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2章
龍宮王妃
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城の中は倒れ伏した兵士たちで埋め尽くされ埋めき声が聞こえるから死人は居ないようたが中には壁に叩きつけられた者もいて逆に無事なのが不思議なぐらいだ。
玉座の間に行くと一人の女性が立っていた…、
ただその両脇にも兵士たちが積まれていて目の前にいる氷の魔族の王は白い顔を更に白くさせている。
「だから何があったのか聞いてるのよ~。」
おっとりした口調、
この光景には似合わないぐらいのんびりしている女性を見てザズィールは項垂れヴィーリオが額をおさえる。
「帰りたくなってきた…。」
「誰なんだ?」
「龍宮の王妃オトヒメ、
初代魔王の配下であり怒らせてはならん魔族のナンバーワンだ。」
怒らせた結果がこの惨状なのだろうけれど見たところ完全に怒っているわけでは無さそうだ…、
完全に怒らせるとどうなるかは考えたくもない。
「あらザズィール、
良かった~無事だったのね。」
こちらに気づいた女性、オトヒメが微笑む。
「ちょっとやりすぎではないかオトヒメ殿?」
「あら素直に話してくれていたらこんなことしなかったわ、
あまりにも頑固だからちょっと叱っただけよ。」
「母上の 叱る は物理的ですし並みの相手には致命傷になりかねませんから控えてください…。」
「だって久々に帰ったら雪まみれだったんだもの。」
可愛らしく唇を尖らせるがザズィールとヴィーリオは疲れた表情で返す。
「はぁ…、
氷の杖を盗んだクラーケンがやった、
今は城も元通りだ。」
「あら良かった。」
「良くない、
今回の責任は無断外泊した乙姫と杖を盗まれ連絡を怠った氷帝にある。
よって、
ここにいるザズィールとメノスはつれていかせてもらう。」
氷帝が血色の薄い肌を更に白くさせるが魔王の命令は絶対だ。
「あらあらうちの跡取りはその子だけなのに…。」
「なら一年間無断外泊はしないことだ。」
「もぅせっかくお見合い写真持ってきたのにー…。」
この言葉にザズィールが「勘弁してくれ…」と頭を抱えた。
「ところで乙姫、
【魔神器】のありかを知っているか?」
「あら懐かしいわね、
それなら戦国にいる妖魔が持っているはずよ?
送って差し上げましょうか?」
「ああ頼む、
龍宮の転移陣は水底だからな…。」
「こっちよ。」
乙姫が玉座の横にある幕を押し開けて奥に消えるが随分と勝手知ったる行動だ。
乙姫に続いてヴィーリオたちも続く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
奥の部屋も氷でおおわれていて乙姫が奥にある転移陣を指差す。
「ちゃんと動いてるわ、
ただ向こうも雲行きが怪しいから気を付けて。」
そう言うと乙姫は城に帰っていった…。
「城は任せたぞ。」
「はい!」
「ついでにそいつも躾ておけ、
行くぞ勇者。」
ヴィーリオに続きライルが転移陣に乗り姿が消えるとザズィールが頭を上げる。
「なにあいつ?
城って言ってたけど偉いやつなの?」
まだ気付かないメノスにザズィールが額に青筋を浮かべる。
「あの方は魔王様だ!!」
「はぁ!?
あんな細いのが!?」
「城についたら貴様のそのふてぶてしい態度と根性を叩き直してやるから覚悟しておけ!!」
ザズィールの宣戦布告をメノスは鼻で笑い飛ばす。
「あんたみたいなデカ男に簡単に矯正されるわけないでしょ!
爺やたちみたいに胃潰瘍起こさせてやる!!」
部屋を震わせる程の怒号と罵詈雑言を飛ばす二人を氷帝は城が壊されるのではと心配し乙姫は微笑まし気に見るのだった…。
玉座の間に行くと一人の女性が立っていた…、
ただその両脇にも兵士たちが積まれていて目の前にいる氷の魔族の王は白い顔を更に白くさせている。
「だから何があったのか聞いてるのよ~。」
おっとりした口調、
この光景には似合わないぐらいのんびりしている女性を見てザズィールは項垂れヴィーリオが額をおさえる。
「帰りたくなってきた…。」
「誰なんだ?」
「龍宮の王妃オトヒメ、
初代魔王の配下であり怒らせてはならん魔族のナンバーワンだ。」
怒らせた結果がこの惨状なのだろうけれど見たところ完全に怒っているわけでは無さそうだ…、
完全に怒らせるとどうなるかは考えたくもない。
「あらザズィール、
良かった~無事だったのね。」
こちらに気づいた女性、オトヒメが微笑む。
「ちょっとやりすぎではないかオトヒメ殿?」
「あら素直に話してくれていたらこんなことしなかったわ、
あまりにも頑固だからちょっと叱っただけよ。」
「母上の 叱る は物理的ですし並みの相手には致命傷になりかねませんから控えてください…。」
「だって久々に帰ったら雪まみれだったんだもの。」
可愛らしく唇を尖らせるがザズィールとヴィーリオは疲れた表情で返す。
「はぁ…、
氷の杖を盗んだクラーケンがやった、
今は城も元通りだ。」
「あら良かった。」
「良くない、
今回の責任は無断外泊した乙姫と杖を盗まれ連絡を怠った氷帝にある。
よって、
ここにいるザズィールとメノスはつれていかせてもらう。」
氷帝が血色の薄い肌を更に白くさせるが魔王の命令は絶対だ。
「あらあらうちの跡取りはその子だけなのに…。」
「なら一年間無断外泊はしないことだ。」
「もぅせっかくお見合い写真持ってきたのにー…。」
この言葉にザズィールが「勘弁してくれ…」と頭を抱えた。
「ところで乙姫、
【魔神器】のありかを知っているか?」
「あら懐かしいわね、
それなら戦国にいる妖魔が持っているはずよ?
送って差し上げましょうか?」
「ああ頼む、
龍宮の転移陣は水底だからな…。」
「こっちよ。」
乙姫が玉座の横にある幕を押し開けて奥に消えるが随分と勝手知ったる行動だ。
乙姫に続いてヴィーリオたちも続く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
奥の部屋も氷でおおわれていて乙姫が奥にある転移陣を指差す。
「ちゃんと動いてるわ、
ただ向こうも雲行きが怪しいから気を付けて。」
そう言うと乙姫は城に帰っていった…。
「城は任せたぞ。」
「はい!」
「ついでにそいつも躾ておけ、
行くぞ勇者。」
ヴィーリオに続きライルが転移陣に乗り姿が消えるとザズィールが頭を上げる。
「なにあいつ?
城って言ってたけど偉いやつなの?」
まだ気付かないメノスにザズィールが額に青筋を浮かべる。
「あの方は魔王様だ!!」
「はぁ!?
あんな細いのが!?」
「城についたら貴様のそのふてぶてしい態度と根性を叩き直してやるから覚悟しておけ!!」
ザズィールの宣戦布告をメノスは鼻で笑い飛ばす。
「あんたみたいなデカ男に簡単に矯正されるわけないでしょ!
爺やたちみたいに胃潰瘍起こさせてやる!!」
部屋を震わせる程の怒号と罵詈雑言を飛ばす二人を氷帝は城が壊されるのではと心配し乙姫は微笑まし気に見るのだった…。
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