騎士と魔王とetc...

アヤネ

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2章

氷の城下

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メノスの転移陣に乗り着いたのは全てが氷でできた街…。


「綺麗…。」

「そう?
同じものばっかで飽きてくるわ…。」


メノスが歩きだし三人が着いていくが街からは誰の声もしない、
人が住んでいるのかも怪しいぐらい静まり返っている。


「留守か?」

「城に居るんじゃない?
杖が盗まれた事なんてすぐにバレるだろうし。」


兵士は避け飲むと口が軽いから、と付け足すメノスの声はかなり素っ気ない。


「杖を盗んだやつに心当たりは?」


「同族がやったら一発でわかるしニンゲンが入ってきた記録もナシ、
あのイカ野郎が盗めるなんて思えないから皆頭抱えて動かないの。」


「ニンゲンでも魔族でも無いなら誰が…?」


「それがわかんないから頭抱えてんのよバカ魚類。」


ザズィールが拳を震わせるがなんとか殴るのをこらえている…、
この二人はかなり相性が悪いらしい。


「ま、もしかしたら天空族じゃないかって噂も流れてるけどどうなんだか…。」


「天空族が…何で?」


「天空族にとって魔族は目上の瘤だ、
居なくなればニンゲンを招き入れずに済むし人界に干渉せずにすむ。」


天空族とは良く言えば崇高、悪く言えば傲慢で潔癖症だとヴィーリオが吐き捨てる。


「自分達が最も偉大だと思っているような連中よ、
嫌なら門閉めきって引き籠っとけば良いのに面倒なやつら。」


「人間に手を貸そうものなら変人扱いか最悪反逆罪で天空を追い出される、
実際に羽をむしられて追い出されたやつが数人居るらしいが天空族は隠蔽している。」


「追い出された天空族は…?」


「知らんが奴等の事だから血眼で探しているだろう、
見つかれば確実に消されるな。」


興味無さそうに話すヴィーリオが背後の気配が止まったことに気づき振り向くとライルがうつむいて暗い表情を浮かべている。


「ただ関わっただけでそんな…。」


「やつらは下手をすると魔族以上に冷酷だ、
だから魔族は天空族には手を出さん。」


「…………。」


「その内嫌でも奴等に会う、
その時に文句でも何でも言ってやれ。」


ライルが再び歩く、
その表情は誰が見てもわかるぐらいに沈んでいる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

城に着いて目に入ったのは倒れ伏した兵士たち…、
どうやら奇襲を受けたらしい。


「これは…。」

「どうしたザズィール?」

「…魔王様急ぎましょう!
被害が拡大する前に!!」


かなり焦るザズィール、
先にメノスが中に入り三人が続く…。
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