「ちょっと何すんのよ半魚人!?」


「やかましい!
溺れ死にたくなければ黙っていろ!!」


二人が走っているうちに背後から波が追ってくる。


「ヴィーリオまずいぞ!!」


「そう思うなら自分で走れ!
お前結構重いぞ!!」


「おも…!?
こ、これは鎧のせいだ!!
だいたい走らなくてもテレポートがあるだろう!?」


「そんな便利な技があったらドラゴンも転移装置も要らん!!」


まさかの魔王テレポート説はウソっぱちだったらしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんとか波から逃げ切り城の一階に戻るとザズィールとヴィーリオが息を整えるなかメノスが杖をクルクル回す。


「何よ男二人か情けない。」


「きさまシバき倒すぞ…!!」


「やってみなさいよ細男に半魚人。」


勝ち誇った笑みを浮かべ杖を手でパシパシするメノス…、
ヴィーリオが魔王だと知ったらどうするのだろうか。


「息整えたら行くわよ、
氷の城下までは転移装置使うから。」


「「「は?」」」


三人の声が被るとメノスがピアスを外して見せた。


「この中に転移の術式が入ってるの、
持ち主の知ってる場所ならどこでも行けるわ。」


「そんなものがあるなら最初から使え…。」
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