騎士と魔王とetc...

アヤネ

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3章

戦国

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目を開けると板張りの床、
これまでとは一風変わった場所に出たようだ。


「ここは…?」

「東の戦国地方だ、造りが独特だからすぐわかる。」


とくに何が気になるでもないヴィーリオはさっさと歩き造りの違う扉を見て一度手をかけたがすぐに舌打ちをして扉を蹴り壊した。


「よし行くぞ。」

「待てヴィーリオ!
壊す必要があったのか!?」


「喧しい、開け方を考えるのが面倒だっただけだ。」

「そんな子供みたいな…。」


壊した扉を踏み外に出ると辺りは田畑や山に囲まれている、
それだけならまだ何も思わないが民家があるのにやけに静かすぎるのだ。


「アレが原因だろうな。」


視線の先には赤い大きな頭に角が二本生えていて大きな鉄の棍棒を引きずっているイキモノ。


「この地方では【妖怪】と呼ぶらしい、
普通の魔物どもと変わらんようだが。」


降り下ろされた鉄の棍棒を避け魔術を連発すると見かけより簡単に消し飛ばせた。


「まぁ、
こいつらより面倒くさいのは亡者どもだな…。」

「亡者?アンデットとは違うのか?」

「やつらは肉体を持たず生前の姿のまま自由に動いている。」

「知り合いに居るのか?」


「以前はな、今は成仏しているはずだ。」



かなり曖昧な答えだがそれ以上語るつもりは無いらしく歩みを進め村から出た。


「この様子だと小さい村は壊滅状態だろうが都市部なら一人ぐらい生き残りは居るはずだ。」


「前から思っていたのだがヴィーリオは人通りが多いところが苦手なのか?」


「喧しいし人間臭いから酔う。」


こころなしかゲッソリしているように見える、それほど苦手なのだろう…。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「この紫の霧は何なんだ?」

「瘴気だ、
この地方は戦いが多いから人の負の情念がたまりやすく瘴気ができるがこれはかなり濃いな…。」


鬱陶しそうに顔をしかめ進むが霧は晴れるどころか濃くなっていくばかりではぐれたが最後追い付けなくなりそうだ。


「足元も見えなくなってきたな…。」

「はぐれても探さんぞ。」

「よしわかった。」


返事をして辛うじて見えるシルエットを掴む。


「服を掴むなのびる。」

「だがはぐれてしまうだろう。」

「わかったからあまり強く掴むな。」

「わかった。」


それから二人とも無言で歩きやっと町に着いた頃には影で建物がわかるかどうか怪しいぐらいの霧がたちこめていた。


「ここなのか…?」

「距離感からすれば間違いないがこうも霧が濃いと何が何だかわからんがおかしな気配がする、
瘴気の原因は恐らくここに居るだろうな。」

「原因が居るから町だとわかるのか?」


「………、
ザコどもの大半は城を占拠したがるからほぼ確実だろう。」


かなりメタい発言をあっさりと言ってのけるとヴィーリオが足を進め二人は町に入っていった…。


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