14 / 58
3章
戦国
しおりを挟む
目を開けると板張りの床、
これまでとは一風変わった場所に出たようだ。
「ここは…?」
「東の戦国地方だ、造りが独特だからすぐわかる。」
とくに何が気になるでもないヴィーリオはさっさと歩き造りの違う扉を見て一度手をかけたがすぐに舌打ちをして扉を蹴り壊した。
「よし行くぞ。」
「待てヴィーリオ!
壊す必要があったのか!?」
「喧しい、開け方を考えるのが面倒だっただけだ。」
「そんな子供みたいな…。」
壊した扉を踏み外に出ると辺りは田畑や山に囲まれている、
それだけならまだ何も思わないが民家があるのにやけに静かすぎるのだ。
「アレが原因だろうな。」
視線の先には赤い大きな頭に角が二本生えていて大きな鉄の棍棒を引きずっているイキモノ。
「この地方では【妖怪】と呼ぶらしい、
普通の魔物どもと変わらんようだが。」
降り下ろされた鉄の棍棒を避け魔術を連発すると見かけより簡単に消し飛ばせた。
「まぁ、
こいつらより面倒くさいのは亡者どもだな…。」
「亡者?アンデットとは違うのか?」
「やつらは肉体を持たず生前の姿のまま自由に動いている。」
「知り合いに居るのか?」
「以前はな、今は成仏しているはずだ。」
かなり曖昧な答えだがそれ以上語るつもりは無いらしく歩みを進め村から出た。
「この様子だと小さい村は壊滅状態だろうが都市部なら一人ぐらい生き残りは居るはずだ。」
「前から思っていたのだがヴィーリオは人通りが多いところが苦手なのか?」
「喧しいし人間臭いから酔う。」
こころなしかゲッソリしているように見える、それほど苦手なのだろう…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「この紫の霧は何なんだ?」
「瘴気だ、
この地方は戦いが多いから人の負の情念がたまりやすく瘴気ができるがこれはかなり濃いな…。」
鬱陶しそうに顔をしかめ進むが霧は晴れるどころか濃くなっていくばかりではぐれたが最後追い付けなくなりそうだ。
「足元も見えなくなってきたな…。」
「はぐれても探さんぞ。」
「よしわかった。」
返事をして辛うじて見えるシルエットを掴む。
「服を掴むなのびる。」
「だがはぐれてしまうだろう。」
「わかったからあまり強く掴むな。」
「わかった。」
それから二人とも無言で歩きやっと町に着いた頃には影で建物がわかるかどうか怪しいぐらいの霧がたちこめていた。
「ここなのか…?」
「距離感からすれば間違いないがこうも霧が濃いと何が何だかわからんがおかしな気配がする、
瘴気の原因は恐らくここに居るだろうな。」
「原因が居るから町だとわかるのか?」
「………、
ザコどもの大半は城を占拠したがるからほぼ確実だろう。」
かなりメタい発言をあっさりと言ってのけるとヴィーリオが足を進め二人は町に入っていった…。
これまでとは一風変わった場所に出たようだ。
「ここは…?」
「東の戦国地方だ、造りが独特だからすぐわかる。」
とくに何が気になるでもないヴィーリオはさっさと歩き造りの違う扉を見て一度手をかけたがすぐに舌打ちをして扉を蹴り壊した。
「よし行くぞ。」
「待てヴィーリオ!
壊す必要があったのか!?」
「喧しい、開け方を考えるのが面倒だっただけだ。」
「そんな子供みたいな…。」
壊した扉を踏み外に出ると辺りは田畑や山に囲まれている、
それだけならまだ何も思わないが民家があるのにやけに静かすぎるのだ。
「アレが原因だろうな。」
視線の先には赤い大きな頭に角が二本生えていて大きな鉄の棍棒を引きずっているイキモノ。
「この地方では【妖怪】と呼ぶらしい、
普通の魔物どもと変わらんようだが。」
降り下ろされた鉄の棍棒を避け魔術を連発すると見かけより簡単に消し飛ばせた。
「まぁ、
こいつらより面倒くさいのは亡者どもだな…。」
「亡者?アンデットとは違うのか?」
「やつらは肉体を持たず生前の姿のまま自由に動いている。」
「知り合いに居るのか?」
「以前はな、今は成仏しているはずだ。」
かなり曖昧な答えだがそれ以上語るつもりは無いらしく歩みを進め村から出た。
「この様子だと小さい村は壊滅状態だろうが都市部なら一人ぐらい生き残りは居るはずだ。」
「前から思っていたのだがヴィーリオは人通りが多いところが苦手なのか?」
「喧しいし人間臭いから酔う。」
こころなしかゲッソリしているように見える、それほど苦手なのだろう…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「この紫の霧は何なんだ?」
「瘴気だ、
この地方は戦いが多いから人の負の情念がたまりやすく瘴気ができるがこれはかなり濃いな…。」
鬱陶しそうに顔をしかめ進むが霧は晴れるどころか濃くなっていくばかりではぐれたが最後追い付けなくなりそうだ。
「足元も見えなくなってきたな…。」
「はぐれても探さんぞ。」
「よしわかった。」
返事をして辛うじて見えるシルエットを掴む。
「服を掴むなのびる。」
「だがはぐれてしまうだろう。」
「わかったからあまり強く掴むな。」
「わかった。」
それから二人とも無言で歩きやっと町に着いた頃には影で建物がわかるかどうか怪しいぐらいの霧がたちこめていた。
「ここなのか…?」
「距離感からすれば間違いないがこうも霧が濃いと何が何だかわからんがおかしな気配がする、
瘴気の原因は恐らくここに居るだろうな。」
「原因が居るから町だとわかるのか?」
「………、
ザコどもの大半は城を占拠したがるからほぼ確実だろう。」
かなりメタい発言をあっさりと言ってのけるとヴィーリオが足を進め二人は町に入っていった…。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる